坊主頭の理由
子どもは確か小学校の中学年くらい迄は
小さい頃からずっと坊主頭だったと思う。
仕事がお休みに日に
家のお風呂場で夫と交代で
子どもの髪の毛をバリカンで整えていた。
ある時
「もう坊主頭は嫌だ」
と子どもが言ってからは
理髪店に行ってカットをしてもらうようになった。
そのバリカンはまだ家にある。
そして、そのバリカンを見る度に
思い出すことがある。
子どもが小学校を卒業するくらい迄は
(正確にはもう少し先までだった気がするけれど)
子ども同士のトラブルもよくあり、
親同士が謝ったり、謝られたりとあった。
謝ることの方が多かったかもしれない。
ある日、子どもを迎えに行くと
子ども同士のトラブルを先生から伝えられた。
それも、私が知ったのはそのトラブルが起きてから
数日が経過していた。
それまで、子どもの口からは一切聞いていない。
相手のお母さんの連絡先は知っていたので
慌てて謝罪の電話をした。
そのお母さんは怒らずに私の謝罪を聴いてくれた。
ありがたかった。
辛かったのは、子ども同士のトラブルを
私が知るまでに子どものお迎えに行った時に
そのお母さんとも顔を合わせていたのに
私が知らなくて謝罪もしていなかったことだった。
夫には帰宅前にメールで連絡していて
帰宅して早々に夫は子どもに話を聽き
子どもは自分の非を認めた。
すぐに子どもは夫にお風呂場に連れて行かれて
坊主頭にされた。
平日の夜のことだった。
「お前が悪いのだから、だれもがわかるように
反省を示さないといけない」
と言われていた。
翌日、子どもを迎えに行くと先生に
言われた言葉を
もう、はっきりとは覚えてはいないけれど
「対応の早い親」という趣旨だった。
(子どもをすぐに坊主頭にしたことを)
いや⋯私がやったんじゃないんだけどなぁ。
きっとすごく厳しい親だって思われたのだろうなぁ。
ちょっとだけ、居心地が悪かったのを覚えている。
「お父さんに叱られて切られました」
の子どもの言葉が私を少しだけ解放した。
実は子どもはそんな経験をもう一度している。
冬休み前のテストの返却を何度聞いても
「まだ返してもらっていない」と
親に見せなかったことを
三者面談でバレたから。
テストの点数が悪かったので
親に見せたくなかったらしい。
自分が悪いことをすると
「坊主頭にされる」という屈辱の経験をして
久々に祖父母の家に行くと
「お前また何かやらかしたのか?」
と笑われていた。
「お父さんはふだんは優しいけれど、怒ると怖い」
多分子どもの中にはあるのだと思う。
夫は、子どもと友達のように接することを
心がけながらも
お父さんを怒らせると怖い。
と思ったであろう記憶を
バリカンと共に思い出しながら
時に
夫に「子どもを坊主頭にしたくせに」と笑ってあげる。
当時は子どもを怒ったけれど今となっては思い出。
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