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継続力とは、止まらない力ではなく、戻れる仕組みである 【継続力編 第6話】

前回は、脳が元の自分に戻そうとする話をしました。

新しい行動を始める。

いつもと違うことをする。

これまでやっていなかったことを生活に入れる。

すると、脳はそれを「いつもと違う状態」と判断します。

そして、元の状態に戻そうとします。

その時に出てくるのが、正論っぽい辞める理由です。

「今日は疲れている」

「反応がないなら意味がない」

「収益化できていないのに、本当に価値があるのか?」

「このやり方は自分に合っていないのかもしれない」

「もっと別の方法があるのでは?」

こうした言葉は、一見すると冷静な分析に見えます。

しかし、それが目的に近づくための問いなのか。

それとも、元の状態に戻るための問いなのか。

ここを見分ける必要があると話しました。


そして、その時に必要になるのが、第2話で決めた理由です。

なぜやる必要があるのか。

なぜ達成したいのか。

やらないと、どんな未来になるのか。

達成できなかったら、何が嫌なのか。

この理由があるから、脳が元の自分に戻そうとしてきた時にも、目的地側へ戻ることができます。

しかし、ここで一つ大切なことがあります。

どれだけ理由を決めても。

どれだけ自分に合った型を作っても。

どれだけ脳の原状復帰機能を理解しても。

それでも、止まる日はあります。

疲れる日もあります。

飽きる日もあります。

何もしたくない日もあります。

別のことをしたくなる日もあります。

一度、完全に手が止まる日もあります。

だから、継続力で本当に大切なのは、止まらないことではありません。

止まっても戻れる仕組みを作っておくことです。

継続を「一度も止まらないこと」だと思うと苦しくなる

多くの人は、継続を「止まらないこと」だと思っています。

毎日続ける。

休まず続ける。

途切れず続ける。

一度始めたら、ずっと続ける。

もちろん、それができる人もいます。

毎日同じ時間に行動する方が楽な人もいます。

リズムを崩さない方が続けやすい人もいます。

でも、すべての人がそうではありません。

仕事が忙しくなる日もあります。

家の用事が入る日もあります。

体調を崩す日もあります。

気分が乗らない日もあります。

疲れが溜まって、何もしたくない日もあります。

それなのに、継続を「一度も止まらないこと」だと思っていると、一日止まっただけで終わった気になります。

「また続かなかった」

「やっぱり自分はダメだ」

「自分には継続力がない」

「もう一度ゼロからやり直しだ」

こう考えてしまう。

でも、本当にそうでしょうか。

一日止まったら、継続は終わりなのでしょうか。

三日休んだら、もう失敗なのでしょうか。

一週間空いたら、最初からやり直しなのでしょうか。

私は、そうは思いません。

継続力とは、一度も止まらない力ではありません。

止まっても、また戻れる力です。

止まることを失敗にすると、戻れなくなる

継続が苦しくなる理由の一つは、止まることを失敗にしてしまうことです。

一日できなかった。

予定通りに進まなかった。

記事を書けなかった。

動画を作れなかった。

勉強できなかった。

運動できなかった。

この時に、

「もうダメだ」

「失敗した」

「また続かなかった」

と思ってしまう。

すると、次に戻るハードルが上がります。

一日休んだだけなのに、戻るのが重くなる。

三日空いただけなのに、再開するのが気まずくなる。

一週間空くと、もう別物のように感じる。

なぜなら、自分の中で「途切れた」という感覚が強くなるからです。

でも、止まること自体は問題ではありません。

問題は、止まった後に戻れないことです。

止まったことを失敗にすると、戻る時に余計な感情が乗ります。

罪悪感。

自己否定。

気まずさ。

面倒くささ。

また失敗するかもしれない不安。

こうしたものが積み重なると、再開するだけなのに、とても重い作業になります。

だから、最初から考え方を変えておく必要があります。

止まったら失敗。

ではなく、

止まる日はある。だから戻る仕組みを作る。

この前提で設計するのです。

継続には「再開の設計」が必要である

多くの人は、始める時の計画を作ります。

いつから始めるか。

何をやるか。

どのくらいやるか。

どんなペースでやるか。

これはもちろん大切です。

でも、継続において同じくらい大切なのが、再開の設計です。

止まった時に、どう戻るのか。

何を見れば、次の一歩が分かるのか。

どこから再開すればいいのか。

どのくらい小さく戻ればいいのか。

何をしたら「再開した」と判断するのか。

ここを決めていないと、止まった後に迷います。

たとえば、記事を書く場合。

一度止まった後に、

「またちゃんと書かなきゃ」

と思うと重くなります。

でも、再開のルールが決まっていれば違います。

まずはタイトルだけ見直す。

次に見出しだけ作る。

本文は三行だけ書く。

過去記事を一つ読み返す。

次に書くテーマをメモする。

これだけでも、再開になります。

動画なら、

台本を一行だけ直す。

サムネの言葉だけ考える。

素材を一つ集める。

過去動画の反応を見る。

次の動画のタイトルを三つ出す。

これでも、再開になります。

勉強なら、

参考書を開くだけ。

一問だけ解く。

前回のメモを読む。

五分だけ復習する。

これでも、再開です。

大事なのは、止まった後にいきなり全力で戻ろうとしないことです。

止まった後は、再起動が必要です。

パソコンでも、電源を入れた瞬間に重い作業を全部動かすわけではありません。

まず起動する。

画面が立ち上がる。

必要なものを開く。

そこから作業に入る。

人間も同じです。

止まった後には、再起動用の小さな行動が必要です。

戻るための最低ラインを決めておく

再開の仕組みを作る時に大切なのが、最低ラインです。

やる気がある時の最低ラインではありません。

疲れている時。

飽きている時。

面倒くさい時。

一度止まった後。

その自分でもできる最低ラインです。

たとえば、

一行だけ書く。

五分だけ触る。

タイトルだけ考える。

資料を一つ開く。

メモを一つ残す。

前回の作業を読み返す。

次にやることを一つだけ書く。

これくらい小さくて構いません。

むしろ、小さい方がいいです。

なぜなら、最低ラインの役割は、大きな成果を出すことではないからです。

最低ラインの役割は、戻ることです。

一度止まった流れを、もう一度つなぐことです。

川の流れが止まった時に、いきなり大きな水流を作る必要はありません。

まずは細い水路を通す。

少しでも流れが戻れば、そこから広げていけます。

継続も同じです。

止まった後に必要なのは、大きな成果ではありません。

小さく戻ることです。

「戻る場所」を分かるようにしておく

戻れる仕組みを作るには、戻る場所を分かるようにしておくことも大切です。

止まった時に困るのは、

「次に何をすればいいんだっけ?」

となることです。

これがあると、再開のハードルが上がります。

だから、作業を終える時に、次にやることを残しておく。

たとえば、記事なら、

次に書く見出しを一つ残す。

続きを一文だけメモしておく。

修正したい部分をメモしておく。

次回のテーマを書いておく。

動画なら、

次に撮る内容を残す。

サムネ案を一つ残す。

台本の続きをメモしておく。

使いたい画像や資料を保存しておく。

勉強なら、

次に解くページを開いておく。

分からなかった問題に印をつけておく。

復習する場所をメモしておく。

これは、未来の自分への引き継ぎです。

今の自分が、未来の自分にバトンを渡しておく。

そうすれば、止まった後でも戻りやすくなります。

逆に、毎回ゼロから考え直す形にしていると、再開が重くなります。

何をするか考える。

どこから始めるか考える。

前回どこまでやったか思い出す。

必要なものを探す。

この時点で、面倒くさくなります。

だから、戻る場所は見えるようにしておく。

継続とは、未来の自分が迷わないように、道しるべを残しておくことでもあります。

完璧に戻ろうとしない

止まった後に戻れない人は、完璧に戻ろうとします。

以前と同じペースに戻さないといけない。

前と同じ熱量でやらないといけない。

遅れた分を取り戻さないといけない。

休んだ分を埋めないといけない。

こう考えると、再開が重くなります。

でも、止まった後に必要なのは、完璧に戻ることではありません。

まず戻ることです。

ペースは後から上げればいい。

質も後から上げればいい。

量も後から増やせばいい。

最初から全部戻そうとすると、また止まりやすくなります。

たとえば、毎日一時間やっていた人が、一週間止まったとします。

その人がいきなり一時間に戻ろうとすると、重くなります。

でも、五分だけなら戻れるかもしれません。

一問だけなら戻れるかもしれません。

一行だけなら戻れるかもしれません。

その小さな再開を軽く見てはいけません。

一度戻れれば、流れは戻り始めます。

継続において大切なのは、休んだ分を一気に取り戻すことではありません。

戻る流れを作ることです。

記録は、戻るための地図になる

戻れる仕組みを作るうえで、記録も役に立ちます。

記録というと、成果を確認するためのものだと思われがちです。

何日続いたか。

何本作ったか。

どれだけ読まれたか。

どれだけ売れたか。

どれだけ伸びたか。

もちろん、それも大切です。

でも、記録にはもう一つ役割があります。

それは、戻るための地図になることです。

何をやっていたのか。

どこまで進んでいたのか。

何を試したのか。

何がうまくいかなかったのか。

次に何をしようとしていたのか。

これが残っていると、止まった後でも戻りやすくなります。

逆に、記録がないと、止まった後にすべてがぼんやりします。

どこまでやったか分からない。

何を考えていたか分からない。

次に何をするつもりだったか分からない。

そうなると、再開するだけでエネルギーを使います。

だから、継続には記録が必要です。

立派な記録でなくて構いません。

今日やったこと。

次にやること。

気づいたこと。

うまくいかなかったこと。

試してみたいこと。

これだけでも十分です。

記録は、自分を責めるためのものではありません。

止まった後に戻るための地図です。

止まった時に戻る順番を決めておく


止まった後に戻る時は、順番も大切です。

いきなり大きな作業に戻ろうとすると、負荷が高すぎます。

だから、戻る順番を決めておく。

たとえば、こんな順番です。

まず、目的を見直す。

次に、理由を見直す。

次に、前回の記録を見る。

次に、最低ラインだけやる。

最後に、通常の型へ戻す。

この順番なら、無理なく戻れます。

いきなり作業量を戻すのではなく、まず目的に戻る。

なぜやるのかを思い出す。

どこまで進んでいたのか確認する。

小さく触る。

そこから、いつもの型に戻していく。

これは、継続の再起動手順です。

スマホやパソコンにも再起動があります。

調子が悪い時は、一度立ち上げ直します。

人間も同じです。

止まった後に必要なのは、自分を責めることではありません。

再起動の手順です。

戻れる仕組みがあると、休むことも怖くなくなる

戻れる仕組みがあると、休むことへの恐怖も減ります。

なぜなら、休んでも戻れると分かっているからです。

継続が苦しい人は、休むことを怖がります。

一日休んだら終わるかもしれない。

三日休んだら戻れないかもしれない。

一度止まったら、また続かなくなるかもしれない。

そう思うと、休むことすら不安になります。

でも、戻れる仕組みがあれば違います。

今日は休む。

でも、明日は最低ラインだけやる。

三日空いたら、記録を見る。

一週間空いたら、目的と理由に戻る。

そこから一行だけ再開する。

このように戻る道が決まっていれば、休むことは終わりではなくなります。

休むことは、停止ではなく回復になります。

もちろん、休んでばかりでは前に進みません。

でも、休むことを全部失敗にすると、継続そのものが苦しくなります。

大切なのは、休まないことではありません。

休んでも戻れるようにしておくことです。

継続力は、再起動できる力である

ここまでの話をまとめると、継続力とは再起動できる力です。

やる気がある時に動けることではありません。

やる気がない時。

疲れている時。

飽きた時。

結果が出ない時。

反応が少ない時。

一度止まった時。

その時に、もう一度戻れること。

これが継続力です。

第1話では、継続力とは意志の強さではなく、構造の問題だと話しました。

第2話では、継続には理由が必要だと話しました。

第3話では、目的に対して期限とゴールを決める話をしました。

第4話では、自分に合った続け方の型を選ぶ話をしました。

第5話では、脳が元の自分に戻そうとする話をしました。

そして今回、第6話では、止まっても戻れる仕組みについて話しています。

この流れで見ると、継続力とは単なる根性ではないことが分かります。

目的がある。

理由がある。

期限とゴールがある。

自分に合った型がある。

脳が戻そうとすることを知っている。

止まっても戻れる仕組みがある。

この構造があるから、続けられるのです。

まとめ

継続力とは、一度も止まらない力ではありません。

止まっても戻れる力です。

人は止まります。

疲れる日もあります。

飽きる日もあります。

結果が出なくて迷う日もあります。

何もしたくない日もあります。

だから、止まることを前提にしておく必要があります。

止まったら失敗。

ではなく、

止まる日はある。だから戻る仕組みを作る。

この考え方が大切です。

戻るためには、最低ラインを決めておく。

戻る場所を見えるようにしておく。

次にやることを残しておく。

記録を残しておく。

完璧に戻ろうとしない。

小さく再開する。

目的と理由に戻る。

こうした仕組みがあると、一度止まっても戻れます。

継続力とは、毎日完璧に続ける力ではありません。

揺れながらも、止まりながらも、また目的地へ戻る力です。

本当に続く人は、止まらない人ではありません。

止まっても戻れる仕組みを持っている人です。

そして、その仕組みを作ることが、継続力を才能として使えるようになる第一歩なのです。

これで、継続力編は終わりです。

ここまでの話を振り返ると、継続力とは気合いや根性ではありません。

継続力とは、

目的を決め、

理由を持ち、

期限とゴールを設定し、

自分に合った型を選び、

脳が元に戻そうとすることを理解し、

止まっても戻れる仕組みを作ることです。

つまり、継続力とは才能ではなく、設計できる力です。

そして、設計できる力なら、誰でも自分の中にインストールしていくことができます。

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