せいろのカビを防ぐ方法|梅雨でも安心、原因と正しい乾かし方・落とし方
梅雨の時期になると、「せいろにカビが生えていないか心配」という声をよく耳にします。木製のせいろは湿気に弱いイメージがあり、ジメジメした季節は特に不安になりますよね。けれども、せいろがカビる理由はとてもシンプルで、ポイントさえ押さえれば梅雨でもきれいに保てます。この記事では、せいろにカビが生える原因から、正しい予防の習慣、もし生えてしまったときの落とし方までをまとめました。
そもそも、せいろにカビが生えるのはなぜ?
カビが育つには、いくつかの条件がそろう必要があります。湿気・温度・栄養(汚れ)、そして空気のよどみです。梅雨はこのうち湿気と温度が一気に高まる季節のため、どうしてもカビが発生しやすくなります。
せいろは木という天然素材でできているため、洗ったあとに水分が残っていると、その水分がカビの温床になります。とりわけ食材のカスや油分が残ったままだと、それがカビの栄養になってしまいます。つまりカビの正体は「素材の弱さ」ではなく、ほとんどが「乾かし方と洗い方」の問題なのです。
逆にいえば、原因がはっきりしているぶん、対策もはっきりしています。湿気をためない、栄養を残さない。この2つを意識するだけで、梅雨でもせいろは十分にきれいなまま使えます。
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せいろのカビを防ぐ5つの習慣
ここからは、毎日の使用後にできる予防の習慣を5つご紹介します。どれも特別な道具は必要なく、今日からすぐに始められます。
1. 使い終わったら、お湯でさっと洗う

食材を取り出したら、ぬるま湯〜お湯で軽く洗います。水よりもお湯のほうが乾きが早く、内部に水分が残りにくいため、カビの予防につながります。ゴシゴシこすらず、汚れを浮かせて流すイメージで十分です。
2. 洗剤は基本的に使わない

ひのきなどの木材には、もともと抗菌や防臭の働きがあります。この成分は油由来のため、洗剤で洗うと分解されて落ちてしまいます。せっかくの木の力を活かすためにも、ふだんの洗浄は水やお湯だけで済ませるのがおすすめです。油汚れが気になるときだけ、控えめに使いましょう。
3. 風通しのよい日陰でしっかり乾かす

洗ったあとは布巾で水気を拭き取り、風通しのよい場所で自然乾燥させます。ここが最も大切なポイントです。平らな場所に伏せて置くと、台と接した部分に水分がこもってカビることがあります。立て掛けたり、割り箸を挟んで浮かせたりして、全体に空気が通るようにしましょう。
4. 乾かすときに直射日光には当てない
「天日でしっかり乾かそう」と思いがちですが、直射日光は歪みやひび割れの原因になります。乾かすのはあくまで風通しのよい日陰で。急激に乾かすより、空気の流れでゆっくり乾かすほうが、せいろを長持ちさせます。
5. 定期的に使う

意外に思われるかもしれませんが、しまい込んで使わないほうが菌は繁殖しやすくなります。せいろは蒸すたびに高温の蒸気が通り、自然に殺菌されるためです。梅雨こそ、週に何度か蒸し料理をして、せいろを「動かして」あげるのが一番の予防になります。
もし、せいろにカビが生えてしまったら
しっかり予防していても、梅雨どきは生えてしまうこともあります。そんなときも、すぐに処分する必要はありません。カビの程度によっては、対処してそのまま使えるケースも多いです。

軽度のカビであれば、まずカビを洗い落とし、せいろ全体に熱湯をかけて消毒します。そのあと水気を拭き取り、風通しのよい日陰でしっかり乾かします。色素が残る場合は、目の細かいサンドペーパーで軽く削る方法もあります。

ただし、黒や緑のカビが広範囲に出ている場合や、奥まで入り込んでいる場合は注意が必要です。木の繊維の内部まで入ったカビは洗っても取りきれないことがあり、小さなお子様や体調を崩しやすい方が口にする食材を扱うなら、無理をせず買い替えを検討するほうが安心です。気になるときは、食材の下にクッキングシートを敷いて使うのもひとつの方法です。
「やっぱり手入れが大変そう」と感じた方へ
ここまで読んで、「やることが多くて大変かも」と思われたかもしれません。けれども実際にやることは、お湯で洗って、日陰で乾かすだけ。慣れてしまえば、食後の数分の習慣です。
そして、ここで一度立ち止まって考えたいのが、そもそもの「せいろの作り」です。同じ木のせいろでも、素材や構造によって、カビにくさには差が出ます。手入れのしやすさは、道具選びの段階からすでに始まっているのです。
カビにくいせいろという選択肢|Tashinam 特撰せいろ-国産ひのき仕立-
▼タシナムのせいろは何がほかのものと違う点
タシナムの特撰せいろは、岐阜県各務原市の曲師が一台ずつ手仕事で仕立てる、国産ひのきと山桜のせいろです。このせいろには、梅雨のカビ対策の観点から見ても理にかなった特長があります。
ひとつは、構造です。せいろはお弁当箱のような「天と地」のない作りで、蒸気が上下に抜けていきます。水分がこもりにくいため、もともとカビにくい構造になっています。
もうひとつは、素材です。せいろの素材は、強さの順に「ひのき → 竹 → 杉 → 合板」と分かれ、価格の違いはおもにこの丈夫さの違いで決まります。タシナムが使うのは最上級のひのきだけ。丈夫で香りがよく、耐久性も高い素材です。ひのきでせいろを作れる職人は全国でも20人に満たないといわれ、希少な技術によって支えられています。

▼職人さんに聞いたお手入れのコツ
職人さんいわく、ひのきの抗菌成分を活かすには、洗剤を使わずお湯で洗い、日陰で乾かし、こまめに使うこと。前半でご紹介した予防の習慣は、そのまま特撰せいろを長く美しく保つコツでもあります。良い素材と正しい付き合い方がそろえば、梅雨もこわくありません。
まとめ
最後に、梅雨のせいろのカビ対策のポイントを整理します。
カビの原因は素材の弱さではなく、ほとんどが「残った水分」と「汚れ」
使ったらお湯でさっと洗い、洗剤は基本使わない
風通しのよい日陰で、全体に空気が通るように乾かす
直射日光は歪み・割れの原因になるので避ける
しまい込まず、こまめに使うことが一番の予防
軽度のカビは熱湯消毒で対処できるが、広範囲なら買い替えも検討
せいろは、ポイントさえ知ればとても付き合いやすい道具です。梅雨の湿気に少しだけ気を配って、蒸したての食卓を気持ちよく楽しんでいただけたらうれしく思います。
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