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頭と心は騙せても、身体は正直だ
《メダリスト最新話 ネタバレ注意!!!》
「メダリスト」の最新話について、コーチ陣とのコミュニケーションが取れていないのが表面化してしまった…もし自分のメンタルの状態を伝えられていたら…という感想を目にした。たしかにそういう捉え方もできるかもしれない。
ただ自分の感想は少し違った。経験からすると、こういう時って、自分ですら正確に自分の状況の把握なんてできていない。だって何よりもまず、自分が自分を騙そうとするから。「大丈夫だ、わたしは平静だ、冷静でいなければならない」って。頭は心にそう思い込ませようとするし、心も動揺を感じまいとしてそれを感じない所まで深く沈みこませる。
でもこういう時に、一番正直なのは身体。どれだけ頭で心で感じないようにしても、自分で自分をコントロールしようとしても、身体は騙せない。
そのことを自覚せずに「いつものように」ジャンプを跳ぼうとすると、失敗する。身体の些細な違いが、どれだけ演技に影響することか…これはいるかちゃんのWDを目にした時から、いのりちゃんが「大丈夫です」と言った時から、ある程度予測のできる未来だったと思っている。
司先生が経験豊富な選手だったならば、もしくはコーチとしての経験が豊富だったならば、もしかすると違う言葉をかけられたかもしれない。いのりちゃんがここまで才能のある選手でなければ、対応もまた違ってきたかもしれない。
でも、たらればを言ったって仕方がない。氷の上ではどんなことだってあり得るし、結果がすべてなのだ。それはフィギュアスケートを長く見てきた人間なら、誰もが知っている事実。
「メダリスト」はどこまでも誠実に、残酷に、フィギュアスケートを描いている。

