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シェルタリング・スカイ〜ポール・ボウルズとベルトルッチ監督が描く砂漠のロードムービー

『シェルタリング・スカイ』(The Sheltering Sky/1990年)

『シェルタリング・スカイ』(The Sheltering Sky/1990年)は、壮大なロードムービーであると同時に、砂漠に魅せられた男と女の愛の物語だった。

原作はポール・ボウルズの同名小説。1910年生まれのボウルズは、1931年に初めてモロッコのタンジールを訪れ、1945年に再訪。2年後にニューヨークからこの地に妻のジェーンと共に自発的亡命し、自分たちをモデルにした最初の長編である本作を書き上げた。

作品はたちまちベストセラーとなり、「アメリカ戦後文学を代表する名作」として高い評価を得ていく。

ボウルズの小説の映画化権を手にしたのは、アクション映画監督のロバート・アルドリッチ。しかし、彼は自ら撮ることもなく、また誰にも譲ることなく、1983年にこの世を去る。

息子が権利を譲り受けたものの、誰も相応しい人はいない。そんな時、『暗殺の森』『ラスト・タンゴ・イン・パリ』のベルナルド・ベルトルッチと出逢って意気投合。遂にカメラが回り始めた。

監督(ベルトリッチ)、製作(ジェレミー・トーマス)、撮影(ヴィットリオ・ストラーロ)、音楽(坂本龍一)と、前作『ラスト・エンペラー』のスタッフが再び集結。

物語の核となる夫婦役には、デブラ・ウィンガーとジョン・マルコヴィッチ。そして、当時すでにリビング・レジェンド的存在だったポール・ボウルズ(1999年に88歳で死去)も出演した。

79歳の偉大な作家に、ああしろこうしろと指示を出せると思うかい?  ただ、苦悩の思い出とともに登場人物を見つめてくれと頼んだよ。(ベルナルド・ベルトルッチ)

『シェルタリング・スカイ』パンフレットより

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文/中野充浩

参考/『シェルタリング・スカイ』パンフレット、『たのしく読めるアメリカ文学案内』(ミネルヴァ書房)

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