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【講義レポート】落合陽一氏が読み解く、2026年の潮流。これからの人間の在り方とは。

こんにちは。TCA事務局の礒本です。

今回は2025 2ndに開催した、メディアアーティストの落合陽一さん×The Breakthrough Company GO代表・三浦による特別対談の内容をレポートします。

講義では、大阪・関西万博のパビリオン「null²」をはじめ、AI、クリエイティブ、そしてこれからの人間の在り方について幅広く語られました。
対談を通して印象的だったのは、AIやテクノロジーの話をしながらも、その根底には一貫して「人間とは何か」という問いが流れていたことです。

AIによってできることが増える時代に、私たちは何を磨くべきなのか。

本記事では、その中でも特に印象に残った内容の一部をご紹介していきます!

▼登壇者プロフィール

落合 陽一
メディアアーティスト。1987年生まれ、2010年ごろより作家活動を始める。境界領域における物化や変換、質量への憧憬をモチーフに作品を展開。筑波大学准教授、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)テーマ事業プロデューサー。写真集「質量への憧憬(amana・2019)」NFT作品「Re-Digitalization of Waves(foundation・2021)」など。2016年PrixArsElectronica栄誉賞 、EUよりSTARTSPrize受賞、2019SXSWCreativeExperienceARROWAwards受賞。Apollo Magazine 40 UNDER 40 ART andTECH、 Asia Digital Art Award優秀賞、文化庁メディア芸術祭アート部門審査委員会推薦作品多数。


AI時代に重要になるのは「良し悪しを見る目」


AIの進化によって、誰もが一定水準のアウトプットを生み出せる時代になりました。
文章を書くことも、画像を作ることも、企画のたたき台を考えることも、以前よりはるかに容易になっています。

そんな中で三浦さんは、「これから人間に求められる力は何か」という問いを投げかけます。

それに対して落合さんは、

「AIによって誰もが“ガチャを引ける”ようになる一方で、
その結果を評価する力がより重要になる」

と語りました。

どれだけ優れたツールが普及しても、「何を良いとするのか」という判断までは代替できません。

実際に受講者アンケートでも、
「AIは統計的に80点の正解を出すのが得意なので、1億点の傑作を見ていないと、80点のものしか作れないクリエイターに留まってしまうという話が印象に残った」
という声が寄せられていました。

これまでの時代は、作れる人や技術そのものが価値となっていましたが、現在はAIによって誰もが一定水準のものを作れるようになってきました。

だからこそ重要になるのは、
「何をつくるか」よりも、「何を良いと判断するか」。

どれだけ多くの優れた表現に触れてきたか。
どれだけ自分なりの美意識や価値基準を磨いてきたか。

落合さんのお話を聞きながら、AI時代のクリエイターやビジネスパーソンに求められるのはスキルそのものだけではなく、判断の質なのかもしれないと感じました。


null²は「弥生時代」がテーマだった?

対談では、大阪・関西万博のパビリオン「null²」についても語られました。

三浦:
この作品の最初の構想はなんだったんですか?

落合さん:
岡本太郎が縄文をやるんだったら、弥生時代をやろうと思ったからです。

対談の中で、三浦は弥生時代を「農耕が始まることで、反射の概念が生まれて、鏡を使うようになった時代」と説明していました。実際にnull²には、鏡や水面反射を思わせる表現が数多く取り入れられています。

話はAIにも広がり、落合さんは「AIとは人間の鏡」という捉え方を示します。

AIは人間が蓄積してきた知識や言葉を学習し、それをもとに応答を生成する。
だからこそ、AIについて考えることは、人間について考えることでもある。

弥生時代に人間が鏡を通して自分自身を見つめるようになったように、現代ではAIという新しい鏡を通して、人間そのものを見つめ直しているのかもしれません。

さらに
「文明は進歩している。でも人間は進歩していない」
という話題にも及びました。

AIをはじめとしたテクノロジーは日々進化しています。
一方で、人が喜び、悩み、誰かに認められたいと思うことの本質は大きく変わっていません。

万博の話を聞きながら、人間の原点について考えさせられる時間でもありました。


「かしこい」は人生のちょっとしたオマケ?


質疑応答では「人間に求められる能力」についての話が挙がり、落合さんは
「かしこいのは人生のちょっとしたオマケ」と語ります。

AIによってあらゆる知識へのアクセスが容易になり、これまで価値とされてきた「知識量」や「情報量」の差は、小さくなっていくのかもしれません。一方で、「自分の意思で動くこと」や、「興味を持ち続けること」の価値はむしろ高まっていく。

キャリアについて考えていると、ついスキルや知識の習得ばかりに目が向きがちです。私自身も、「どんなスキルや知識を身につけるべきなのか」を考えることが多くあります。

しかし今回の対談を通して、それ以上に「何に興味を持つのか」「どのような姿勢で向き合うのか」が大切なのかもしれないと感じました。


おわりに

今回の対談では、AIや万博、これからの人間の在り方など幅広いテーマが語られました。

本記事では、その中でも特に印象に残った内容をご紹介しましたが、本編ではさらに多くの示唆に富んだ対話が交わされています。

・なぜ落合さんは100日以上万博会場に通い続けたのか
・2026年の社会潮流と「虚構」について
・情報が溢れる時代に、あえて人がいない場所へ行く理由
・「面白そう」は人生の意思決定基準になり得るのか

などについても語られています。

講義の全編は「TCA UNLIMITED 」でご視聴いただけます。
14日間無料で利用可能ですので、ぜひお試しください!

【編集後記】
語られていたことをすべて書き留めたいと思うほど、濃厚な講義でした。
なかでも特に印象的だったのは、AI時代に重要になるのは「良し悪しを見る目」というお話です。AIの活用の幅が広がるほど、つい色々なことを任せたくなります。しかし、自分が全く明るくない領域の場合、出来上がったアウトプットが本当に現場で活かせるのか、判断がつかないのも事実です。だからこそ、今磨くべきは「AIを使いこなす力」ではなく「良し悪しを見極める力」なのだと痛感しました。
実際にGOでも、「とにかく良いものを見なさい」と言われることがあります。今回の講義を通して、改めて自分自身の判断基準を引き上げるためにも、名作や良作に触れ続けることの重要性を学びました。
本編では、さらに踏み込んだ具体的なお話が展開されています。ぜひ、ご覧いただけたら嬉しいです!(文:THE CREATIVE ACADEMY インターン 礒本みゆ)


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