サメを怖がってダイビングをしないと「決めている方に」・・サメは見れたらラッキーな部類ですよ!
ダイビングを始めようとする人から、こんなことをよく聞かれます。
「サメって怖くないですか?」
『ジョーズ』『シャーク・テイル』『シャーク・ネイド』――映画やメディアが作り上げたイメージは根強い。でも、沖縄の海で150本以上潜ってきた私がサメと遭遇したのは、たった1回です。
今日は、サメについて広まっている誤解を、実際の経験と生態学的な事実をもとに解いていきたいと思います。
サメ映画は「エンタメ」であって「ドキュメンタリー」ではない
まず大前提として。
ジョーズが公開された1975年以来、サメは「人間を狙う凶暴な捕食者」として描かれ続けてきました。しかし映画監督のスティーブン・スピルバーグ自身、後年のインタビューで「あの映画がサメの恐怖を不当に煽ってしまったことを後悔している」と語っています。
映画は観客を怖がらせるために作られます。当然、現実よりも「危険」に見えるよう脚色されます。サメが海の怪物として描かれるのは、現実ではなく商業的な演出です。
150本潜って、サメに会ったのは1回だけ
私は沖縄を中心に、これまで150本以上のダイビングをしてきました。
その中でサメと遭遇したのは、たった1度。それも、遠くをゆっくり泳いで去っていく姿をほんの数秒見ただけです。攻撃はおろか、こちらに興味を示す様子すらありませんでした。
沖縄の海には確かにサメが生息しています。しかし「ダイビング中に高確率で見られる生き物」かと言われれば、まったく違います。むしろ出会えたらラッキーなくらいの存在です。
知っておいてほしい、サメの生態
1. 基本的に、人間は「餌」として認識されていない
これが最も重要な事実です。
サメの主な餌は魚、イカ、アザラシ、亀など。人間はサメの「通常の食事リスト」に入っていません。サメが人間を噛むケースのほとんどは「誤認」によるものです。サーファーが波間に浮かぶシルエットをアザラシと間違える、濁った水の中で足を餌と誤解する――そういったケースです。
確認して「これは人間だ」とわかれば、多くの場合サメは離れていきます。
2. サメは臆病な生き物
海の頂点捕食者というイメージとは裏腹に、サメは非常に警戒心が強く、臆病な側面を持ちます。ダイバーが近づくと、多くの場合サメのほうが逃げます。人間はサメにとって「よくわからない、大きくて怖いもの」なのかもしれません。
3. 世界的に見ても、サメによる死亡事故は極めて少ない
国際サメ攻撃ファイル(ISAF)のデータによると、世界全体での年間サメによる死亡者数は平均して10人前後。一方、人間が年間殺すサメの数は約1億匹とも言われています。どちらが脅威かは明らかです。
4. 沖縄に多い種は温和なことが多い
沖縄の海でよく見られるのは、ネムリブカ(ホワイトチップリーフシャーク)やツマグロなどの種です。これらは基本的に人間に対して攻撃的ではなく、ダイビングスポットによっては岩陰で眠っている姿が見られることもあります。
それでも「ゼロリスク」ではない。正しく知って、正しく潜る
誤解を解くことと、「絶対に安全」と言い切ることは違います。
サメと遭遇したときに避けるべき行動はあります。
血の匂いや魚の切り身を身につけない(漁師や釣り人が海に入る際は特に注意)
単独での夜間ダイビングは避ける
サメを発見しても、追いかけたり、触ろうとしない
水中でパニックになって激しく動き回らない(不規則な動きが興味を引くことがある)
餌付けダイビングのツアーには慎重に参加する(人工的にサメを集める行為は、サメの行動パターンを変えるリスクがある)
これらを守れば、サメは「恐れる存在」ではなく「海の生態系の一部」として穏やかに共存できる生き物です。
サメがいる海は、「豊かな海」のサイン
少し視点を変えてみましょう。
サメは食物連鎖の頂点にいる生き物です。サメが生息できるということは、その海が豊かで生態系が健全であることの証でもあります。
サメを怖がって海を遠ざけるのではなく、「サメがいる海で潜れる」ことを、むしろ誇りに思ってほしいと私は思っています。
沖縄に来るダイバーへ
初めて沖縄でダイビングをする方へ、最後にひとこと。
沖縄の海は本当に美しい。慶良間の透明度、本部のサンゴ礁、石垣のマンタ、与那国の海底遺跡――魅力は尽きません。
サメへの恐怖で、その体験を手放すのはあまりにもったいない。
150本潜って1回しか会えなかった私の経験が、あなたの「怖いからやめておこう」を「せっかくだから潜ってみよう」に変える小さなきっかけになれば、それ以上のことはありません。
海に入ってみてください。あなたが想像しているより、ずっと穏やかで、ずっと美しい世界が待っています。
#ダイビング #沖縄 #沖縄ダイビング #サメ #マリンスポーツ #海 #ダイビング初心者 #沖縄旅行 #スキューバダイビング #水中写真
