全員に好かれなくていい、自分を守るための思考法
「あぁ、あの先輩に嫌われたかも……」
「あの人、私にだけ冷たい気がする」
「職場の誰からも好かれたい。波風立てたくない」

こんな気持ちになったことはありませんか?
一度気になりだすと、ナースステーションにいるのが苦痛になり、帰り道も寝る前も、その人の視線や言葉が頭から離れなくなる。
「なんで、私だけ……」
「あぁ、明日あの人と同じ勤務だ……」
勤務表が出ると、まずその人との同じ勤務かどうかを確認してしまう。
これはあなただけではありません。
誰もが経験していることです。
そんなお悩みを抱えるナースの心が少し軽くなる「思考法」を紹介します。
人気芸能人だって「アンチ」はいる
職場の人間関係で悩むと、どうしても世界が狭くなってしまいます。
では、テレビの中の「人気の芸能人」はどうでしょうか?
好感度ランキングで1位を獲るような人であっても、ネットを見れば必ず「嫌い」「苦手」という声(アンチ)が存在します。
むしろ芸能界では「アンチが出てきたら売れた証拠」と言われることさえあります。
魅力の塊のような人であっても、100%の人に好かれるのは不可能なのです。
「みんなに好かれたい」と思うのは、叶わない幻想にすぎません。
逆に「みんなに嫌われている」と思うのも、実は思い込み(妄想)であることがほとんどです。
人間関係には「相性の法則」がある
私たちの周りには、「2:6:2」の割合で相性の分布が存在すると言われています。
2:相性が良い人(何もしなくても好意を持ってくれる)
6:普通の人(状況や気分によって印象が変わる)
2:相性が良くない人(どう頑張っても苦手意識を持たれる)

例えばスタッフが20人いたら、4人は気が合う人がいて、12人は普通、残りの4人はどうしても苦手な人がいる、という計算です。
あなたの職場に当てはめてみると、いかがでしょうか?
苦手な人(2割)に心を奪われないための3ステップ
「2割の合わない人」に振り回されないために、明日から試してほしい3つのステップを提案します。
① 「感情」ではなく「業務」でつながる
相手に好かれる必要はありません。「挨拶・報告・連絡・相談」という看護師としての役割さえ淡々とこなしていれば、仕事としては100点です。
② 「2割の味方」にピントを合わせる
冷たいスタッフ(苦手な2割)ばかり見て、あなたを頼りにしてくれる患者さんや、支えてくれる仲間(好きな2割)の存在を忘れていませんか?
あなたを大切に思ってくれる人に意識を向けましょう。
③「統計学」としての分析をする
理不尽な態度を取られたら、感情より先に、まるで学者になったかのように、
「あ、今、統計上の『合わない2割』と接しているな」と心の中でつぶやいてみてください。
それはあなたの人格のせいではなく、単なる「自然現象」なのです。
少し客観視してみると楽になるかもしれません。
最後に一言
自分らしく、明日も現場に立つためにあなたを大切に思ってくれる「2割」の人たちを、大切にしていきましょう。
かといって、つらい感情を無理に押し殺す必要はありません。
人は感情がある生き物です。
どうしても苦しい時は一人で抱え込まず、信頼できる人や管理者に相談してくださいね。
もしかすると職場では2:6:2に当てはまらないかもしれない。でも必ずあなたを大切に思ってくれる2割の人はいる。
あなたが笑顔で働くことができるよう、応援しています。

【参考文献】
岩井俊憲・長谷静香(2017)『看護師のためのアドラー心理学:人間関係を変える、心に勇気のひとしずく』日本医療企画.
