アヒージョに日本酒は合う?具材別ペアリングとおすすめ銘柄を紹介
スキレットからグツグツと湯気が立ちのぼるアヒージョ。手が伸びるのはワインやビールかもしれませんが、ここでちょっと視点を変えて日本酒を合わせてみませんか。
にんにくとオリーブオイルの香りに包まれた魚介やきのこの旨味は、日本酒のアミノ酸と出会うことで驚くほど奥行きが生まれます。SAKE DIPLOMAの知見を交えながら、アヒージョと日本酒のペアリングの理論から具材別のおすすめ銘柄まで、まとめてお伝えします。
ホームパーティーにも晩酌にも役立つ内容なので、ぜひ最後までお付き合いください。
アヒージョと日本酒が合う理由

にんにく×オリーブオイルの旨味コクを日本酒が受け止める
アヒージョは、にんにくの香りを移したオリーブオイルで具材を低温で煮込む料理です。油脂のコクとにんにくの風味、そして具材から溶け出す旨味が三位一体となった味わいが魅力でしょう。
日本酒がこの料理に合う理由は、オイルのコクに対して日本酒の酸味がリフレッシュ効果を発揮するからです。さらに、にんにくの風味はコクのある純米酒と同調しやすい性質を持っています。
ワインとの違いとして、日本酒にはアミノ酸(旨味成分)がワインの2〜3倍含まれているという点も見逃せません。魚介やきのこの旨味に、日本酒の旨味が重なることで「旨味の相乗効果」が生まれるのです。
具材別・アヒージョに合う日本酒の選び方

エビのアヒージョには酸味のある純米吟醸
エビのアヒージョは、プリッとした食感とエビの甘味が魅力です。ここに合わせるなら、フルーティーな香りとしっかりした酸味を持つ純米吟醸が最適。エビの甘味と吟醸香が寄り添い、オリーブオイルの脂を酸味がスッと流してくれます。
温度は冷酒がおすすめ。アヒージョの熱々のオイルとのコントラストが心地よく、テンポよく食べ進められます。
きのこのアヒージョには旨味たっぷりの純米酒
しいたけ、マッシュルーム、エリンギなどきのこ類のアヒージョは、旨味成分のグアニル酸が豊富です。米の旨味がしっかり感じられる純米酒を合わせると、アミノ酸×グアニル酸の旨味の相乗効果が発生します。
ぬる燗にするのがとりわけおすすめ。温めた日本酒がきのこの風味を引き出し、にんにくの香りとも渾然一体になります。
タコ・砂肝のアヒージョには辛口純米のキレを
歯ごたえのあるタコや砂肝のアヒージョは、噛むほどに旨味が出てくる素材です。辛口でキレのある純米酒を合わせれば、素材の旨味を邪魔せず、オリーブオイルの脂を切る役割を果たしてくれるでしょう。
バゲットを浸したオイルにはスパークリング日本酒
アヒージョの楽しみの一つが、残ったオイルにバゲットを浸して食べること。この「追いバゲット」には、スパークリング日本酒を合わせるのが新しい定番になりえます。炭酸の泡がオイリーな口の中をリセットし、何度でもバゲットに手が伸びるはずです。
アヒージョに合うおすすめ日本酒4選
仙禽 モダン無垢 <純米・生酛>
栃木県のせんきんが、ドメーヌ化を掲げて醸す生酛造りの純米酒です。マスカットを思わせる華やかな吟醸香と、しっかりした酸味が、エビのアヒージョに絶妙にマッチします。冷酒でキリッと合わせれば、オリーブオイルのコクと酸味のコントラストに思わず声が出るでしょう。アヒージョとのペアリングで真っ先に試してほしい銘柄です。
賀茂鶴 純米酒 <純米酒>
広島県の賀茂鶴酒造が醸す辛口の純米酒。スッキリしたキレと穏やかな旨味のバランスが素晴らしく、タコや砂肝など噛みごたえのある具材のアヒージョと好相性です。にんにくの香ばしさにも寄り添いつつ、脂を残さず流してくれる頼れる食中酒。手に取りやすい価格帯なので、普段使いにもぴったりでしょう。
鶴齢 特別純米 山田錦 <特別純米>
新潟県の青木酒造が山田錦で仕込む特別純米酒。しっかりした米の旨味と、無濾過生原酒ならではの力強い味わいが、きのこのアヒージョの旨味と見事に同調します。ぬる燗にするとさらにふくよかさが増し、マッシュルームの風味を何倍にも引き立ててくれるでしょう。
上善如水 スパークリング <スパークリング>
甘さを抑えたドライタイプのスパークリング日本酒です。シュワッとした泡がオリーブオイルの脂を爽快にリセットし、バゲットを浸して食べるときのお供に最適。アヒージョパーティーのテーブルに置いておくと、ワイン好きの友人も思わず手が伸びる一本です。
アヒージョ×日本酒を楽しむコツ

温度帯のコントラストを意識する
アヒージョは熱々のまま食べる料理なので、合わせる日本酒の温度は冷酒からぬる燗の範囲で選ぶのがおすすめです。
冷酒(5〜10℃):オイルの脂を爽やかにリフレッシュしたいとき。エビやタコに合わせやすい
ぬる燗(40℃前後):きのこや鶏肉など旨味の強い具材と同調させたいとき
熱燗まで上げるとアヒージョのにんにく風味とぶつかることがあるので、45℃を超えない程度に留めるのがコツです。
具材を変えるたびに日本酒の温度帯も変えてみると、一つのスキレットから何通りもの楽しみが生まれます。
まとめ
アヒージョと日本酒は、旨味の同調とオイルのリフレッシュという二つの柱で実に相性の良い組み合わせです。
エビには酸のある純米吟醸、きのこには旨味たっぷりの純米酒、バゲットにはスパークリング。具材に合わせて日本酒を選ぶ楽しさを知ると、アヒージョの晩酌がもう一段階レベルアップするでしょう。
次のホームパーティーでは、ワインの隣に日本酒も並べてみてください。スキレットを囲む笑顔が、きっといつもより増えるはずです。
この記事を書いた人:Tasterr
J.S.A. SAKE DIPLOMA / Wine Expert。全国でお酒のイベントを開催し、これまで7,000人以上にお酒を注いできました。旅を通して、その土地ならではのお酒との出会いやペアリングを楽しんでいます。プロフィール [EN]
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ワインペアリング一覧 [EN]
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