【ITリテラシーまんが|脆弱性から学ぶ】Microsoft 365 Copilot Searchの落とし穴 1クリックでも油断できない!?




Microsoft 365 Copilot Searchの落とし穴
AI検索は便利だけど、油断は禁物
今回は、Microsoft 365 Copilot Searchに関するニュースをもとに、ITリテラシーまんがを作りました。
2026年6月15日、Varonis Threat Labsが「SearchLeak」という攻撃手法を報告しました。
内容をざっくり言うと、細工されたリンクをきっかけに、Microsoft 365 Copilot EnterpriseのSearch機能が悪用され、メールやカレンダー、OneDrive、SharePointなどの情報が外部に送られる可能性があった、というものです。
Microsoft側ではすでに修正済みとされています。
なので、今すぐ過度に怖がる話ではありません。
ただ、今回のニュースには、AI時代のセキュリティを考えるうえで大事な教訓があると思います。
今回のニュースで何が起きたのか
CopilotのようなAI検索は、とても便利です。
たとえば、次のような情報を横断して探せます。
メール
カレンダー
OneDrive内のファイル
SharePoint上の資料
社内で共有されているドキュメント
仕事で必要な情報をすばやく探せるので、業務効率はかなり上がります。
ただし、便利ということは、それだけ多くの情報に触れる可能性があるということでもあります。
今回のSearchLeakでは、細工されたリンクをきっかけに、AI検索の仕組みが悪用される可能性が報告されました。
たった1クリックでも油断できない理由
今回の話で怖いのは、単に「怪しいサイトにログイン情報を入力してしまった」という話ではない点です。
イメージとしては、次のような流れです。
攻撃者が細工されたリンクを用意する
利用者がそのリンクをクリックする
Copilot Searchが裏側で情報を検索してしまう
メールや予定、社内ファイルなどの情報が集められる
その結果が外部に送信される可能性がある
もちろん、今回の件はMicrosoft側で修正済みです。
それでも、
「怪しいログイン画面に入力しなければ大丈夫」
「MFAを入れているから絶対安心」
とは言い切れない場面がある、という点は知っておいたほうがいいと思います。
MFAがあっても安心しきれないことがある
MFA、多要素認証はとても大事です。
これは今でも間違いありません。
ただし、MFAは主に「ログイン時の本人確認」を強くするための仕組みです。
今回のように、すでにログインしている利用者の権限や、アクセスできる情報が悪用される場合、MFAだけですべてを防げるとは限りません。
特に注意したいのは、次のような状態です。
共有フォルダが広く公開されている
「全員が見られる」設定が多い
退職者や外部メンバーの権限が残っている
認証コードや機密情報がメールに残っている
共有リンクが放置されている
OneDriveやSharePointの中身を誰も整理していない
AI検索は、その人が見られる範囲の情報を扱います。
つまり、見られる範囲が広すぎると、AIが扱える範囲も広がってしまいます。
Copilotが悪い、という話ではない
ここは大事なところです。
今回のニュースは、
「Copilotは危ないから使わないほうがいい」
という話ではありません。
むしろ、CopilotのようなAI検索は、正しく使えばとても便利な道具です。
問題は、AIを使う前提となる社内情報の整理や、権限管理が甘いままになっていることです。
AIを安全に使うためには、AIそのものだけを見るのではなく、次のような視点が必要になります。
誰がどの情報を見られるのか
その権限は本当に必要なのか
共有リンクは放置されていないか
外部メンバーのアクセス権は残っていないか
メールやファイルに機密情報を置きっぱなしにしていないか
AIが便利になるほど、こうした基本的な管理がより大事になります。
企業でも個人でも気をつけたいこと
今回の件は、中小企業だけの話でも、IT担当者だけの話でもありません。
Microsoft 365やAI機能を使っている人なら、企業でも個人でも知っておきたい内容です。
たとえば、個人でも次のようなことは見直せます。
重要な認証コードをメールに残しっぱなしにしない
OneDriveの共有リンクを確認する
使っていない共有設定を削除する
家族や外部の人に共有したファイルを見直す
AIに見られて困る情報を整理する
企業であれば、さらに次のような確認も必要です。
SharePointの権限設定
退職者アカウントの無効化
外部ゲストユーザーの棚卸し
共有リンクの期限設定
機密情報の保存場所の見直し
Copilotを利用できるユーザー範囲の確認
難しい対策から始める必要はありません。
まずは「見られて困る情報が、見えてしまう場所にないか」を確認するだけでも大きな一歩です。
今日からできるチェックポイント
AI時代の情報管理として、まずは次の順番で確認してみるのがよいと思います。
OneDriveやSharePointの共有リンクを確認する
「全員が見られる」設定になっているファイルを探す
退職者や外部メンバーの権限を見直す
メール内に認証コードや機密情報が残っていないか確認する
CopilotなどのAIが利用できる範囲を確認する
必要な人だけが必要な情報を見られる状態にする
セキュリティというと難しく感じますが、最初の一歩はかなりシンプルです。
「誰が、何を、どこまで見られるのか」
ここを整理することが大切です。
伝えたいこと
今回のCopilot Searchのニュースをきっかけに、AI時代の情報管理についてまとめました。
伝えたいポイントは、次の3つです。
AI検索は便利だけど、見られる情報が広いほど注意が必要
MFAだけで防ぎきれないケースもある
AIを安全に使うには、見せる情報の整理が大事
AIは止めるものではなく、正しく使うもの。
そのためには、まず「AIに見える情報」を整理すること。
今回のニュースは、企業でも個人でも、AI時代のセキュリティを考えるきっかけになる事例だと思います。
