電気代の“盛りすぎ契約”をチェックする無料診断をはじめます(TEPCO向け)
最近、自分の家の電気契約を眺めていて、ずっとモヤモヤしていたことが言語化できました。
「これ、本当にこのアンペア数いるんだっけ?」
という疑問です。
私は普段、住宅や施設の太陽光・電気設備の提案に関わる仕事をしています。
その中でずっと現場で感じてきた “ある違和感” が、このテーマの出発点になっています。
電気屋さんは「ブレーカーが落ちない世界」を守る
建物を設計・施工するとき、電気工事を担当する人たちは基本的にとても真面目です。
そして彼らが何よりも避けたいクレームがひとつあります。
「ブレーカーがよく落ちるんだけど!」
です。
一度でも経験したことがある人は分かると思いますが、
ふだんの生活の中でブレーカーが頻繁に落ちるのは、かなりストレスです。
だから電気屋さんは、
・将来どんな家電を入れるか
・どれくらい同時に使うか
・将来のライフスタイルの変化
…などを考えながら、かなり保守的に、ゆとりを持って容量を設定してくれます。
これはある意味、プロとして正しい姿勢です。
でも電気の世界は「聖域」になりがち
一方で、建物づくりには電気屋さん以外にもたくさんのプレーヤーが関わります。
意匠設計(デザイン)
構造設計
工務店・現場監督
設備設計(空調や給排水など)
ところが、「電気」の話になると、他のメンバーが口を出しにくい空気があります。
理由はシンプルで、
電気の世界は専門用語が多くて難しい
間違えると危険・事故につながる
「よく分からないから電気屋さんにお任せで…」になりやすい
つまり、電気の仕様だけが“聖域”になりやすいのです。
その結果どうなるか。
電気屋さんは責任感を持って“多めに安全側で”設計する
→ 他のプレーヤーからのツッコミはほぼ入らない
→ 設備容量や電気工事の内容は「過剰寄り」でまとまりやすい
という構造が、現場ではよく起きています。
「過剰」かどうかは、住んでみないと分からない
ただ、誤解のないように言うと、電気屋さんが悪いわけではありません。
設計段階では実際の暮らし方は分からない
引き渡し前に「本番の使い方」で試運転することもできない
となると、安全側に倒すしかない
という事情があります。
なので、設計時に「ちょっと多めに見積もる」のは、ある意味しょうがないし、プロとして妥当です。
問題はその後です。
・実際に暮らしてみる
・家電の組み合わせも決まってくる
・何年分かの使用実績データが溜まる
ここまで来たのに、最初の“多め設定”を一度も見直さないまま、
毎月の基本料金だけ払い続けているケースが非常に多い、ということです。
東京電力で契約アンペアを下げたときの金額インパクト(ざっくりイメージ)
じゃあ実際のところ、契約アンペアを下げるとどれくらいお金が変わるのか?という話です。
東京電力エリアの家庭向けプラン(スタンダードS/従量電灯Bに近いメニュー)では、
基本料金は「10Aごとにだいたい300円ちょっと/月」ずつ増えていくイメージになっています
(2023年ごろの公表単価をもとにした概算です。実際の金額はご契約プランや時期によって変わります)。
この前提でざっくり計算すると、例えばこんな感じになります。

※ざっくり「10Aあたり 約310円/月(年あたり約3,700円)」というイメージです。
※燃料費調整額や再エネ賦課金など、「使った電力量」に応じて変わる部分はここには含めていません。あくまで“基本料金だけ”の話です。
こうして見ると、
30A → 20A や 40A → 30A でも、年3,000〜4,000円くらい
50A → 30A まで下げられる家なら、年7,000円以上
60A → 30A クラスだと、年1万円前後
くらいの固定費インパクトがあり得る、ということが分かります。
スマートメーター時代になって、ようやく「見直し」が現実的になった
昔は、
契約容量を変える
ブレーカーを変える
メーターを変える
といった作業が物理的な工事前提で、かなりハードルが高かった時代もありました。
ところが、今は多くの家庭でスマートメーターが付いていて、
電力会社側でアンペア設定を変更できる
Webで時間別の電気使用量グラフを見られる
場合によっては過去のデータをダウンロードできる
という環境が整ってきました。
つまりこういう流れが、ようやく可能になってきています。
電気屋さんが安全側に多めに設定
実際に暮らしてみてデータが溜まる
「本当にそこまで容量が必要だったのか?」を実測で検証できる
契約アンペアを見直すことで、毎月の固定費を下げられる
ここに、「電気屋さんの守ってきた安全」と、「実績データに基づく最適化」をつなぐ余地があるな、と気づきました。
自分の家でやってみたら、30A契約はほぼギリギリだった
まずは自分の家で試してみました。
東京電力(TEPCO)の「時間別の電気使用量」グラフを開く
1時間ごとの使用量(kWh)を、スプレッドシートに入力
それをもとに、「その時間帯にだいたい何アンペア流れていそうか」を計算
1時間の平均kW → 平均A → そこにピーク係数をかけて推定ピークAを出す
ある冬のよく電気を使った日を計算すると、
その日の推定ピークは 28.5A くらいでした。
うちの契約は 30A なので、
「30A → 20Aに落とす」はさすがに無理
「30A → 40Aに上げる必要も特になさそう」
結果としては 「30Aでちょうどいい(むしろギリ寄り)」 という診断になりました。
つまり、自分の家は盛りすぎではなかった。
でも、もしこれが 40A契約の家で同じピーク値だったとしたら、話は全然違います。
40A契約でピークが 28.5A なら
→ 10A分はかなり余裕を見ている状態
→ 契約を30Aに下げて、毎月の基本料金を抑えられる可能性がある
そういう人は、世の中にかなりいるのでは?
という仮説が見えてきました。
「アンペア診断」という中間ステップを作りたい
ここまでの話をまとめると、こんな構図だと思っています。
設計・施工段階では
→ 電気屋さんが責任を持って、安全側に多めに設定するその後の運用段階で
→ 実際の使い方・データを見ながら、最適な契約容量に“調整”する余地があるでも現状、その「調整」の役割を担うプレーヤーがほぼいない
電力会社は、当然ながら「アンペアを下げましょう」とは積極的に言いません。
電気屋さんは、導入時点までは責任を持ってくれますが、その後の運用までは見ません。
建築の他のプレーヤーは、そもそも電気の世界に口を出しづらい。
そこで、
「電気屋さんの仕事」と「電力会社の請求」の間に、“アンペア診断”という中間ステップを置けないか?
と考えるようになりました。
TEPCO向け・1日分だけの無料クイック診断を試してみます
いきなり有料サービスにする前に、まずは小さく実験してみたいので、
東京電力(TEPCO)エリアの方向けに 「1日分だけ無料でアンペア診断」をやってみようと思います。
無料クイック診断でやること
私がやること
TEPCOの「時間別の電気使用量」グラフのスクリーンショットを見て、
1時間ごとの使用量(kWh)を読み取り
その日1日の中での「推定最大ピークA(だいたい何アンペアまで使っていそうか)」を計算
現在の契約アンペアと比較して、
明らかに盛りすぎていそう
ちょうど良さそう
むしろギリギリ寄り
をコメントします。
お願いしたいこと(やってもらう作業)
くらしTEPCO web にログイン
「電気の時間別使用量」の画面を開く
真夏や真冬など、「一番電気を使っていそうな日」を1日選ぶ
日付とグラフ全体が分かるように、スクリーンショットを撮る
名前・お客さま番号などの個人情報は、塗りつぶしやトリミングで消していただいてOKです
スクショを送ってもらう(送付方法はこのあと書きます)
↓例えば私だとこんな画面です

※診断といっても、「このアンペアに絶対下げて大丈夫です」と保証するものではなく、
**「今の契約が盛り気味かどうかを、データから一緒に眺めてみる」**くらいのスタンスです。
将来的には「ライト診断」「フル診断」も考えています
今回の無料版は 1日だけ を対象にした簡易診断ですが、
構想としてはこんなメニューも考えています。
ライト診断(有料)
夏のピーク日3日+冬のピーク日3日(合計6日)のグラフを元に診断
6日分のデータから最大ピークAを出し、
「推奨アンペア」「ざっくり年間削減額」の目安をレポートにまとめる
フル診断(有料・TEPCOでCSVが取れる方向け)
過去1〜2年分の30分 or 1時間ごとのデータをCSVでいただき、
より細かく「本当に必要なアンペア」を分析する
ただ、いきなり課金する前に、
まずは 実際に困っている人がどれくらいいるのか/どんな反応があるのか を知りたいので、
その前段階としての 「1日分無料クイック診断」 です。
無料クイック診断への申し込み方法
ここまで読んで「ちょっと自分の家も見てほしいかも」と思った方は、
下記のGoogleフォームから申し込みをお願いします。
くらしTEPCO web にログイン
「電気の時間別使用量」の画面を開く
真夏や真冬など、一番電気を使っていそうな日を1日選ぶ
日付とグラフ全体が分かるようにスクリーンショットを撮影
名前やお客さま番号などの個人情報は、見えないように塗りつぶし/トリミング
スクリーンショットをフォームからアップロード
お申し込みフォームはこちら:
👉 https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScS6-BHk6ffHL65NBc5np0Z3_oD4fr18D-4TMP2CxdLb6yN0g/viewform
送っていただいた内容をもとに、
「その日の推定ピークA」と「今の契約アンペアとのバランス」についてコメントをお返しします。
最後に:電気屋さんの仕事を否定したいわけではない
ここまで読むと、
「電気屋さん、盛りすぎなんじゃないの?」
と聞こえてしまうかもしれませんが、そういう意図ではありません。
設計・施工段階で安全側に倒すのは、正しい判断だと思っています
そのうえで、スマートメーターと使用実績データが揃ってきた今だからこそ、
「暮らしに合わせて契約をチューニングしていく」という発想がもっとあってもいいのでは、という提案です。
電気屋さんが作ってくれた“余裕のあるインフラ”を前提に、
自分たちの暮らし方に合わせて「固定費を整えていく」。
そんな新しい当たり前の一つとして、
この「アンペア診断」という取り組みを、小さく試してみたいと思っています。
興味ある方や、試してみたい方がいれば、
まずは1日分のグラフから一緒に眺めてみませんか。
筆者について
普段は、住宅や施設の電気設備・太陽光発電の提案に関わる仕事をしています。
設計や電気工事の現場にいることが多く、
「ブレーカーが落ちないように、多めに容量を見積もる」という
現場の感覚をずっと横で見てきました。
その経験と、自分の家のスマートメーターのデータを組み合わせて、
今回のようなアンペア診断の実験をしています。
