生成AIと著作権に関する疑問
※この記事は純粋に疑問を呈しただけである。
生成AIと著作権の件、Anthropicの裁判では海賊版書籍を大量に入手してAIの学習に使った(と思われる)ことが裁判の争点の一つとなっていた。この場合、正規に販売されている電子書籍を正規の手法で入手し、AIの学習に利用した場合は著作権法上、問題はないのだろうか。また、オープンソースの論文や記事などを特定の意図(文体の再現など)を持たずに学習させるのはフェアユースの範疇なのか。このあたりがどうもよくわからない。
混乱を生んでいるのが、AIサービス提供側が著作権に無頓着らしく見えること、フェアユースの概念が日本で知られていなさそうなこと、著作権の適用範囲が正しく理解されていないこと、現在進行中の著作権裁判の目的がよくわからないこと(クリエイターの保護が目的なのか、企業利益の保護が目的なのか)、日本では非当事者による感情的なバッシングで議論ができなくなっていること、など思い浮かぶものが多すぎる。
もしフェアユースが認められないと、我々の学習や表現活動に支障をきたすことになるし、「学習過程における練習としての模倣」や「先行作品へのオマージュ」と、贋作を目的とした「悪意ある模倣・複製」が区分できないと、やはり学習や表現活動に支障をきたす。
ここで「AIの学習はすべてダメ」とした場合、その理由の具体的な説明が必要だし、単純に禁止すると生成AIの開発や改良は暗礁に乗り上げ、技術的な後退を引き起こす。
このあたりの詳しい解説が欲しい。
一方で、先行する生成AIはインターネット上の情報を無節操に学習しているため、情報の質に問題があることと、学習過程でクリエイターが蔑ろにされている感は否めないことから、きちんとしたデータセットの作成とクリエイターへの対価支払いは必須であると思う。
ただ、とにかくフェアユースの概念が日本で知られていない・定着していないのは問題で、インターネット上を公共空間と見なす欧米と、そもそもインターネット上が開かれた空間という認識が欠けている日本では、すれ違いが起きるのは必然である。フェアユースの概念に従うと、著作権侵害に相当しない限り「無料かつ万人に公開されているコンテンツの利用は自由」なはずで、その模倣(オマージュではない)や剽窃、複製(私的利用のためのコピーを除く)以外の利用は制限されないと思うのである。
また、模倣や複製を意図しない学習が著作権侵害となるなら、我々がオープンソースのデータを子どもの学習に利用するのとAIの学習に利用するのとでどう違うのか説明が欲しいところだし、そもそも、デジタル化が進んだ時点で、現行の著作権および著作権ビジネスは破綻していたのではないかという思いも拭えない。
生成AIと著作権の関係を論じた記事はそれなりに見かけるのだが、どうも消化不良感がある。その一方で、ITmediaなどが生成AIの技術面の問題を積極的に取り上げているが、そこから議論や啓発に繋がっているかというと、そうとも言えない気がする(著作権問題以外に関心が向けられていない)。
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