妄想図書館 〜まだ恋をしてもいいですか? 後記
あとがき
最後まで『妄想図書館』を読んでくださり、本当にありがとうございました。
この物語を書きながら、私は何度も、自分自身に問いかけていました。
「人は、いくつになっても恋をしていいのだろうか。」
若い頃の恋は、未来に向かって走る力をくれます。
けれど、大人になってからの恋は、少し違います。
これまで積み重ねてきた経験や、傷ついた記憶、言葉にできなかった寂しさを抱えながら、それでも誰かを想うことには、とても勇気がいります。
だからこそ、「もう恋なんてしない」と、自分の心にそっと蓋をしてしまう人も少なくないのではないでしょうか。
私も、その一人でした。
この物語に登場する「妄想図書館」は、実在する場所ではありません。
けれど、きっと誰の心の中にも、一冊くらい、自分だけの物語が眠っているのではないかと思っています。
誰かに言われたかった言葉。
抱きしめてほしかった夜。
「そのままでいい」と認めてもらいたかった自分。
そんな想いは、消えてしまったわけではなく、静かに心の奥で眠っているだけなのかもしれません。
主人公が出会った彼は、現実には存在しない人です。
でも、だからこそ私は、この物語を恋愛小説としてだけではなく、「自分自身をもう一度愛する物語」として書きました。
誰かに愛されることも幸せですが、自分が自分を大切にできるようになったとき、人は少しだけ前を向いて歩き出せるのだと思います。
もし、この物語を読んでくださったあなたが、今、少しだけ心に寂しさを抱えているのなら。
どうか、その寂しさを責めないでください。
誰かを想える心は、年齢とともになくなるものではありません。
誰かを大切にしたいという気持ちも、自分が大切にされたいという願いも、とても自然で、美しいものです。
人生は、何歳からでも新しい一ページをめくることができます。
そのページの先に待っているのは、新しい恋かもしれません。
新しい夢かもしれません。
あるいは、以前より少しだけ、自分を好きになれたあなた自身かもしれません。
この物語が、あなたの心の中にある「妄想図書館」の扉を、そっと開くきっかけになれたなら、こんなにうれしいことはありません。
今日という日が、あなたにとって、少しだけやさしい一日になりますように。
そして、またどこかの物語で、お会いできたらうれしいです。
この『妄想図書館』はシリーズ化していく予定です。これらもまた、読んでいただけたら、嬉しいです。
ひまわりより
