(第四話-②)ハルとアキの異世界シビクハン王国
第四話-②
『シビクハン王国へ その1』
「ウィンター、昨日はよく眠れた?」
「えぇ、遅い時間までアキとおしゃべりしていたので少し眠たいです。」
「そうなんだ……。」
・・・・・・20分、沈黙。
「飲み物、取って来るね。ウィンターの飲み物のおかわり入れて来るね。コップ持って行くね。」
「ありがとうございます。」
ウィンターは、コップの中に入っていた冷めた紅茶を飲み干して、ハルに空いたコップを渡した。ハルは、空いたコップ2つを持ってキッチンへと向かった。
「アキ、早く帰って来てくれないかな。会話が続かないよ。」
「アキ、早く帰って来てくれないかな。あぁ、何を話せば良いのか。」
ハルは、コップに紅茶を2つ入れてウィンターのいるリビングへと戻って来た。
またまた・・・・・・ 20分、沈黙。
テレビのお笑い番組が2人の空気を読まずに笑いを取っていた。
でも、2人はテレビをただ静観して番組を眺めていた。
それから・・・・・・1時間経過した。
「ただいま帰ったよ。ウィンター、遊びに行こう!。」
2人の救世主が部活から帰って来た。
ウィンターは、ホッとした表情で玄関に向かった。
ハルも、元気を取り戻してアキがいる玄関にウィンターの後ろから向かった。
「ウィンター、ただいま。」
「アキ、おかえりなさい。」
「アキ、おかえり」
ハルとウィンターの声が重なり、アキは少しびっくりした表情を浮かべたが、すぐに『ニヤッ』と、2人の顔を交互に見ては微笑んだ。
「シンクロしてる❤️」
「えっ💦」
「あっ💦」
2人は、またシンクロした。
「ウィンター、着替えて来るから待っててね。」
「はい」
数分ウィンターは、アキが着替え終えるまでの間、リビングで待っていた。
ハルは気恥ずかしかったのか、自分の部屋に閉じ籠った。
「用意出来たよ。おでかけしょ。」
と、アキはリビングの中に入って来てウィンターに声をかけた。
アキは続けて、「ハルは?」と、ウィンターに質問した。
「何も言わずに自分の部屋に入って行きましたよ。」
「ふーん。自分の部屋に隠れたか。ねぇウィンター、耳貸して❤️」
「えぇ⁉︎」
ウィンターはアキが何か企んでいるのは理解出来たが、まさか自分が巻き込まれるとは知らないままアキと一緒にハルの部屋に行った。
「ハル、入るねぇ♫」
ハルの返事を待たずにアキとウィンターは、部屋に入った。
アキは、ハルに対して企んだネコ顔で話を続けた。
「ハル、見て❤️可愛いでしょ❤️」
アキは、後ろに隠れていたウィンターを後ろから押してハルの前に立たせた。
ウィンターは、今までの雰囲気とは違ってギャルメイクをした顔や服装もそれらしい感じでハルの前に立った。
「どう、ハル。可愛いでしょ。ウィンターだよ❤️」
「ハル、どう…ですか?」
ハルは、ネコ顔をしているアキに対して『はぁ。』と一息入れて、ウィンターの顔を見て言った。
「可愛いよ、うん……。」
「じゃ、2人で買い物に行って来るから留守よろしくね。」
「ハル、行って来ます。」
「うん、いってらっしゃい。」
ハルは、2人と一緒に部屋から出て玄関まで行き見送った。
アキとウィンターは、家を出て駅の近くにある百貨店に向かった。
「なに買おうかな。」
「アキ、なんだか楽しそうですね。良いことでもありましたか?。」
「良い事もなにも、こうしてウィンターと一緒にお出かけ出来ている事が、楽しいよ。だってウィンターは、アキにとってお姉さんだから。今までハルとずっと一緒だったからお姉さんは、生まれて初めてだし、お母さんと買い物に行くとはまた別。新鮮でもっと暖かい感じで、ウィンターと目が合う度にテンション上がる気持ちだよ。」
アキは、ウィンターの手をぶらぶらさせながら無邪気な幼い顔を覗かせていた。
街中は、お日様がちょうど西へ傾き始めた午後2時。
人通りも多くなって来た。
アキがウィンターの手を繋ぎながら目的地の百貨店にたどり着いた。
百貨店の前には、百貨店に入る人と出てゆく人で乱雑に入り乱れていた。
アキはウィンターの手を取り、お気に入りのブランドの洋服屋に向かって歩き出した。
ウィンターは、あまりの人の多さに少し泣きそうな顔をしながらアキの後を着いて行くのであった。
洋服屋に着くなりアキは、新作コーナーの看板を指差しウィンターと一緒に向かった。
『この新作のワンピース可愛いよ。見てみて❤️』
『アキ、とても似合っていますよ。』
『色違いもあるから、ウィンターの分も買ってお揃いで着よう。』
アキはそう言って、キャスター付きハンガーラックに掛かっている何種類か洋服を選びウィンターに白色のワンピースを渡し、自分自身には赤のワンピースを選んでウィンターと一緒に試着室の方に向かった。
ウィンターは、アキに言われるがままに試着して白のワンピースに着替えてはアキが入っている部屋に入っていった。
『アキ、着替えて来ましたが私に似合っているでしょうか?』
『わっ、びっくりした。似合ってる❤️どこかのお姫様みたいで。』
『リトヌーア王国のお姫様ですよ、アキ、、、。』
『あはは。そうだったね。』
アキは、無邪気に笑った。
『洋服も買った事だし、何か美味しいモノを食べに行こうよ。』
『いいですね。そうしましょう。』
アキとウィンターは、洋服屋を後にして地下にある飲食店が並ぶフロアへとエレベーターで降りて行った。
エレベーターから降りるや否やアキは、『ウィンター、何食べたい?』と投げかけた。
『わぁぁ、キラキラした所ですね。それにしても人がたくさん居て道に迷ってしまいそうですね。』
人混みのせいなのか、アキの言葉はウィンターには届いていなかった。
アキは、ウィンターの手を取り小走りで近くのベンチに一緒に座った。
『ウィンター、お昼ごはん何食べようか?』
アキは、もう一度ウィンターに尋ねてみた。
『何でも良いですよ。』
ニコッと満面の笑みでアキの方を見た。
ピカピカに磨き上げられたフロアと天井に吊るされライトアップされた電飾やキラキラと輝きを放つシャンデリアがより一層ウィンターの笑顔を際立だせた✨
正に一国の王女様の笑顔だけあってアキもその屈託の無い笑顔に恥ずかしさが出て、何だかこっちが照れてしまった。
脳内の中が正常に元に戻ったアキは、すぐ近くにあるパスタ&カフェにウィンターと一緒に入って行った。
奥の広々とした四脚テーブルに案内されたアキとウィンターは、お互いに対面で席に座った。
アキは、席に座るなり傍らにあるモニターを持ち始め、『何しょうかな』と色とりどりの食べ物が写っているメニューを見て自身が食べるものを決めていた。
対面に座っているウィンターは、ただただ姿勢を正しながら食べ物がくるのを待っていた。
『ウィンター、どうしたの?かしこまってさ。ほら、ウィンターも選んで。そうじゃないといつまでも食べ物は来ないよ。』
『アキ、そうなのですか?席に座るなりシェフが料理を運んで来ないのですか?💦
それではアキと一緒の食べ物にしよう』
王女様は、侍女のアキに一つ一つ確認を取りながら、注文をしたパスタとアイスを食べ終えた🍝🍨
『アキ、美味しかったです』
『ゆっくり出来たし、ウィンター家に帰ろう』
アキは、会計を済ませてウィンターと一緒にお店を出た。
お店を出たアキは、すぐにウィンターの手を取り、ウィンターもアキの差し伸べられた手に自身の手を重ねては、笑顔を向けた。
本当の姉妹の様な二人である。
アキとウィンターは、クラスメイトの事や流行りのお店など他愛のないおしゃべりをしながら百貨店を出た。
外に出ると、辺りはすっかり日が暮れていた。
二人は、百貨店を出た後も楽しく談笑している。その後ろを怪しげな影が尾られているともとも知らないで……。
