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AIハーネスは記録で自己改善する

はじめに

AIエージェント運用が時間とともに崩れる原因は、モデルの劣化より、実装・ルール・記録のずれにある。
この記事では Claude Code を具体例に、記録から docs と rules を保守する最小ハーネスを、プロンプトとチェックリスト付きで実務向けに整理する。



自己改善の正体は学習ではなく保守

自己改善の本体は、記録を起点にした保守ループにある。

AIハーネスの自己改善という言葉を聞くと、モデルが勝手に学び続ける仕組みを想像しがちです。けれど、実務で先に問題になるのはそこではありません。先に壊れるのは、常時読み込まれる指示、局所的なルール、たまに使う手順書、そしてその背景にある更新理由のつながりです。

Claude Code でも、この分離はかなり明確です。
常時読むのは CLAUDE.md であり、AGENTS.md を直接読むわけではありません。既存リポジトリで AGENTS.md を使っているなら、CLAUDE.md から @AGENTS.md をインポートする構成が公式に案内されています。さらに CLAUDE.md は各セッションの開始時に読み込まれるため、長くしすぎるとそのままコンテキストを圧迫します。
公式 docs でも、CLAUDE.md は 200 行以下を目安にし、膨らむなら .claude/rules/ や Skills に分割することが勧められています。
Claude Code には CLAUDE.md と自動メモリという二系統の記憶がありますが、どちらも「起動時に使う文脈」であって、勝手に運用設計を昇格・整理してくれる仕組みではありません。

ここで重要なのは、自己改善を知能の増強ではなく契約面の保全として捉え直すことです。モデルに何でも覚えさせるのではなく、常時読む契約を短く保ち、揺れている知見は別層に逃がし、十分に再発するものだけを昇格させる。この順序に変えるだけで、運用はかなり安定します。

言い換えると、強いハーネスは「全部を賢くする」より、「何を毎回読むか」「何を条件付きで読むか」「何を証跡として寝かせるか」をきれいに分けています。モデルよりハーネス設計が歩留まりを左右する、というのはこういう意味です。

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