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なんて、幸せな冬の朝。

しんと冷えた朝。

雑事をしていると、
猫が
「ぷきゅるるるるるーうっ」
と、呼びに来てくれた。

すりっと体をこすりつけ、
そのまま、部屋を出ていってしまう。

うちの子は、
飼い主についてきてほしいタイプ。

慌てて飛び出して、あとを追えば、
廊下で猫は、ちょこんと座って待っている。

「どうしたん?」

そう声をかけて、頭を撫でれば、
猫は体をよじって、
さりさりと、
薄い薄紅色の舌で、手を舐めてくれる。

「ありがとう」

嬉しくて、また撫でると、
再び、
さりさり。
さりさり。

頭の上にある私の手を舐めようとするたび、
猫は毎回、
ぐいっと体をよじらないといけないのに。

撫でて、さりさり。
撫でて、
さりさり、さりさり。

私の手首を、
下から上へと。
何度も、何度も。

ちなみに、
うちの子の舌についている突起は、
とても小さいのか、
舐めてもらっているときに、
ひりひりすることがない。

先代の舌は、
今の猫よりも少し厚く、
色も濃くて、
さりさり、というより、
ざりざり。

たくさん舐めてくれると、
ひりひりしたものだ。

目を細めて、
頭を上下させながら、
必死な様子とか。

ちらちら見える、
柔らかい、小さな舌とか。

愛おしくて、
たまらない。

「お腹、空いたん?」

そう聞いても、
猫は、きゅるきゅる、
まぁるい瞳で、
こちらを見上げるだけ。

どうやら、
会いたかっただけみたい。

寒い日や、
雨が降りそうな日は、
いつもより、
猫は甘えん坊になる。

今日は、
とうに日が昇ったはずなのに、
いつまでも、
どんよりと薄暗い、曇り空。

だからかな、
なんて考えて。

まあ、
なんでもいいや、と、
ほくほくした心で、思う。

なんて、幸せな、
冬の朝。

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