Photo by
dekachiwa
お月様に見たかったこと
数年前の月食。冬だったと思う。ありったけの服を着て、毛糸の帽子をかぶって湯たんぽを背中に入れて、おなかにひとつ抱えて。外で一人、月を眺めた。
月食の最初から最後まで見られると聞き、2時間か3時間くらい。じーっと月を眺めていた。たしか夜、12時回ったような。
自分でもあほだなぁと時折、思い返しながら。ひたすら月を眺めていた。
1月31日だ。調べたら出てきた。
1月は年間の平均気温を下げている月。-14℃とか数件下の家の庭先で記録したこともある。
だからたぶんマイナス。ー3度とかー5度とかだったかもと思う。
冬は寒い分、空気がシンとしていて気持ちよく、その上、月はたいそう美しく見える。月明かりで地面にくっきりと影ができ、月の光に温度を感じるよう。つもった雪は寒さと月の明かりに照らされてキラキラと輝く。
月食だとか金環食だとか流星群だとか虹とかいうのがわりと好きで、嬉しくて「今日、月食だよ」「明後日流星群だよ」「金環食だって」「ハロが出てる」と人にも伝える。目的は知らずに見逃して「後で見たかった」と後悔しないように。
山に暮らし始めたころは外灯が届かない場所ということもあり、月も星もそれはそれは見事に見えて美しく、嬉しくて仕方なかった。
その嬉しい気持ちのまま伝えても大の大人たちは「見れたら見るわ。」的に食いつきはよくなく、自分一人がはしゃいで子供みたいで、みんな、興味ないのか迷惑なのかなとだんだん寂しい気持ちになった。
だから一人で月を見ていた。寒かった。綺麗だった。
今年は珍しく、その大人たち数人から「今日は月食だよ」と報せが来た。
なんだか嬉しかった。残念ながら該当の時刻、見上げた空は雲に覆われていた。雲の向こうのお月様を思い、noteの中で皆既月食。
私の見たかったお月様がいた。
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読んでいただきありがとうございます。
暮らしの中の一杯のお茶の時間のようになれたら…そんな気持ちで書いています。よろしくお願いいたします。