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冷しゃぶに合う日本酒おすすめ7選|ポン酢・ごまだれ別の夏のペアリング

暑い日の夕方、火を使う時間を最短で済ませたい。そんな日の救世主が冷しゃぶです。豚肉をさっと湯にくぐらせて冷やすだけ。あとはタレをかければ立派な一皿になります。

ただ、冬のしゃぶしゃぶとは合わせる酒がまったく違います。冷たい肉、というのが厄介なんです。脂が固まりかけた状態で口に入るので、温かい鍋のときと同じ設計では酒が仕事をしてくれません。

この記事では、Sake Diplomaとして、冷しゃぶに日本酒を合わせる考え方をまとめました。Amazonで買える銘柄も7本ご紹介します。今夜の食卓を、火を使わずに一段上げてしまいましょう!

冷しゃぶは冬のしゃぶしゃぶと何が違うのか?

同じ豚肉を湯にくぐらせているのに、ペアリングは別物になります。

冷えた脂は口に残りやすい

豚の脂が溶ける温度は、だいたい体温より少し下です。

温かいしゃぶしゃぶなら、脂は口の中でするりと溶けて消えます。ところが冷しゃぶは、冷やした状態で口に入る。脂が半分固まったまま舌に乗るので、後を引きやすいんです。

だから冷しゃぶに合わせる酒には、脂を流す仕事をはっきり求めます。旨味で寄り添うより、切れ味と酸で洗う設計。ここが冬との最大の違いです!

出汁がない

しゃぶしゃぶは昆布出汁の鍋があるので、料理全体に旨味の土台があります。でも冷しゃぶには鍋がない。皿の上にあるのは、冷えた肉と野菜とタレだけです。

土台がないぶん、タレの性格がそのまま出ます。だからここでも、タレで酒を決めるという判断が効いてきます。

野菜の水分が味を薄める

冷しゃぶには、たいていレタスや水菜、きゅうりやトマトが敷いてあります。この水分が、口の中で味を薄めていく。

酒がそこにさらに水っぽさを加えると、皿全体がぼやけます。淡麗すぎる一本は、この場面だと消えてしまうんですよ!

タレ別・日本酒の選び方

冷しゃぶのタレは、ほぼこの二択です。

ポン酢なら、酸と切れ味

いちばん多いのがポン酢。柑橘の酸と醤油の塩気が主役で、大根おろしを添えることも多いですね。

ここは酸のある辛口か、微発泡のタイプ。柑橘の酸に酒の酸を重ねて、豚の冷えた脂を一緒に流します。甘みのある酒を合わせると、ポン酢の酸と甘みがぶつかって、口の中が落ち着きません。

微発泡が効くのはこの場面です。炭酸が脂を物理的に洗ってくれるので、次の一枚がまた軽く入ります。

ごまだれなら、旨味と厚み

練り胡麻の脂と甘みが入るごまだれは、料理側の押しが一段上がります。

淡麗な酒では受けきれません。旨味のある純米か、雄町のようなふくよかな米で仕込んだ一本へ。胡麻の脂と酒の厚みを同じ高さに並べる。これができると、ごまだれの重さが心地よさに変わります!

薬味で微調整する

大葉やみょうがをたっぷり乗せるなら、香りの立つ一本を選んでいい。生姜やにんにくを効かせるなら、辛口寄りに振る。柚子胡椒を添えるなら、刺激を包む穏やかなタイプへ。

タレで方向を決めて、薬味で微調整。この順番を守ると迷いません。

豚と牛で変わるか

冷しゃぶといえば豚が定番ですが、牛でやる方もいますよね。

牛は脂の甘みが豚よりはっきり出ます。そのぶん酸のはっきりした一本を選んだほうが釣り合う。豚はさっぱりしているので、幅広く合わせられます。まずは豚を基準に考えて、牛のときだけ酸を足す、くらいの理解で十分です。

冷しゃぶに合う日本酒おすすめ7選

ここからは、Amazonで実際に取り扱いのある銘柄をご紹介します。価格帯とタイプを散らしました。価格は時期によって変動するので、目安として見てくださいね。

風の森 露葉風 507 無濾過無加水生酒 720ml <奈良・微発泡>

奈良・油長酒造。加水も濾過も火入れもしない造りで知られ、栓を開けるとぷちぷちと微発泡します。露葉風は奈良県で育てられている酒米です。

ポン酢の冷しゃぶに合わせる一本を選ぶなら、まずこれ。微発泡が豚の冷えた脂を物理的に洗い、後口はきりっと切れる。柑橘の酸とも自然につながります。一枚食べては一口飲む、というリズムが気持ちよく続きますよ。要冷蔵です。

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山形正宗 純米吟醸 雄町 720ml <山形・雄町>

山形・天童の水戸部酒造。自社で酒米を栽培していることで知られ、造りの設計に一貫した考えがある蔵です。

ごまだれの冷しゃぶに。雄町という米が生むふくよかな厚みが、練り胡麻の脂と同じ高さで並びます。旨味がありながら後口は締まるので、重くなりません。ごまだれ派の方にはこれを推したい。

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出羽桜 誠醸辛口 720ml <山形・辛口>

吟醸で知られる出羽桜が、あえて香りを抑えて仕込んだ辛口。日常の食卓に置くことを前提にした造りです。

ポン酢の冷しゃぶに、価格を気にせず合わせられる一本。香りが控えめなので、大葉やみょうがの香りを消しません。平日の夕食に開けて、残ったら翌日も、という使い方ができる気楽さがありがたいところ。

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鳳凰美田 WINE CELL スパークリング 純米吟醸 720ml <栃木・発泡>

栃木・小林酒造が、ワイン酵母を使って仕込んだスパークリング。日本酒でありながら、白ワインのような酸が立ちます。

泡と酸の両方で脂を洗える、冷しゃぶには理想的な組み立て。トマトやレタスをたっぷり敷いた洋風の冷しゃぶにも自然に収まります。日本酒に馴染みのない相手と食卓を囲むときの一本目としても出しやすい。

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仙禽 麗(うらら)720ml <栃木・純米>

栃木・さくら市のせんきん。生酛の「クラシック」と現代的な「モダン」を並行して出している蔵で、こちらはその流れを汲む一本です。

酸をはっきり打ち出す蔵の設計が、ポン酢とよく噛み合います。冷しゃぶのように味の要素が少ない料理では、酒の輪郭がそのまま体験になる。飲みごたえがありながら重くならないバランスがいいところ。

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玉乃光 純米吟醸 TAMA 720ml <京都・日常使い>

京都・伏見の玉乃光による、日常づかいの純米吟醸。ラベルがすっきりしていて、冷蔵庫に立てておいても邪魔になりません。

冷しゃぶは平日の献立として登場することが多い料理ですから、酒も気負わないものを一本。ポン酢にもごまだれにも一定以上で応えてくれるので、家族で好みが割れる日にはこれで通せます。

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蓬莱 純米吟醸 家伝手造り 720ml <岐阜・純米吟醸>

岐阜・飛騨古川の渡辺酒造店による純米吟醸。穏やかな香りと、じんわり広がる米の味が持ち味です。

ごまだれに柚子胡椒を添える日に。刺激を包み込むような口当たりで、辛さだけが浮くのを防いでくれます。素朴で落ち着いた表情なので、豚肉という素材とも相性がいい。飛騨の山の酒らしい安心感があります。

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肉を固くしない茹で方

せっかくなので作り方も。冷しゃぶで失敗するのは、たいてい肉が固くなるパターンです。

湯を沸騰させないでください。鍋の底から小さな泡が上がるくらい、80度前後を保ちます。沸騰した湯に入れると、たんぱく質が急激に締まって、あの固くぱさついた食感になります。

そして氷水で締めない。これも定番の失敗です。冷水に落とすと脂が一気に固まって、口当たりが重くなります。ざるに上げて、うちわで扇ぐか、そのまま常温で粗熱を取るのが正解。

この二つを守るだけで、家の冷しゃぶが店の顔になります! しっとりした肉に酒を合わせると、こんなに違うのかと驚きますよ!

酒の温度は10〜12度。肉が冷たいぶん、酒を冷やしすぎると口の中が冷え切ります。

よくある質問

Q. スーパーで買ってきた冷しゃぶサラダでも成立しますか?

A. します。市販品はポン酢系のドレッシングが付いていることが多いので、酸のある辛口か微発泡を選んでください。野菜が多めのぶん、酒が薄いと負けるので、旨味のあるものを。

Q. 冬のしゃぶしゃぶと同じ酒ではだめですか?

A. だめではありませんが、しゃぶしゃぶは出汁と温度があるぶん旨味系が合います。冷しゃぶは脂が冷えているので、切れ味と酸を優先したほうが体験がよくなります。

Q. 牛の冷しゃぶではどう変わりますか?

A. 牛は脂の甘みがはっきり出るので、酸のしっかりした一本へ振ってください。発泡タイプもよく効きます。豚より一段、洗う力が要ると考えるといいです。

Q. ワインを合わせるならどうしますか?

A. ポン酢ならソーヴィニヨン・ブラン、ごまだれなら軽めの赤が合います。ただ、ポン酢の醤油に対しては日本酒のほうが素直に収まります。

まとめ

冷しゃぶのペアリングは、タレで決まります。ポン酢なら酸と切れ味、ごまだれなら旨味と厚み。この二択です。

そして忘れないでほしいのが、冷しゃぶは冬のしゃぶしゃぶとは別料理だということ。脂が冷えている以上、酒には流す仕事が要ります。旨味で寄り添うだけでは足りません。

火を使う時間が短くて済むのに、合わせる一本を選ぶだけでちゃんとした献立になる。夏の食卓にとって、これほど都合のいい料理はなかなかありません。

湯は沸騰させず、氷水では締めない。この二つと、タレで酒を選ぶこと。今夜からぜひ試してみてくださいね!

この記事を書いた人:Tasterr
J.S.A. SAKE DIPLOMA / Wine Expert。全国でお酒のイベントを開催し、これまで7,000人以上にお酒を注いできました。旅を通して、その土地ならではのお酒との出会いやペアリングを楽しんでいます。
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