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【創作大賞】頑強戦隊 メガネレンジャー(第2話)

2 レッツゴー メガネレンジャー

 テレビ局の小さな会議室。田中は一人で緊張感に包まれていた。橋本から呼び出されて来たものの番組企画の合否についてはまだ聞かされていなかった。毎回のことであるが結果については電話やメールではなく直接伝えるのが橋本のやり方だった。
 どんな結果だとしてもそのまま打ち合わせに入るので効率が良いともいえる。田中は頑戦隊メガネレンジャーの企画が没の場合に備え「忍者・恐竜・働く車」をモチーフとした戦隊物の企画案を準備していたがどの企画も過去の番組の二番煎じ、三番煎じなので正直なところ気持ちが入っていかなかった。

 ノックも無しに唐突にドアが開き、橋本が笑顔で入室してきた。
「コングラチュレーション田中ちゃん、新番組『頑強戦隊メガネレンジャー』制作決定よ、おめでとう。いろいろと反対意見もあったけど、アタシ田中ちゃんの為にプレゼンを頑張ったんだからね。感謝してちょうだい」
橋本ディレクターは甘えるような笑みを浮かべた後に続けた。
「けど御存じのとおりここからが本番よ。斬新な番宣を考えているんでしょうね」
田中は軽く胸を張りながら応えた。
「これまでのお菓子や文具、おもちゃメーカーとのタイアップはもちろん、メガネ関係のスポンサーからも好感触を得ていますので色々仕掛ける予定です。また全く新しい視点でnoteという投稿サイトと連携して『メガネレンジャーを創作してみる』という企画で記事を募集します。そこで新番組の宣伝をしつつ、面白そうな話があれば番組で採用するつもりです」
橋本は (*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪という感じで頷いたが少し真剣な目で
「視聴者参加型ね、効果は期待できるの」
確認してきた。田中にしてみればこの程度の質問は想定内である。
「もちろんです。そのために仕込みのライターも参加させます。今進めている話の一つが『オリンピックの闇! メガネレンジャーが政官財の癒着を暴く』という内容です」
橋本の顔が目に見えて曇る。良くも悪くも感情を隠そうとしないタイプである。
「そんな難しい話、子どもたちに受けるのぉ」
田中は大きく頷いた。
「もちろんです、今時の子どもはマセていますし、リアルな話で展開することでその親も惹きつけて、子どもから大人まで楽しませることを狙います。お金を握っているのは親ですから」
橋本の顔がスー―ッと冷めてきていることに田中は気づいていなかった。企画が採用された喜びで興奮していたせいだろう。橋本は心の中で思案していた
(オリンピック関係の癒着に我社も深ぁぁく関与していること、田中ちゃんは知っているのかしら。もし、そうだとしたらこんな話を入れなきゃよね。
『TV番組制作会社 社員失踪事件を追うメガネレンジャー』
うーん、小さすぎる事件だし迷宮入りするから宣伝効果は薄そうだけど仕方ないわね。田中ちゃん今日で最後かもしれないから、今日はアタシが奢ってあげるわ)
「田中ちゃん、とりあえず話の続きは食事をしながらね。今夜はどんな店をセッティングしてくれているのかしら。お祝いにアタシが奢るわよ」
田中は素直に目を輝かせて応えた。
「今日は能登料理を出してくれる店を予約しています」
「noteで宣伝だけに能登料理ということね。そういうセンス嫌いじゃないわよ。じゃ、早速行きましょう」
二人は軽い足取りで会議室を後にしたが、橋本は(田中ちゃんが我社の闇のことをも知らないことを祈りたいわね。うまく聞き出さなきゃ)と警戒心を秘めていた。
(第2話おわり)

https://note.com/tarofukushima/n/n6741cf271bd0

#創作大賞2024
#ファンタジー小説部門


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