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「正論」は「暴論」にもなる

vol.1710

仕事をしていて気をつけているのは正論を語るときです。

(もちろん、プライベートでもそうですが)

その理屈が正しいほど、相手の反発も受けやすくなる…

どうして、そうなってしまうのか?

今日は、その理由と普段注意していることについて、お話ししたいと思います。

正論の正体

正論とは、そもそも何なのでしょうか?

辞書を調べてみると

道理かなっていて、が通っている意見主張
●一般的な価値観や規範から見て「正しい」とされる考え方

と書いています。

正しいことを言っているということは、相手が間違っていることを伝えているわけで当然、相手からすれば「聞きたくない話」でもありますし、「賛同したくない話」でもあるはずです。

ゆえに相手からすれば、なるべく理論の綻びをつくか、理想論として片付けてしまう可能性は高いでしょう…

少なくとも「こちらの事情をちゃんと理解していないで言っている」と思われやすいはずです…

それでは、相手にとっては暴論として受け止められてしまう…

ここで確認したいのは、正論を語ることは、相手「懲らしめたいことか」という問いです。

恐らく、この気持ちがある場合は、相手を怒らせるだけで終わってしまうでしょう。

なぜなら、人は「自分の自由や尊厳が脅かされた」と感じると、それに抵抗しようとする「心理的リアクタンス」という心の働きがあります。

ですから、こちらの正しさ逆効果になることが多い…

いやいや、懲らしめるつもりはないけど、分からせたいと思うのであれば、気づいてもらうための問いかけなどが有効かもしれません。

人は自分で出した結論には納得しやすいからです。

…とはいえ、そんなに人を簡単に変えることなんてできませんので、やはり仕事ならば、まずは進めている案件滞りなく動いていくことを重視した方が良いかもしれません…

ですので、正論をぶつける必要はないかもしれない。

その辺は冷静に判断しておきたいところです🤔

聴くことで正論が伝わる

その上で、相手の置かれている状況や考え、想いをしっかりと理解することも重要となります。

特にリーダー上司はそうです。

頭ごなしで自分の意見を主張しては、せっかくの信頼関係が粉々になってしまうでしょう…

以前読んだフォーブス【効果的なリーダーシップのカギになる「説得力と人とのつながり」】でも

「まずは私が、皆の意見を聞き、必要とされるものについて透明性を保つリーダーであり同僚である、とメンバーに実感してもらうことが重要だ」

と語っておりました。

〈Forbes JAPAN / 2022年10月10日〉

普通「説得力のある人」と聞くと

●理論構築のレベルが高い
●知識量が多く、饒舌

などのイメージが湧きますが、それ以上に「相手をちゃんと理解できる人である」と語られているのです。

実際、人は「自分を理解してくれている」と感じると、その相手への信頼好意が高まりやすくなる。

こうした関係を心理学では「ラポール」と呼びます。

そうなれば、相手も肯定的にこちらの話を聞いてくれるようになる。

よく「何を言ったか」より「誰が言ったか」という言葉を聞きますが、まさにそういうことなのです。

相手をちゃんと理解した上で、相手を最も傷つけない言葉で正論を発する。

正論は逆効果が生まれやすいだけに、それだけ慎重に伝えたいものです…😅

いずれにせよ、相手の話を聴き、理解することは欠かせない。

それを物語る話が、イギリスの元首相・ウィンストン・チャーチル伝説の演説です。

第二次世界大戦中の1940年。

当時、ナチス・ドイツは圧倒的で力でフランス・パリに向けて進行中でした。

そのとき、イギリス孤立無援状態

国内はナチスドイツとは戦うよりも宥和を図るべきだという世論が圧倒的に優勢でした。

魂の共鳴を起こす

一方で、ナチス・ドイツと相対することを選んだチャーチルは、このような演説をします。

私はこの数日、自分にとって、あの男(ヒトラー)と交渉し、宥和を勝ち取ることが私の政治家としての使命なのか、ということについて熟考してきた。しかし、いま妥協して小さな平和を勝ち取ることで、徹底して戦い抜いた場合よりも、良い世界が待っている、という考え方に、私はどうしても同意できない
長い歴史をもつ私たちの国が育んできた自由主義伝統価値をもし投げ捨てるのであるとすれば、それは安易な妥協によってではなく、喉に血を詰まらせて地に倒れ伏すまで、徹底的に敵と戦い抜いた後であるべきではないだろうか。

〈PRESIDENT Online / 2026年5月5日〉

この演説について、実業家の山口周さん

「チャーチルは単に「ヒトラーと戦うべきだ」という政策的主張をしているのではありません。彼は「長い歴史をもつ私たちの国が育んできた自由主義の伝統と価値」という表現を用い、イギリスという国家が数世紀にわたり積み上げてきた理念・価値観を持ち出しています」

と解説しています。

つまり、目の前の小さな平和という妥協を超えて、自分たちの歴史的使命とアイデンティティーに立ち返るよう、同僚の議員たちに呼びかけたのです。

イギリスが長い年月築き上げてきた大切なものを失ってしまうかもしれない。

ほかの議員がそう思ったことで、イギリスは今の未来を手にしたのです。

ここでの学びポイントは、自らの主張一番相手の心に届きやすい言葉にしたということ。

それだけ、相手の心を理解していなければできなかったことです。

やはり、説得力のある人ちゃんと人の話を聴く人であることが、ここでも証明されていますね😊

そもそも自分の正論が本当は正論じゃないかもしれません。

そうした謙虚さを持ちながら、今後ますます人間修行をしていきたいと思います〜

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!

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