アスクシュタイン「ダートで輝き始めた原石」
牡馬・2022年生まれ(2025クラシック世代)
父:ドゥラメンテ
母:ヴィクトリアズワイルドキャット
母父:Bellamy Road
【概要】
芝のマイル〜中距離戦線で戦う栗毛、だったのだが、2025年の秋からダートのマイル〜中距離戦線へ急遽転向。2歳の頃は同期のクロワデュノールと並ぶクラシック候補に挙げられ、重賞でも実績を残していた彼の進路変更に栗毛ファン(私)はざわついた。
主に先行策を取ることが多いが、それでも最後の直線で鋭い末脚を繰り出すことができるのが彼の強さ。その力強さは芝でもダートでも変わらず、また位置取りが多少悪くてもひっくり返せるだけの爆発力を秘めている。
名前のアスクは廣崎利洋HDの冠名。アスクビクターモアやアスクワイルドモアのように「アスク〜モア」のイメージが強いが、アスクだけでも冠名。
シュタインはドイツ語で「石」。人名に用いられることも多くアインシュタインとかもその系譜。STEINS;GATEもこの系譜。
【過去レース時のブログ記事】
2024年 コスモス賞(2歳オープンクラス)
札幌競馬場/芝1800m/良馬場
1枠1番/2番人気/北村友一
488kg(-4)
結果:逃げ脚軽やか、単騎で先頭を守る。第3コーナーから後続に迫られるも粘り、最後の直線で再び突き放す。
(レース後のブログ)
アスクシュタインが勝ったコスモス賞はオープンクラスのレースながら2歳の出世レースとしても有名らしく、かつてこのレースで勝った馬には
1986年ゴールドシチー(後に阪神3歳S、今で言う阪神JFの勝馬)
1989年メジロパーマー(後に宝塚記念、有馬記念で勝利)
1999年チアズグレイス(翌年の桜花賞馬)
2000年ネームヴァリュー(後の帝王賞馬)
2003年ヤマニンシュクル(後の阪神JF馬)
2011年ゴールドシップ(後の2冠馬)
とG1馬が続々。近年でもモリアーナやエコロヴァルツといった重賞戦線を盛り上げる名馬が出ており、アスクシュタインの将来にも期待がかかる。
2025年 菅名岳特別(3歳以上2勝クラス)
新潟競馬場/ダート1800m/良馬場
2枠2番/3番人気/松本大輝
518kg(+20)
最終追切:15.3-13.7-12.5-12.1(栗東坂路)
結果:2番手追走から最後の直線できっちり伸びる。芝でもダートでも変わらぬ末脚を発揮し勝利。
(レース後のブログ)
→新たな道か、復活の布石か。
約1年前、2歳馬の出世レースの1つであるコスモス賞を勝利し有力馬への第一歩を踏み出したアスクシュタイン。その後、札幌2歳S 7着、ホープフルS 6着、弥生賞6着と惜しくも掲示板を逃す走りが続いた後で、毎日杯で4着と好走し復調の兆しを見せた。
そんな彼が、7ヶ月の休養明けに選んだ復帰戦は、まさかのダート。初めてのダート、かつ休養明けということもあって+20kgという馬体重は決して好条件とは思えない。実践感覚を取り戻させて、次かその次くらいの芝レースが本命かな?なんて思っていたのだが、彼の実力はそんな予想を遥かに上回っていった。
しっかりスタートを決めると、先頭を走るブーバーを捉え2番手で追走。最終コーナーで早々に先頭を捉えると、直線に入った途端さらにギアを一段階上げて後続を突き放しにかかる。後ろの方で脚を溜めていたアラレタバシルが追い上げてくるも、そんな差し馬と比べても劣らない末脚が、アスクシュタインにはあった。結局、3馬身ほどの差を残したまま、悠々と先頭でゴールイン。実践感覚を取り戻すどころか1年ぶりの勝利を挙げる見事なレースぶりだった。まあ、オープンクラスを勝てるレベルの馬なので条件戦では敵無しなのかもしれない。
そして、この勝利によって次戦がどうなるのか全然読めなくなった。馬体重増加を成長分として捉えて芝中距離戦線へ戻るのもよし。ダート適性の高さを見せたと考えて、このままダート路線に進むもよし。
父ドゥラメンテは先日の菊花賞でエネルジコが勝利したように、芝中距離〜長距離に強い産駒が多い。が、初期の産駒にはアイコンテーラーやヴァレーデラルナといったダートのG1級を勝った馬たちもいる。また、母ヴィクトリアズワイルドキャットもダートの重賞馬であり、その系譜からは金沢競馬のフレーズタルト、高知競馬のヴィクトリアダンスなど地方ダートで活躍している馬も多く、ダートに適応できる可能性は十分。
いずれの路線にせよ、松本大輝騎手が「かなりのポテンシャルがあるが、まだ力を持て余している」とコメントした、その実力を遺憾なく発揮できる舞台が見てみたい。
2026年 下鴨S(4歳以上3勝クラス)
京都競馬場/ダート1900m/良馬場
3枠4番/1番人気/坂井瑠星
524kg(+6)
最終追切:14.1-13.7-13.0-12.0(栗東坂路)
結果:進路を塞がれるも、一瞬のスキをついてトップに躍り出る、冴えた勝負感で勝利。
(レース後のブログ)
→王者は荒野を切り開く。
昨年10月、新潟で行われた菅名岳特別は衝撃のレースだった。
ホープフルSで6着、毎日杯4着と芝中距離戦線で高い期待を集めていたアスクシュタインが、7ヶ月の休養を経てダート戦線に初挑戦。いきなりの路線変更にファン(というか私)は驚いていたが、そんな声もどこ吹く風、後の3勝馬アラレタバシルに3馬身の差をつける余裕の快勝でダートデビュー初戦を勝利で飾ったのだ。
もともと血統的にはダートも走れそうだったとはいえ、いきなり参戦した2勝クラスでの余裕っぷり。実力の高さに震えた。そんなアスクシュタインがまたダートの舞台で魅せる。
レースは京都・下鴨S。内よりの3枠4番からスタート。序盤の第1コーナーあたりまでは砂を被ったか落ち着きのない素振りを見せていたものの、落ち着きを取り戻した中盤以降は最内の3~4番手を追走。
最後の直線、いざ仕掛けようというところだったが、最内にいたのが災いしたか前にも後ろにも横にも馬がいて完全に囲まれている状態になってしまい進路がない。そのまま馬群は着々とゴールに近づいていく。運がなかったか……と思ったその時。
強い栗毛は自ら道を切り開く。
ラスト100m、スパート合戦で僅かに空いた隙間に飛び込むとここぞとばかりに猛スパート。その少しの距離だけでも彼には十分。先頭を捉え、たった数秒の大逆転劇。タイム以上に強い勝ち方でオープンクラスへの昇格を決めた。強い……
ダートならお手の物な坂井瑠星騎手も「力が違う。上のクラスでも楽しみ」と高評価しており、ダート経験2戦ながら早くも重賞すら射程に捉えられる期待馬となった。
次戦はドバイのダートマイル戦、ゴドルフィンマイルに予備登録済み。いきなりの大舞台となるが、実は昨年もUAEダービーに登録しており、出走が叶えば2年越しのドバイ行きとなる。その気高い姿がドバイの地で輝くことを期待したい。
今はここまで。今後、活躍があれば更新されていきます。
