【毎週ショートショートnote】じゃない不倫
最近、「邪無い不倫」というものが流行している。
「邪無い」と書いて、「じゃない」と読む。
不倫なのに、邪が無い。
つまり、何も隠ない。
例えば、不倫相手を配偶者に紹介する「顔合わせ会」が開催されたり、不倫相手とのデート予定を夫婦の共有カレンダーに入力したりもする。
そして、邪無い不倫がひとつの文化として受け入れられたのだ。
不倫が原因で干されてしまうことも無くなった。
その結果、芸能界のスキャンダルを扱う週刊誌は廃刊された。
そして、そもそも結婚することの意味合いがないのでは?と考える若者まで出始め、ブライダル業界は倒産。
どんどん家庭がややこしくなり、子ども不要論まで出るようになった。
少子化に拍車がかかり、社会問題にまで発展した。
政治家たちは、この問題を打開すべく討論を始める。
そしてたどり着いた政策は
邪無い結婚推奨だった。
ただ1人を愛し、生涯を共に生きる、ただそれだけ。
ところが、これが意外にもcoolだと、若者に受けたのだ。
(410字)
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