小説『ウセツの大冒険 第2話 画像生成AIと動画編集ソフト編』
◎あらすじ
激動の時代・令和を生きる小説家、ウセツ。彼が好奇心を抱いたモノ・コトのほうへ、自由気ままに走り回る姿を描く『ウセツの大冒険』シリーズ。
第2話の遊び場は画像生成AIサービスと動画編集ソフト。AIを使ってうみだしたオリジナルキャラクターに動画編集を使って命を吹き込むウセツと、そんな自由人に振り回されるサセツが、今日もドタバタ劇をくり広げる。
◎登場人物
いつも振り回されがち サセツ
無自覚に振り回しがち ウセツ
Chapter1 哲学者ウセツ?
Side:サセツ
ハモリって、美しいよな……。
攻撃と防御、主旋律と副旋律、アクセルとブレーキ。世の中はきれいに白黒つけられることばかりではないし、ズレているようでぴったりと合っていたり、正反対に見えていたものが表裏一体だったりする。お互いにお互いが必要で、深みを生む存在、ハモリ。
それにしても今日はずいぶんと静かだ。だって、いつもなら──
【回想シーン】某月某日、ウセツとサセツが暮らす自宅にて
「ねえ、サセツぅ〜?」
「!」
来た。キタキタ。大魔神の御成である。
「運命の赤い糸ってさ、なんで赤なの? 青でもいいと思わない? 緑とか黄色とか」
『はぁ』
「それにさ、いろんな色のほうが見やすいよね。あ、あの人同じ色だ!みたいな。でも『運命の赤い糸』って目に見えないからいいのかな」
『どうだかね』
「……あれ? そういえば、なんで糸なんだろうね? 絡まらないのかな? ところで運命の赤い糸が赤の理由、そろそろ調べ終わった?」
『ハァ⁉ 終わるわけないだろ! 次々話しかけやがって!!! こっちは今、赤い糸をつかさどっている……月下老人のユエラオさん? が出てきて困惑してるところなんだよ!』
【回想シーンここまで】
うん、見事に喧嘩してたな。いつもそう。
どうして喧嘩腰になっちゃうんだろう?
というかそもそも、答えがあるようなないような問いを投げかけてくるウセツにも問題があるよなあ。まあ、そんなところも好きなんだけど。
……おや。ウセツの部屋からなにか聞こえるな?
「……んー、半分半分になってほしいわけじゃないんだよな~」
「ネガティブプロンプトか……」
「ええい! くらえ、クロスディゾルブ!!」
クロスディゾルブ? なんだ? 新しい戦隊ヒーローの必殺技か?
Chapter2 くらえ、クロスディゾルブ!
コンコン。部屋をノックし、ねえなにしてるの、と話しかけるサセツ。しかしウセツは、サセツの言葉にはまったく反応せずに、パソコンの画面に向かって操作をしながら、一心不乱に必殺技をくり出している。
なにをしているんだ、本当に。
もう一度話しかけようとしたその瞬間、いつか今回のように話しかけて、「創作の最中になんなのさァァ! 邪魔しないでくれるかなあ!? 緊急じゃないならほっといてよ!!!!」とブチギレられたことを思い出した。
あの日もたしか、静かで平穏な日だった気がする。
あぶないあぶない、また喧嘩するところだった。
よし、まあ元気そうだし放っておこう。そうしよう。
くるりと踵を返した、そのときだった。
「あ、サセツ」
穏やかな声色は、どうやら怒っていなさそうだ。きょとんとした顔で、どうしたの、と言っている。なにしてるのか気になって、と聞いてみると
「うん、今さ、Premiere proっていう動画編集ソフトにハマってて。それで使い方を覚えようと思ったんだけど、ご時世的に著作権問題もあるし、どうせなら自分でオリジナル作品つくろうと思ってね。今回はパンダとライオンが掛け合わさったパンダライオンの燦燦(サンサン)と、カラッススナギツネのカーサマが明日の天気予報をお届けする情報番組をつくろうとしてて」
その動画編集ソフトはプロが使うやつだよね? さては有料版だな……?
それにパンダライオンとお母様が……なんだって?
サセツがツッコむ暇もなく、ウセツは続ける。
「燦燦(サンサン)は太陽燦々でsun-sunなのね。背番号は33。それからカラッススナギツネの、カラスとキツネが混ざった子で。カラスの『カー』でカーサマなんだけど、別に『コン』でもいいんだよね。まあ、でもやっぱりカーサマかなって」
ははあ。パンダライオンがキツネとともに母をたずねて三千里みたいなことかな。面白そうかも。
──まったく違う光景をイメージしながら、サセツはうんうんと話を聞く。
ウセツ「それでね、キャラデザをダリさんにお願いしたのよ。『パンダとライオンを掛け合わせたキャラクターで、名前はsun-sun。太陽燦燦、勇ましくてかっこいい』って。そしたら」
サセツ「ダリさん」
ウセツ「DALL・E3さん」
サセツ「ヒゲの?」
ウセツ「(サービスの名前の由来は)ヒゲの」
は??? ダリさん?? え、じゃあさっきの呪文って戦隊ヒーローじゃなくて呪術の類ってこと? 降霊術? 交信術? 怖い怖い、怖いよ、ウセツ。
ウセツ「で、描いてもらったのがこれ」


サセツ「え、なんか作風ちがくね」
サルバドール・ダリってもう少しこう、時計がぐにゃっとしてたりとか、空みたいな天国みたいな場所とか、……てか燦燦イカついな。すんごい筋肉ムキムキじゃん。母をたずねずとも生きていけそう。
ウセツ「そうなんだよね〜。燦燦とカーサマの絵のタッチが揃わなくて」
サセツ「え」
ウセツ「え」
サセツの脳内では名作『母をたずねて三千里』のオマージュ番組を作っていることになってしまっていたが、ウセツが思い描いている番組企画はこうだ。
【番組タイトル】燦燦とカーサマの あしたもきっと、いい天気
【スポンサー】あなたのこころにハッピーを タルチキ定食
【放送時間帯】毎日 深夜1:58~1:59
強面で近寄りがたい……かと思いきや、
スイーツが大好きなパンダライオンの燦燦(サンサン)と
知恵と暗躍で燦燦をサポートするカラッススナギツネのカーサマが
ときに真面目に、ときに脱線しながらもあしたの天気予報をお届け!
放送時間帯は、深夜!
つまり「あしたの天気」とは、翌朝の情報ではなく翌々朝の情報!
みんなが寝静まっている、あるいは半分寝ぼけてて
内容をぜんぶ忘れちゃいそうな時間帯に、こっそりやるゾ☆
サセツ「全然違うじゃん。三千里は?」
ウセツ「なんのはなし」
サセツ「パンダライオンがキツネとともに母をたずねて三千里」
ウセツ「それもそれで面白そうだね」
サセツ「あ、うん。君のなんでも面白がるところは才能だと思うよ」
ウセツ「まあね~。天才だから」
サセツ「天才だから、ねえ。なんかこのやりとり、どこかでやったような」
ウセツ「気のせいじゃない?」
ま、元気にやってるならいいか。
サセツは自室に戻り、ウセツがまた呪文を唱えるのを聞いていたという。
とっぴんぱらりのぷう。
※本作品は一部、perplexity、Copilot、Dall・E3、Adobe Fireflyを用いて作成しました
Chapter3 新番組 あしたもきっといいてんき
DAY1
DAY2
DAY3
DAY4
「ねえサセツ~? 1枚の画像を喋らせるんじゃなくてさ、できればもうちょっと動きを出したいっていうか。例えば燦燦に足と腕をつけ足したいんだけどさ、どんなプロンプトで出力してもパンダかライオンになっちゃうんだよ~!!!! しかも顔が変わっちゃってさ、二度と燦燦に会えないんだけどー!」


あの手この手で試してもどうにもうまくいかない。ウセツに泣きつかれたサセツも一緒に頑張ってみたものの、お手上げだった。うーん、顔が変わってしまうのは避けられないのだろうか。
……あ、待てよ。まさか。最近流行りのCanvaさんならできるかも。
Canvaさーん!お願いします!!
マジック拡張という機能がつよいって聞きましたー!!!

嘘だ……早すぎる……
ものの数秒で顔が変わらずに全身画像になった……だと……!

呪文、呪文は……?
え、おとといまで一生懸命唱えてた数々の呪文、もしかしていらない感じ?
もしかして、ノーコードやローコードが登場したときの衝撃もこんな感じだったのかな。
くっそぉテクノロジー!
これが巨人の肩ですか!!! つよい、つよい!
ありがとう!!!笑
(第2話 完)
