料理が得意にならないまま、自炊が充実したおはなし
私は自転車に乗れるようになるまで苦労したので、なんなく乗れる人の気持ちがわからなかった。
先に乗れるようになった友達から「自転車に乗れると楽しいよ」と言われても、乗れるまでわからないから自分とは関係ない話と受け止めていた。
料理に関してもそうだった。料理が得意な人が簡単なものもあるよ、楽しいよと言っても、その人にとってはそうであって自分は違うのだと思った。
同時に、快く仲間に入れてくれようとしている人を否定してしまっているような居心地の悪さも感じていた。
単発のお料理教室に行ってみても、簡単だと言われているレシピを見て作ってみても、その考えが覆ることはなく、だんだんと新しい料理に触れなくなった。
本当はその楽しさを知りたいと思っているのに、わからなくて心細いから遠ざける。
その寂しさは惰性となった。
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