#いつもの場所に座って #無償の愛
※このnoteは「#いつもの場所に座って」投稿用です。
2016年6月14日、
27歳の私は初めてその椅子に座った。
白い光に包まれた静かな空間。
その日の私はひどく緊張していた。
なにせ初めてのことなのだ。
右も左も分からない。
この後何が起こるのかも分からない。
そんな心配をよそに、
その日はたった15分だけ。
それからしばらく、
季節が変わる頃にその椅子に座る。
年に数回、たった15分ずつ。
2019年8月、
私の31歳の誕生日。
祝福の声とともに、
私は次のステージへと進んだ。
「おめでとうございます。」
小さな拍手と、優しい笑顔が広がっていた。
私はその日も緊張していた。
初めてとはまた違う、この気持ち。
今まで15分しか座らなかったのに、
50分も座っていられるだろうか。
そんな私を励ましてくれた彼女のこと、
今でもはっきり覚えている。
「大丈夫、今日はゆっくりでいいですよ」
その一言に私は救われた。
それからと言うもの、
その椅子は変わらず私のことを待っていてくれた。
周りから聞こえる穏やかな話し声と、
規則正しく響く、小さな音が心地良い。
疲れて寝てしまうこともあった。
仕事に追われていたこともある。
資格試験の勉強をしたこともある。
私の人生を、
その椅子は静かに見守ってくれていた。
2025年10月、ついに100回目。
初めてこの椅子に座ったあの日から9年。
緊張していた私は、もうそこにいない。
この椅子に腰を下ろすと、
不思議と心が落ち着く。
これまで出会ってきた顔を思い出し、
これまでの日々を懐かしんでいた。
この「100回」という数字は、
積み重ねてきた時間の証であり、
人と人をつなぐ小さな奇跡の数でもある。
そんなステキなことを思い起こさせ、
私にエールをくれる場所。
振り返ってみるとこの椅子は、
私に「無償の愛」を教えてくれた気がする。
この記事を書いている私は、
今日もこの椅子に座っている。
やわらかな白い光のなかで、
私は静かに深呼吸をした。
この椅子は私にとって、
「いつもの場所」になれているだろうか。
あなたにも、
そんな椅子が見つかりますように。
