変動金利「5年ルールの落とし穴」 【図解】元金と利息の内訳
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◇目次
・「5年ルール」とは
・「125%ルール」とは
・未払い利息という落とし穴
・実例紹介と検証
・未払い利息の分岐点
FP事務所の代表をしています、たぬきです。
今回は多くの人が「安心の仕組み」だと思っている5年ルール・125%ルールについて解説します。
◆ 「5年ルール」とは
変動金利の多くには「5年ルール」があります。
ひとことで言うと「金利が上がっても、毎月の返済額は5年間そのまま」という仕組みです。
一見、家計にやさしい仕組みですが、返済額が変わらない裏で利息は増え続けていて、毎月の返済のうち「元金に回る分」がこっそり減っています。
つまり「返済額が変わらない=影響ゼロ」ではありません。
たとえば毎月10万円を返していたAさん、金利が上がっても返済額は変わりませんが、その内訳はこう動きます。

同じ10万円なのに、元金の減りがどんどん遅くなっているのが分かります。残高が減らない=ゴールが遠ざかっている、ということです。
◆「125%ルール」とは
5年後、ようやく返済額が見直されます。
ここで登場するのが「125%ルール」です。
見直された返済額は、前回の返済額の最大1.25倍までしか上げられない、というルールです。
月10万円だったAさんなら、どれだけ金利が上がっても次の5年間は月125,000円が上限 (10万×1.25) となります。

「上限があるなら、やっぱり安心じゃないか」そう思いますよね。
でも、本当に怖いのはここからです。
◆「未払い利息」という、いちばん深い落とし穴
もし金利が大きく上がって、毎月の利息が、毎月の返済額を上回ってしまったらどうなるか、毎月返済しても利息が払いきれない。
この“払い残した利息”が「未払い利息」です。

返済額 90,900円 < 月の利息 96,250円
差額の約5,350円が、毎月“払えなかった利息”として積み上がっていきます。これが「未払い利息」です。
この状態が5年続いた場合、元金は減るどころか、残債が約32万円増えることになります。
◆実際に未払い利息が発生する可能性は?
結論、未払い利息が発生する可能性は非常に低いです。
短期間でそれだけの利上げがあるかは懐疑的だからです。
例えば、2024年1月に3000万円を35年で借入したケース
▼これまで:
2024年1月:返済スタート 金利0.5%
2024年10月:0.15%上昇で金利0.65%
2025年4月:0.25%上昇で金利0.9%
2026年3月:0.25%上昇で金利1.15%
▼今後:
2026年9月:0.25%上昇で金利1.4% (ほぼ確定)
2027年4月:0.25%上昇で金利1.65% (仮)
2027年10月:0.25%上昇で金利1.9% (仮)
2028年4月:0.25%上昇で金利2.15% (仮)
2028年10月:0.25%上昇で金利2.4% (仮)
その後、金利変動なし (政策金利は2%)
◆年間返済額表

上記の通り、政策金利が2%(先日の利上げ決定からさらに+1%)になったとしても未払い利息は発生しません。
とはいえ、ここまでの利上げがあった場合、上記のケースで言えば返済額の半分以上が利息となりますので、だから安心というわけではありません。
■ 未払い利息の“分岐点”
ちなみに未払い利息の分岐点は簡単に計算できます。
式:毎月の返済額 × 12 ÷ ローン残高
例:10万円 × 12 ÷ 3000万 = 4%
つまり、借入金利が4%を超えると未払い利息が発生することになります。
さらに残高が減っていけばいくほど分岐点は上がっていきますので、残高の少ない方ほど影響は小さくなります。
◆ おわりに
「返済額が変わらない」というのは、半分安心で半分リスクです。
5年ルール・125%ルールは、短期的には家計を守るセーフティネットとして機能します。でも長い目で見ると、「気づかないうちにリスクが積み上がる仕組み」0--でもあるということは覚えておかねばなりません。
既に住宅ローンを借りている方も、これから借りる方もぜひ一度シミュレーションをしてみてください。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
※本記事は2026年7月時点の情報にもとづく一般的な解説であり、特定の金融商品をおすすめするものではありません。5年ルール・125%ルールの有無や見直し時期は銀行によって異なります。試算はすべて概算です。
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