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「なりすまし屋」

よしなしごと【気まぐれ選35】

 役所や警察などで、誰かが不祥事を起こす。当然、懲戒免職などの処分をするわけだが、あまり表沙汰にはしたくない。そんなとき登場するのが「なりすまし屋」である。

 「なりすまし屋」は、処分された当人になりかわって、何食わぬ顔で職務にあたる。昨日とまったく同じように、役所の窓口で書類を受け付けたり、交番で道案内をしたりする。

 同僚や上司は、処分を受けた当人とは別人であることを知っているが、守秘義務があるのでそれを口に出したりはしない。例えば「田中」の名札を付けた人は「田中さん」であって、「田中さん」以外の人ではないのである。
もちろん一般市民は、いちいち役所の窓口の人や交番の巡査の顔を覚えたりはしていないので、別人だと分かるはずはない。

 一説によれば、都市部の役所の10%以上は「なりすまし屋」が業務を請け負っていると言われる。ただ、なぜ、こういうことが行われているのか、一体どういう意図なのか。一切不明である。

・・・という、奇妙な夢を、今朝方見ていた。
【よしなしごと0351・2010年6月30日 (水)掲載】

【よしなしごと】シリーズは『tanpoPost』に2004~2013年にかけて掲載したブログ記事です。エッセイ風のショートストーリー、パロディ、ニセ論文、小ネタ、などなど。思いつくままに書き散らした小文をランダムに【選】としてご紹介します。お付き合いいただければ幸いです。

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