わさびのおろし方|鮫皮おろしで甘みと旨みを引き出す手順とコツ
本わさびを買ったのに、香りが立たない。風味がすぐ飛んでしまう。そんな経験はありませんか。その原因の多くは、わさびそのものではなくおろし器にあります。おろし器の素材と構造が、わさびの甘み・旨み・辛みを引き出す力を左右します。道具を変えて正しくおろすだけで、同じわさびがまるで別の風味に変わります。この記事では、おろし器ごとの違いと選び方、正しいおろし方の手順を順番に解説します。
生わさびの下処理|皮は剥かず葉柄を整える

①葉柄を切り落とす
茎に近い側には、葉柄(くき)の切り口が残っていることがあります。この部分は繊維が引っかかり、仕上がりにムラが出やすくなります。おろす前にカットしておきましょう。切り落としたら断面を確認します。薄緑色でみずみずしければ、新鮮な証拠です。
②皮は剥かない
わさびの辛味と香りの成分は、皮のすぐ内側に最も多く含まれます。皮を剥いてしまうと、この成分ごと捨てることになり風味が損なわれます。汚れを落とすのは、新しいたわしで軽くこする程度で十分です。
美味しいわさびのおろし方|簡単2ステップ

① 水気を拭き、おろし器に垂直に当てる
おろす前に、わさびの表面の水気を軽く拭き取ります。鮫皮は水に弱く、濡らしたり浸けたりすると皮が剥がれる原因になります。わさびはおろし器に対して垂直に持ち、面に軽く当てるのが基本です。
② 力を入れず、円を描くようにゆっくりおろす
ここがいちばん大切なポイントです。力を入れてゴリゴリこするのは避けましょう。強くこするときめが粗くなり、辛みと風味が十分に引き出されません。鮫皮に軽く当てながら、小さな円を描くようにゆっくり動かします。おろす向きは、茎に近い上部から先端へが基本です。
部位による風味の違い|上部はまろやか・先端は辛い

わさびは、どの部位からおろすかでも風味が変わります。この違いを知っておくと、料理に合わせた使い分けができます。
上部(茎に近い側)|香り豊かでまろやか
茎に近い上部は水分が多く、香りが高くまろやかといわれます。色も鮮やかで、なめらかに仕上がるため、刺身・寿司・冷奴など、素材を引き立てたい料理に向きます。新鮮な部分から使えるよう、上部から順におろすのが一般的です。
先端|辛みが強い
先端に近づくほど、辛みや粘りが強まるとされます。蕎麦や焼き魚など、辛みを効かせたい料理に使うと、味全体が引き締まります。1本を数回に分けて使うときは、風味を保つために先端から使う方法もあります。
わさびをおいしくおろす鍵|味はおろし器で決まる

「切る」か「すりつぶす」かの違い
わさびをおろすときにどの材質のおろし器を使うかが、実は仕上がりに大きな違いをもたらします。理由をひとことで言えば、繊維を「切る」か「すりつぶす」かの、おろす仕組みの違いです。金属製のおろし金は鋭い刃で繊維を切るため、辛味が素早く立ち上がり、短時間で手軽におろせます。対して、鮫皮おろしは細胞を切らずに均一にすりつぶします。それによりとろみが生まれ、甘みと旨みがやわらかく口に広がります。どちらにも持ち味がありますが、風味の奥行きを引き出す点では鮫皮が向いています。
おろし器の種類と選び方|鮫皮おろしがおすすめな理由

鮫皮おろし|すりつぶす構造でクリーミーに仕上がる
鮫皮おろしは、鮫の皮を台座に貼り付けた伝統的なおろし器です。鮫の体表は、歯と同じ構造をもつ「楯鱗(じゅんりん)」という硬い突起で覆われています。皮歯(ひし)とも呼ばれ、これが密集してヤスリのような表面をつくります。この細かな凹凸が、繊維を断ち切らずに細胞をすりつぶすように働きます。すりつぶされた細胞から滲み出す成分が絡み合い、とろみが生まれます。このとろみが、わさびの甘みと旨みを口の中で広げてくれます。
金属おろし金|手軽で、シャープな辛みが持ち味
ステンレスや銅製の金属おろし金は、家庭に最も普及しているタイプです。鋭い刃が繊維を切るため、辛味が素早く立ち上がります。シャープな辛みを効かせたい料理には、この切れ味がよく合います。食洗機対応のものも多く、手入れのしやすさも魅力です。一方で粘度は生まれにくいため、甘みや旨みのまとまりは鮫皮が勝ります。
陶器・セラミック製|金属と鮫皮の中間の選択肢
陶器やセラミック製は、金属より目が細かく、ある程度なめらかにすりつぶせます。鮫皮には及びませんが、金属よりは風味を引き出しやすいタイプです。価格も手ごろで、まず試してみたい方の入り口として選ばれています。
鮫皮おろし選びで迷ったら|Tashinamの「鮫皮薬味おろし-黒檀仕立-」

鮫皮おろしは、品質によって仕上がりに差が出ます。鮫皮の部位選定と台座の素材が、使い心地と耐久性を左右します。Tashinamの「鮫皮薬味おろし-黒檀仕立-」は、最良部位の本鮫皮を厳選しています。台座には世界的に希少
な黒檀を使い、岐阜県の職人がひとつずつ手仕事で仕上げています。わさびはもちろん、生姜やにんにくなど、幅広い薬味に対応する一台です。

第三者機関による味覚分析でも、その差は確認されています。慶應義塾大学とOISSY株式会社が開発した味覚センサーを使用した分析です。一般的なおろし金と比べ、甘みと旨みが感じられ、苦味がやわらぐ結果でした(試験食材:大根)。9割以上の人が違いを感じるレベルの変化です。
まとめ|道具を変えると薬味の味が変わる
わさびのおろし方で押さえておきたいポイントをまとめます。
・おろし器は鮫皮がおすすめ。すりつぶす構造が甘みと旨みを引き出す ・皮は剥かない。辛みと香りの成分は皮のすぐ内側に集中している
・力を入れず、円を描くようにゆっくりおろす。茎側から先端へが基本。
薬味にこだわり始めると、料理全体の完成度が変わります。まずは道具から見直してみてください。
▼鮫皮おろしを作る、職人さんのインタビューはこちら!
公式LINEでお得な情報をゲット
お得なクーポンや最新情報のお知らせは「Tashinam 公式LINE」をご登録ください!
