素数の力で生き抜いたセミ(前編)
素数ゼミという、数学用語が名前に中に入ってる、ヘンな虫がいます。
素数ゼミの種類には、13年ゼミや17年ゼミと呼ばれる種類がいて、それぞれ13年、17年ごとに、
つまり「素数年ごとに」大発生する変わった特徴を持っています。

※素数ゼミの画像は画像検索でご覧ください
セミが数学を理解しているわけもなく、セミの特徴が、素数と密接に関係していることが、不思議ですが──これは、自然淘汰の末残されたセミが、結果的に身につけた生存戦略が、たまたま素数が持つ性質を利用したものだった。
ざっくり言いますと、そういうことです。
「自然という書物は数学の言葉で書かれている」というガリレオ・ガリレイの名言のように、
この世界のすべての仕組みは、数学的性質によって支配されていることの、ひとつの証左です。
それでは、素数が持つ性質が、なぜセミの生存戦略に結びつくのかを、簡単に説明していきたいと思います。
まずは、素数の説明です。

一方、素数ではない数を、合成数と言います。

具体的に言うと、11(素数)は、1と11以外では割ることができませんが、
10(合成数)は、1と10以外にも、2と5で割ることができます。

※参考の別記事「100までの素数を覚えるマンガ」
銭湯のロッカーを選ぶ時に、「素数の23にしようっと」などと思う人間は、一部の数学好きにしかおらず、ほとんどの方は日頃、素数・合成数のことなど全く考えずに生活していると思いますが、
──素数・合成数の性質は、常にみなさんの生活に深く関わっています。
わかりやすいのは「1ダース」、この単位ですね。
1ダース=12。
鉛筆やビールのケースなど、様々なものが12個で1セットにまとめられています。
これは、12という合成数が2でも3でも4でも6でも、割り切れる便利な数だからです。
つまり、1ダースのものは、2人でも3人でも4人でも6人でも、均等に分けることができますが、11や13の素数だと全く不可能ということなのです。
1分は60秒。1時間は60分。1日は24時間。時間の計算も、12の倍数が使われていますね。
この例えだと、素数は不便な数っぽいですが、素数ゼミは、逆に、素数の性質を有効に使うことで、生存戦略に生かしました。
後編では、素数ゼミが、13年ごと、17年ごとに発生することが、なぜ生存戦略に繋がるのか、その理由を説明します。
※ちなみに「素数ゼミ」という呼び名は、吉村仁教授が名付け親だそうです。
それまでは「周期ゼミ」と呼ばれるのが一般的だったそうです。
<参考図書>
◆『素数ゼミの謎』(吉村仁・著/文藝春秋)
◆『17年と13年だけ大発生? 素数ゼミの秘密に迫る!』 (吉村仁・著/サイエンス・アイ新書)
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