休日に映画「国宝」を見る|四十を超えた女のエッセイ
映画「国宝」
暑い日曜の午後、映画「国宝」を見た。
久々、映画館に行きたいと思った。
個人的には映画館に足しげく通うタイプではなく、何年間に一度気になったものを見にいく程度。前回見た映画は「スラムダンク」。その前はなんだろう。その程度の人間です。
めったに見ない方ではありますが、今回は心が動きました。
先に原作から入る
きっかけは原作のオーディブル。
分厚い本と一緒でオーディブルもハードルは低くない。
吉田修一著。期待値は高まりますが、上下でそれぞれ20時間ほどの作品。そんなに聴けるものかと不安から始ったものの、
結果、めったに出会えない素晴らしい作品だったのでした。
オーディブル版「国宝」の素晴らしいところも語りたいところですが、またそれは別の機会に。
オーディブルを聞いている途中で映画の存在を知りました(今思うと映画の宣伝でアルゴリズムに誘導されていたのかなと思います)。
配役の吉沢さんがイメージにピタリとはまる。
映画化って原作と俳優のイメージがちょっと違うかもと期待を下回ってしまいがちなのですが、それも全くなかった。
そこで、更に作品を楽しみたい、想像の輪郭がぼやけていた歌舞伎のシーンも映像で見てみたいとなったのでした。
美しく恐ろしい作品
美しい映画だった。
歌舞伎のシーンは想像以上に多く、歌舞伎を知らない私が原作を聴いて何となく想像していた演目を映像として体感することができ、物語の世界、美しい映像世界でありました。
歌舞伎ってアート。美しい鷺娘にため息です。
舞台裏、歌舞伎の家の人の生き方ってこんな感じなのかなーと思ったり、歌舞伎の血筋があるとかないとかどっちも辛いねなど、歌舞伎以外のシーンも3時間飽きることなく興味深く見入っておりました。
(語彙力のない庶民の感想だなと自分でも思いますね…)
俳優の皆さんもみんなよかったです。
最初しか登場しなかったけど、冒頭まず宮澤エマさんに掴まれました。
そして、特に吉沢さんも横浜流星さん、素晴らしかった。
こんなにも人々を引き込むレベルの歌舞伎の演技を表現されるなんて、厳しいお稽古があったのだと想像はできますが、役者へのリスペクトを感じないはずもない仕上がり。
役者の人生、歌舞伎を取り巻くそれぞれの生き様は見ごたえがあった。
是非、原作と合わせてどうぞ。
映画にはとっても満足。
しかし、私は原作からの映画コースなので、映画がちょっと駆け足に感じてしまった部分はありました。それは仕方がない。時間の制約あるから。
でもむしろ、ここまで収めて表現できることが映画ってすごいとも思った。
とはいえ原作と比較してしまうと繋がりのエピソードが割愛されていることもあり、ちょっと展開が唐突に感じる部分があったり、描かれていなくてもったいないと思ってしまったことも。
原作と映画ではラストが違います。
映画のラストも良い終わり方だったなと満足ですが、
芸に取りつかれることの恐ろしさ、美しい狂気は原作でさらに感じられるはず。
上映時間3時間、トイレ問題
急に現実的な話です。
上映時間3時間と聞くとトイレ問題気になりませんか?
自分の傾向として、午前はトイレが近い。見るのは午後にしよう!とコンディションをふまえて映画館入り。直前のトイレは必須!
客席は若者もいましたけど、中高年多しですね。
ほぼ満席の客席、私がみたところ途中でトイレ行った人は1名。
展開も早く夢中になってしまうストーリーなので、結果3時間はあっという間でした。
良いモノにはそうそう出会えない
良いモノってそんなに出会えないんだよなー
良いモノを見せてもらったなー
良いお休みの過ごし方だったなー
役者ってすごい
映画作る人々ってすごい
が、感想です。
原作から入った身としては、是非原作に触れてほしい
どちらかというとおすすめはオーディブル
歌舞伎役者尾上菊之助さんが語る秀逸な作品。
私の中でAudible至上ナンバーワン。
