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おうちコーヒー、蒸らしの真実



「起きてコーヒー」

Twitter時代に書いたつぶやきです。こちら、小噺に加工して残酷な真実をお届けいたします。




「最初にお湯を注いだ後、1分ほど待つ」


コーヒーをドリップする際の手順です。蒸らしともいいます。


蒸らすことにより、その後の注湯によるコーヒー成分の抽出をうまく行うことができます。そのため粉全体に、適量のお湯が均等に行きわたることが求められます。


第15代ワールド・バリスタ・チャンピオンの井崎さんは、蒸らしについて著書の中でこう記しています。

すなわち、蒸らしは、コーヒーの成分を効率良く抽出するための第一歩=可溶性固形分を効率良く引き出す役割を果たします。可溶性固形分を効率良く抽出できる、ということは、コーヒーが本来持つ甘味、酸味、苦味、そしてフレーバーが適切に抽出される、と理解して良いでしょう。

『世界一美味しいコーヒーの淹れ方』井崎英典(ダイヤモンド社)


蒸らしの際、お湯はそっと注ぎます。眠りについているコーヒー粉を、優しく起こすようなイメージです。


「起きてコーヒー」


そんな呼びかけをしてもよいでしょう。




注:
ここから先は、上記イメージを壊してしまう内容です。優しくコーヒーをドリップしたい方はお控えください。







コーヒー豆は焙煎されることで、見慣れたコーヒー豆の色になります。


焙煎により豆はアツアツに覚醒します。そして熱が冷めると、出番が来るまで眠りにつくのです。


眠っていた豆は、いつ起きるのでしょうか。蒸らしの時といいたいところですが、その前にもう一つの工程があります。


ご存じ、ガリガリです(ミルで挽いて粉にする)。


眠っていたところでいきなりのガリガリです。コーヒー豆、眠り続けられるはずもありません。目が覚めて粉になって茫然自失です。


そこへ浴びせられるのが、蒸らしのお湯なのです。みそ汁で顔を洗ったがごとく、今や粉となったコーヒー豆は我に返ります。


この時の状況を、蒸らしの際にかける言葉で説明しましょう。つまりこうです。


誤:
「起きてコーヒー(目を覚まして、美味しいコーヒーになっておくれ)」

正:
「起きてコーヒー(ボケっとしとらんでシャキッと働けや!)」


そっとお湯を注ぐのは、商品に乱暴しては売り物にならない的な考えなのです。



真実に思い至った私も、しばし茫然としました。しかる後、おもむろにミルで豆を挽き、蒸らしを行い、コーヒーを淹れたのです。やっぱり挽きたては美味しい。そして美味しいコーヒーは冷めても美味しいのです。







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