一言で『精神疾患』といっても目指すゴールが違う。うつ、統合失調症、発達障害、それぞれの道
こんにちは、ゆたです。
私は統合失調症と共に生きるアラサー男子です。
本記事では、精神疾患について「もしかしたら勘違いしているかもしれないこと」や「あまり知られていないこと」についてお話しします。
「精神疾患とは何か」「治療について」「そして治療を受けるとどうなるのか」といったテーマを、分かりやすくお伝えできればと思います。
完治?寛解?精神疾患について
今回は、現場で実際に働く私の主治医とお話しした内容から抜粋してお話しします。
みなさん、「うつ病」って聞いたことありますか?
知っている方も多いと思いますが、うつ病は強い落ち込み、やる気の極端な低下、何をしていても楽しくないといった心の症状に加え、不眠、疲労感(疲れが取れない)、頭痛、食欲不振など、様々な身体の症状を引き起こします。
社会人であれば、会社で同僚がうつ病になった……なんて話を聞くこともあるかもしれません。
ただ、うつ病は周りからの理解が得られにくい病気でもあると、個人的には思っています。「やる気が出ません」「眠れません」といった症状は、会社や社会の中ではなかなか受け入れてもらいにくいのが現実です。
実は「精神疾患」というジャンルの病気には、うつ病以外にもさまざまな種類があります。
① 適応障害、急性ストレス反応、うつ病、一部のパニック障害
② 統合失調症、双極性障害、一部の強迫性障害、(重度のうつ病)
③ 発達障害(ADHD、ASDなど)
これらもすべて精神疾患の一部です。
さて、詳しい方はご存知かもしれませんが、この①・②・③はある「大きな特徴」で分けられています。
少し考えてみてください。
…
それでは、この①②③がどんな組み分けになっているのかをお話しします。
① 完治がゴールの病気
適応障害や(軽度〜中度の)うつ病がこの①に当てはまります。これらは医学的に「完治できる病気」です。
つまり、適切な治療を受ければ、最終的にお薬を辞めたとしても普段通りの生活を送ることができます。
もちろん、「完治できるから楽な病気」なんてことは絶対にありません。きついです、めっちゃきついです。
ただ、急性ストレス反応や一般的なうつ病などは、環境の調整や本人次第で完治できるといわれています。
今が相当つらくても、「そのつらさには終わりがある」ということを、ぜひ覚えておいてください。
② 寛解(うまく付き合うこと)がゴールの病気
私は統合失調症ですが、中学生のときに主治医の先生から言われた衝撃的な一言があります。
「ゆたくんの病気は、一生付き合っていくものです」
②に分類される病気は、完治することが稀で、基本的には「一生付き合っていく」病気です。
ですが、リストをよく見ると「うつ病」の文字が入っています。
「あれ? うつ病は治るんじゃないの?」と思った方も多いかもしれません。
実は、うつ病が完治するのは「軽度〜中度」の段階で適切な治療を受けられた場合です。
限界が来ている(うつ症状が出ている)のに無理をして仕事を頑張ったり、家事・育児を続けたりしてしまうと、本来治るはずだったうつ病も重症化してしまいます。
そもそも、うつ症状自体はどんな人間にも起こるものです。通常であれば、時間の経過とともに元の精神状態に戻っていきます。
しかし、うつ病になると日々のエネルギーの「最大充電量」がどんどん減っていきます。
エネルギーのイメージ
初期段階:充電満タン値が100%から90%、80%、70%……と下がっていく。
早めの休息:「回復しにくくなった」と自覚して強制的に休めば、80%、90%、100%と元の状態に戻せる(=完治可能)。
重度の場合:充電満タン値が10%以下になっても動かし続けてしまうと、エネルギーの最大値が二度と100%に戻らない状態になってしまう。
重度化してしまうと、②と同じように「完治ではなく、寛解を目指して付き合っていく病気」になってしまうのです。
つらいと感じているあなたへ
うつ症状を少しでも感じた人は、早い段階で休んでください。休んだ日は自分のしたかったことをやって、心を解放してあげましょう。それだけで充電のマックス値が復活します。
真面目な人ほど「自分が休むとみんなに迷惑がかかる」と考えがちです。
ですが、無理をして倒れてしまうよりも、今1週間休んでエネルギーを回復し、また元気に働けるようになる方が、結果的に周りのためにもなります。
会社の上司に「うつ症状があるので1週間お休みをいただけないでしょうか」と相談して、「うつでも働け!」なんて言う会社はほとんどありません。きっと「病院に行ってゆっくり休んでね」と言ってくれるはずです。
人間には、そこまで限界を超えて走り続けられる能力はありません。だから、つらいときはしっかり休みましょう。
③ 困りごとの解決がゴールの障害(特性)
③の発達障害は、精神疾患の中でもかなり特殊です。私個人としては「そもそも精神疾患という枠組みで呼ぶべきなのだろうか?」と思ってしまうほどです。
①や②は、成長の過程や環境、性格などが複雑に絡み合って「発症」するものです。
しかし、③は生まれつきの脳の仕組み、つまり「特性(個性)」です。
例えば、ADHDの方が「片付けができない」「物をなくしてしまう」というのは、病気というよりその人の個性であり特性です。現在の医学には、人の個性をガラリと変えてしまうようなお薬はありません。
まとめると、それぞれの目指すゴールは以下のようになります。
分類代表的な疾患・特性目指すゴール
①軽度〜中度のうつ病、適応障害、パニック障害など完治(薬をやめて元通りになる)
②統合失調症、双極性障害、重度のうつ病など寛解(付き合いながら良い状態を保つ)
③発達障害(ADHD、ASDなど)困りごとの解決(工夫して生きやすくする)
同じ「精神疾患」という言葉でくくられていても、目指す場所やアプローチは全く異なります。
おわりに
現在の私の統合失調症は、「寛解しかけている」くらいのイメージです。たまに幻聴や妄想といった症状が出ることもあります。
それでも、自分のペースで休み休み仕事を続けています。
昔の私なら「みんなも頑張っているんだから、このくらい当たり前だ」と無理をして格好をつけていたでしょう。
でも今の私は、少しでもできたら「自分、すごいぞ! 偉いぞ!」と褒めるようにしています。これは生きていく上でとても大切なマインドだと思っています。
そして今の私の周りには、頑張りを褒めてくれる人や、頼りにしてくれる人がたくさんいます。
この幸せを忘れないように、これからも「やんわり」頑張って生活していこうと思います。

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