「ちょっと待って」を多用していませんか?〜子育てで見直したい日常の声かけ〜
こんな場面、ありませんか?
「ママ、あのね…」
「ちょっと待ってね」
数分後…
「ママ!」
「だから、ちょっと待ってって言ったでしょ!!」
😢 お子さんは黙り込んでしまいました。
この何気ないやり取り。実は、お子さんの心に大きな影響を与えているかもしれません。
私は多くの親子と関わってきた中で、「ちょっと待って」という言葉が、親子関係に思わぬ影響を与えているケースを数多く見てきました。
この記事では、日常的に使っている「ちょっと待って」のリスクと、より良い関わり方についてお伝えします。
🤔 「ちょっと」って、どのくらい?
〜大人と子どもの時間感覚は全く違う〜
2〜3歳頃には、「ごはんの後はお昼寝」「お風呂の前に遊ぶ」など、次の行動を予測できるようになります。
4〜5歳頃になると、昨日・今日・明日といった時間の流れや、時系列を理解する力が芽生え、1日の出来事を順序立てて説明できるようになることもあります。ただし、「5分後」「30分後」といった具体的な時間の長さの理解はまだ難しく、大人とは時間の感じ方が異なります。
子どもの体感時間は大人の6倍以上!
大人にとっての10分は子どもにとっての「1時間以上」(6倍以上)。子どもを10分待たせるのは大人を1時間以上待たせるのと同じと考えられています。
大人の「ちょっと」=5分くらいとすると、
子どもの体感=30分以上😭
※「ジャネーの法則」より
そして、発達に特性のあるお子さんは、「あいまいな言葉」が伝わりにくいことがあり、時間感覚がとらえにくいので、「ちょっと」がどのくらいなのかが理解しにくいのです。
「ちょっと待って」の繰り返しが生むリスク
よくある親子のやり取り
【場面1】料理中
👧「ママ、見て見て!」
👩「ちょっと待ってね」
子どもは30秒待った(子どもにとっては十分「ちょっと」)
👧「ねぇママ!」
👩「だから、ちょっと待ってって言ったでしょ!」
【場面2】仕事中
👦「パパ、一緒に遊ぼう!」
👨「ちょっと待ってて」
子どもは1分待った
👦「パパ、まだ?」
👨「今、忙しいから!ちょっと待ってって言ったよね!」
この繰り返しで何が起こるか?
子どもの心の中:
1️⃣ 「ちょっと待った」のに怒られた
2️⃣ 約束を守ったのに、親は約束を守ってくれなかった3️⃣ 「ちょっと待って」= 「相手にしてもらえない」の意味
結果として:
学習性無力感の形成😔
長期にわたってストレスの回避困難な環境に置かれた人や動物は、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという現象を「学習性無力感」と言います。
行動が結果を伴わないような経験を「非随伴経験」といい、「やってもうまくいかなかった」という場合がこれにあたります。
①「話しかける」→「待たされる」→「怒られる」
②「どうせ聞いてもらえない」
③「話すのをやめよう」
④学習性無力感の形成
長期的な影響
子どもに現れる変化(この限りではありません)
・親に話しかけなくなる
・「どうせダメ」という諦める癖
・自己肯定感の低下
・親の言うことを聞かなくなる
・親子の信頼関係が崩れる
学習性無力感に陥っている子どもは、自分の能力を実際より低く見積もり、やる気を失っています。
なぜ「ちょっと待って」を使ってしまうのか
親の立場を理解する
もちろん、保護者の方々も好きで「ちょっと待って」と言っているわけではないでしょう。
現実的な理由
・料理や家事で手が離せない
・在宅ワーク中で集中が必要
・きょうだいの世話で余裕がない
・重要な連絡への対応中
・体力的・精神的に疲れている
これらは全て、当然のことです。
問題は「ちょっと待って」という言葉の使い方とその後の対応なのです。
今日からできる5つの改善策✨
1️⃣具体的な時間を伝える
❌ 「ちょっと待ってね」
⭕ 「この料理が終わったら聞くね。長い針が6のところまで待てる?」
ポイント
・視覚的にわかる目安を示す
・タイマーを活用する
・「○○が終わったら」と具体的に
人が行動しているのを見ているだけの「待つ」という行為は、時間を長く感じさせますので、待つ間に何か別のことをさせるのも効果的です。
2️⃣ 「待たせてごめんね」「待ってくれてありがとう」を添える
⭕ 「ごめんね、待たせちゃった。何を話したかったの?」
効果
・子どもの気持ちを尊重していることが伝わる
・待たせたことへの配慮を示すことごできる
・信頼関係を維持できる
3️⃣ 最優先度を判断する
自問してみる
💭 この作業は「今すぐ」必要?
💭 子どもの話を聞くのに30秒かけられない?
💭 自分の作業のキリが悪いだけじゃない?
💭 この瞬間を逃したら、子どもは話さなくなるかも?
時には
✋ 手を止めて30秒だけ聞く
👀 目を見て「大事な話だね」と認める
🤗 後で必ず続きを聞く約束をする
※「後で」がいつなのかを明確に。
4️⃣ 「待つ練習」を別の時間に
⭕ 楽しい場面で待つ練習をする
例
🍰 「おやつは3時ね。あと○分だよ」
🎮 「ゲームは宿題の後ね」
待つことが「我慢」ではなく「楽しみ」になる体験を。
5️⃣ 環境を整える
事前の工夫
📝 一日のスケジュールを可視化
⏰ タイムタイマーの活用
🎨 待つ間の活動を用意(塗り絵、ブロックなど)
👥 パートナーとの役割分担
年齢別アプローチ
2-3歳:視覚的な支援が中心
・砂時計やタイマーを使用
・「○○の歌が終わったらね」
・作業を見せる「ママ、これやってるよ」
4-5歳:時計と組み合わせ
・ 「長い針が○になったらね」
・スケジュールボードの活用
・待つ間の活動を選択させる
小学生:時間管理の練習
・ 「10分後に話せるよ」と具体的に
・メモを書いてもらう
・対話で優先順位を決める
⚠️ 「ちょっと待って」が必要な時もある
もちろん、全ての場面で即座に対応できるわけではありません。
適切な「待って」の伝え方
✅ 理由を説明する
「包丁を使っているから、危ないの。終わったら必ず聞くからね」
✅ いつまで待つか明確に
「このお皿を洗い終わったらね。あと2分くらいだよ」
✅ 約束は必ず守る
作業が終わったら、必ず子どもの話を聞く。
✅ 待てたことを認める
「ちゃんと待っててくれてありがとう。えらいね」
大切なのは「子どもの時間軸」を理解すること🌟
自分の6倍の濃密な時間を生きていると感じれば、子どもとの接し方が変わってくる部分も多いはずです。
3つのポイント
①時間感覚の違いを知る
子どもの「ちょっと」は大人の6倍長い
②具体的に伝える
あいまいな表現をさけて、視覚化する
③約束を守る
信頼関係の土台を作る
今日から実践!チェックリスト✅
☐ 「ちょっと待って」の代わりに具体的な時間を伝える☐ 待たせた後に「ありがとう」や「ごめんね」を言う
☐ 子どもが話しかけてきたら、30秒だけでも目を見る☐ タイマーや時計を活用する
☐ 一日に1回は、作業を止めて子どもの話を最後まで聞く
よくある質問
Q1: どうしても手を止められない時は?
A: 正直に状況を説明し、「○○が終わったら必ず聞く」と具体的に約束してください。そして、約束は必ず守ることが重要です。
Q2: 何度も話しかけてくる子にはどう対応すれば?
A:
・一日の中で「特別な話を聞く時間」を設定する
・緊急度を判断する基準を一緒に作る(例:「けがは今すぐ」「お話は後で」)
・待っている間にできることを提案する
Q3: 発達障害の特性がある子の場合は?
A: 時間感覚が鈍い場合、「ちょっと」がどのくらいなのか理解しにくい特性があります。
対策として、
・より具体的な視覚支援(タイムタイマーなど)
・スケジュールの構造化
・待つ練習を段階的に
Q4: 既に子どもが話しかけてこなくなってしまった場合は?
A: 焦らず、少しずつ関係を修復していきましょう。
ステップ
1. 子どもから話しかけられたら、何があっても一度手を止める
2. 「話してくれてありがとう」と伝える
3. 小さなことでも真剣に聞く姿勢を示す
4. 焦らず時間をかけて信頼を取り戻す
💌 メッセージ
「ちょっと待って」という言葉そのものが悪いわけではありません。
大切なのは:
🌸 子どもの時間感覚を理解すること
🌸 具体的で分かりやすい伝え方をすること
🌸 約束を守り、信頼関係を築くこと
毎日忙しい中で、完璧な対応は難しいかもしれません。(というか、完璧は無理😇)でも、ちょっとした意識の変化が、親子の関係を大きく変えることがあります。
今日、お子さんが話しかけてきたら、30秒だけでも手を止めてみませんか?
その30秒が、お子さんの心に大きな安心を与えるかもしれません。
お子さんとの時間が、もっと笑顔で溢れますように。
💕 「ちょっと待って」から「今、聞くね」へ。
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