ファミマの“間”
vol.1375
我が家の最寄りのコンビニはファミリーマートなのですが、同店にはコンビニにあってコンビニにはない魅力があると感じます。
その1つが「コンビニエンスウェア」でしょう。
2021年に誕生して注目を集めましたが、人気の火付け役となった靴下は、2024年10月の段階で2200万足売れています。
〈東洋経済オンライン / 2025年1月25日〉
ファミマのコンビニエンスウェアの取り組みには、業種を超えて学ぶべきヒントがあります。
〜ということで、今日はその知恵に迫りたいと思います。
「いいとこ取り」がカギ
都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家の
谷頭和希さんはファミマのコンビニエンスウェアの強さについて、2つのポイントを挙げていらっしゃいます。
1つは「売り場の面白さ」。
ファミマで代表取締役副会長、社長などを歴任した澤田貴司さんは(現在は退職済み)は、もともとユニクロを運営するファーストリテイリングの取締役副社長。
多彩なカラーバリエーションや、モデルを起用した商品POPなど、ユニクロ流を感じる面の売り場づくりが見られます。
そして、もう1つが「既存のアパレルとコンビニエンスウェアの『いいとこ取り』」であること。
これまでのコンビニエンスウェアといえば、緊急事態に買うぐらい。
そこを目的買いに変えるため、デザイナーの落合宏理さんに力を借り、アパレルブランドに匹敵する商品価値を生み出したわけです。
またハンカチは、質が高くて人気の「今治タオル」のハンカチを販売。
税込み660円で、わざわざ買いに行かなければ手に入らなかった今治タオルが、近所のコンビニで手に入るようになりました。
さらに、アパレルが度々行っているコラボレーションも積極的で
●Netflixの人気ドラマ「ストレンジャー・シングス」
プロ野球チームの
●読売ジャイアンツ
●福岡ソフトバンクホークス
さらには、
●音楽フェスティバル「フジロック」
とのコラボまで行っています。
そこに加えて、コンビニのもともとの強さである圧倒的な店舗数と、アパレルショップに比べてずっとお店に入りやすいという魅力を生かしている。
つまり、アパレルとコンビニの「いいとこ取り」しているということです。
自分たちのフィールドを生かす
この絶妙な「間」が大切で、イノベーションは異質なものを取り込むというのは一般的になってきましたが、実は自分たちのフィールドの価値の見える化をおざなりになってしまうことがあります。
ファミマの場合は、コンビニの強みを生かすことにも意識を尖らせている。
例えば、韓国の人気メイクアップブランド「hince」(ヒンス)と共同開発した新ブランド「hana by hince」からも、それは見えてきます。
〈Impress Watch / 2025年2月3日〉
こちらは、3月14日から全国のファミリーマート、約16,200店にて順次発売されるのですが、「hince」の品質はそのままに、手軽に試せるよう、低価格帯・ミニサイズで展開。
ベースメイクからカラーアイテムまで、幅広い商品ラインアップが揃う予定となっています。
この
「手軽に試せるよう、低価格帯・ミニサイズで展開」
というところが、まさにコンビニの「日常高いで、気軽に利用できる」というコンセプトが生きている。
このような「いいとこ取り」戦略で、既存店の平均日商は40ヵ月連続で前年超えを達成しているのです。
革新と本質の間に
こうした「いいとこ取り」戦略は、長寿企業にも見られる経営哲学にも通じます。
本質を捉えた上で、革新を呼び込む。
変えていいところと、変えちゃいけないことの間で絶妙に走り続けている様子が窺えます。
つまり、成功している企業は「間」が良い。
それは、革新と本質の間だけではなく、自社と顧客、現在と未来、理想と利益、一見するとトレードオフの関係になりがちなもの全てに当てはまるでしょう。
今回のファミマの事例をもとに、改めて私も自社の本質と革新について見つめ直したいと思いました😊
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!
