「おいしいごはんが食べられますように」を読むか迷ってるあなたへ
あなたは「真面目で損する押尾タイプ」?「弱さに甘える芦川タイプ」?それとも「食も人も興味が持てない二谷タイプ」?
高瀬隼子さんの『おいしいごはんが食べられますように』。
帯には“芥川賞受賞作”の文字と“累計30万部”の数字。
書店で気になりつつ、読むか迷っている方も多いのではないでしょうか?
今日はこの本が「どんな人に刺さるか」「どんな読後感があるか」を、ざっくり紹介します。
サッと読めるが、じんわり長い後味
本文は143ページ、税込み660円。
普段あまり読書をしない方でも、通勤中や休憩時間で読み切れるボリュームです。
でもこの本は「簡単に読める軽さ」よりも、「読後に残る“妙な重み”」が後をひいてきます。
たった143ページなのに、「読んだな」と思わせてくれる余韻があるのも、おお勧めのポイント。
【あらすじ】3人の”ちょっと嫌な人たち”から目が離せない
「この人と同じ職場は無理かも」と思ってしまう人が、3人登場します。
真面目に働き損をすることに嫌気がある 押尾
弱さゆえに甘やかされ、お菓子作りに夢中な 芦川
食に全く興味がなくビールとカップ麺で生きる 二谷
押尾は芦川ができない仕事を毎回肩代わりしており、芦川の弱さが嫌い。
一方二谷は芦川とプライベートの関係を築くが、芦川の作るお菓子を捨て、作ってもらう夕食は無理やり胃に流し込んでいて……。
この3人の人間関係を中心に、職場にある「弱い者にやさしくしなきゃいけない空気」「みんな“嫌”とは言わないけど実は我慢している感じ」「聞こえるような小言」など言葉にされない職場の雰囲気が描かれています。
自分がここにいたら……とリアルに想像できてしまう、複雑で、でもどこにでもあるような「職場ホラー」を体験できる1冊でした。
読後、鏡を見るように「自分は誰?」と考えてしまう
読後、是非考えてほしいのは、「私は誰タイプ?」という事。
私は押尾に共感する箇所があったのですが、押尾の嫌な性格もあるので、
自分はそうじゃない……!とか思ってしまいました。
一方で、芦川と二谷のような人には出会いたくない、できれば同じ職場にいてほしくないとつい、思ってしまいました……。
こんな空気の職場だったら、私はどの人物タイプで、どんな行動をとってしまうのだろう……。
と思うと、じわじわと本書の恐ろしさが追ってきます。
紹介してませんが、上司の藤タイプ、パート主婦の原タイプも癖があり、そっちタイプの人もいるかもしれませんね。
読後に登場人物と自分を見比べて人間関係の恐怖感を感じるのも、本書特有の隠れホラーだと思いました。
まとめ:こんな人におすすめ
手軽に購入できて、ちゃんと”読んだ感”が欲しい
職場の人間関係のモヤモヤを言葉で感じたい
自分が誰タイプか?と考えてみたい
そんな方にお勧めです。
本屋さんで目立つところにあるので、読んでリアルな職場ホラーを味わってみては?
