第108回全国高等学校野球選手権大会 9日目
どうも、おはようございます。
昨日はロースコアの試合が続きました。近年にはよく見られるかなとも思います。昔のように打ち合いの試合は無くなりつつある印象です。派手な試合も面白いのですが。このあたりは時代なのか、野球自身の変革かもわかりませんね。
昨日は台風の影響も考慮し、第4試合を早々に中止。本日の第1試合に組み込まれました。ですので、今日が4試合。明日が3試合。そこからは4試合日が2試合。終盤に差し掛かりつつあります。ここからはスケジュールが厳しいチームもあるでしょうが、休養日も設けてありますし、各自万全な体制で試合に臨んでいただきたいところです。
それでは、本日もよろしくお願いいたします。
大会第9日 第1試合
東海大甲府(山梨)VS健大高崎(群馬)
【東海大甲府、鶴岡東との接戦を5-2で制す】
東海大甲府が鶴岡東を5-2で下し、初戦を突破した。初回に3点を先制すると、5回・7回にも加点を重ね、終盤の追い上げを振り切った。
打線は初回から爆発した。田中三士郎の適時二塁打、伊沢拓真の適時打、高田尋斗の犠牲フライで3点を先制すると、3-2とリードを縮められた直後の5回にも伊沢の適時打で突き放した。田中三士郎は4打数3安打・打率.750、伊沢も4打数2安打・打率.500、田中楓真も4打数3安打・打率.750と、地方大会通算で見せていた高打率をそのまま体現する結果を残している。伊沢は準決勝の同点打に続き、この試合でも勝負どころの一打を放ち、地方大会通算打率.476という数字通りの勝負強さを見せた。
投手陣は熊谷・村尾の継投で試合を作った。先発の熊谷は5回を投げて2失点、自責点2、防御率3.60とやや失点を許したが、継投の村尾は4回を無失点、被安打2・奪三振5と試合を締めくくった。地方大会で見せていた「村尾の負担を分け合う二枚看板」の役割分担が、初戦でもそのまま機能した形だ。
鶴岡東の反撃も4回・5回と中盤にあり、3-2まで詰め寄る場面があったが、東海大甲府はそのまま逃げ切った。打線の高打率と、熊谷・村尾の継投による安定感を初戦から示し、次戦へつなげる勝利となった。
【健大高崎、5回一挙6点の猛攻で八幡商を下す】
健大高崎が八幡商を7-1で下し、初戦を突破した。2回に豊永の適時打で先制すると、5回に大岩・岩井・神崎の適時二塁打などが飛び出し、一挙6点を奪う猛攻でリードを広げた。
投手陣は先発の石垣が9回を1人で投げ抜き、被安打4、与四球2、奪三振11、失点1・自責点0という完封に近い内容。地方大会で見せていた北田・石垣の二枚看板のうち、この試合は石垣が単独で試合を作り切った形だ。9回2失点までは危なげなく、11奪三振と圧倒的な投球内容だった。
打線は5回の集中打が光った。大岩がセンターへの適時二塁打、岩井がレフトへの適時二塁打、豊永・神崎がそれぞれタイムリーを重ね、一気に6点を積み上げた。神崎は5打数1安打・打点2、豊永は3打数2安打・打点3と、地方大会で見せていた主軸の勝負強さを初戦でも発揮している。岩井も2打数1安打・打点1で結果を残した。
投打がかみ合った健大高崎に対し、八幡商は先発・久保田が4回1失点と粘ったが、2番手・田上が3回2/3で6失点と大きく崩れた。打線も4安打にとどまり、9回に1点を返すのが精一杯だった。
石垣の完封級の投球と、5回の一挙6点という爆発力を初戦から見せた健大高崎。次戦に向けても、この投打の総合力がどこまで通用するか注目される。
【展望】
初戦を5-2で制した東海大甲府と、7-1と快勝した健大高崎。東海大甲府は田中三士郎・伊沢ら打線が地方大会通算の高打率をそのまま発揮し、初回から3点を先制する攻撃力を見せた一方、投手陣は熊谷が5回2失点とやや失点を許し、村尾がカバーする形だった。対する健大高崎は、石垣が9回1失点・11奪三振という完封級の投球を1人でやり切り、打線も5回に一挙6点を奪う爆発力を示している。
東海大甲府は田中三士郎、田中楓真ら4割超えの打線で、石垣の投球にどこまで食らいつけるかが焦点。一方の健大高崎は、大岩・岩井・豊永ら初戦で結果を出した打線で、熊谷・村尾の継投を序盤から攻略したいところ。投手陣の内容では石垣が一枚上手だが、東海大甲府の打線も初戦から高打率を維持しており、簡単には抑え込めない力を持つ。ともに打線に力のあるチーム同士だけに、点の取り合いも十分あり得る一戦。わずかながら、石垣の圧倒的な投球内容を評価して健大高崎を優勢とみたい。
大会第9日 第2試合
有明(熊本)VS長崎日大(長崎)
【有明、9回逆転の劇的勝利で甲子園初白星】
有明が立命館宇治との1回戦を6-3の逆転勝利で制し、甲子園初白星を挙げた。3点を追う7回、主将・永田の適時打で1点差に迫ると、そのまま迎えた9回、永田の走者一掃となる適時二塁打などで一挙4点を奪い、土壇場で試合をひっくり返した。
打線は永田が5打数2安打・打点5と大暴れ。7回のセンター前適時打で1点差に詰め寄ると、9回二死満塁からは中前2点適時打で逆転、さらに二塁からの盗塁と相手の悪送球も絡めてホームまで一気に還るなど、地方大会で見せていた打率.500・9打点という圧巻の数字通りの勝負強さを甲子園の初戦でも証明した。十文字も4打数2安打とチームを支えたが、それ以外の打者は苦しみ、5安打・4奪三振と全体的には静かな試合展開だった。
投手陣は工・斉藤の左腕二枚看板が試合をつくった。工は4回を投げて自責点1、斉藤も5回を投げて自責点1と、ともに大崩れしない内容。ただし斉藤は与四球2に加え、9回の逆転劇では相手の失策も絡んでおり、完全に抑え切ったわけではなかった。それでも地方大会で見せていた奪三振力の高さは健在で、5回で7奪三振と圧巻の内容を残している。
序盤から中盤にかけて相手投手陣に抑え込まれる苦しい展開が続いたが、終盤に勝負強さを爆発させて逆転した有明。「足を使わないと得点できない」という主将・永田の言葉通り、最後は機動力も絡めて試合を決めた一戦だった。
【長崎日大、18安打15得点で立正大淞南に大勝】
長崎日大が立正大淞南を15-1で下し、1回戦を大勝で突破した。2回に小池・太田の適時打で3点を先制すると、6回・7回にも3点ずつ加え、終盤まで攻撃の手を緩めず18安打15得点という大量得点で試合を決めた。
打線は多くの打者が安打を記録する猛攻だった。太田は6打数3安打・打点1、小池は5打数2安打・打点3と、それぞれ地方大会で見せていた高打率をそのまま発揮。竹内は4打数4安打・打点2の固め打ちで、地方大会通算では目立たなかった選手も勝負どころで結果を残した。上位から中軸まで途切れず得点を重ね、盗塁も絡めた機動力で試合の主導権を握り続けた。
一方、地方大会決勝で自己最速142キロをマークしたエース古賀は、この日は6回2失点、被安打2、奪三振8と好投。地方大会決勝ほどのインパクトはなかったものの、要所を締める安定感を見せた。継投の中村・池田も無失点で試合を締めくくり、投打ともに隙のない内容だった。
投打ともに圧倒的な内容で初戦を突破した長崎日大。分厚い打線の破壊力を見せつけ、次戦以降さらに勢いに乗れるかが注目される。
【展望】
9回に逆転劇を演じ、6-3で甲子園初白星をつかんだ有明と、18安打15得点の猛攻で立正大淞南を下した長崎日大。ともに勢いに乗った九州勢同士の対戦だけに、初戦の内容がそのまま両チームの持ち味を象徴している。有明は序盤から中盤にかけて相手投手陣に苦しみながらも、終盤に永田を中心とした勝負強さを爆発させた。対する長崎日大は序盤から一貫して打線が機能し、初回から終盤まで淡々と加点し続ける安定感を見せている。
有明は主将・永田が5打数2安打・打点5と大暴れした地方大会からの勢いをそのまま持ち込む。「被災地に勇気を与えるプレーを」という永田の言葉が象徴するように、熊本地震からの思いを背負って戦うチームだけに、数字以上の粘りを見せる可能性も秘める。ただ実力を冷静に見れば、長崎日大の打線は太田・小池・竹内ら上位から中軸まで隙がなく、初戦だけで18安打という破壊力は大会屈指。投手陣も古賀が6回2失点とまとめ、継投陣も無失点で締めており、投打のバランスでは長崎日大が一枚上手だ。ここは地力で長崎日大を優勢とみたい。
大会第9日 第3試合
青森山田(青森)VS東日大昌平(福島)
【青森山田、接戦を6-5で制して初戦突破】
青森山田が遊学館との1回戦を6-5の接戦で制し、初戦を突破した。初回に藤川の適時打で2点を先制すると、2回にはセーフティスクイズで1点を追加。3回には向井・木村の連続適時打で一気に2点を加え、序盤で6-0とリードを広げた。しかし4回に4点を返され、7回には1点差まで詰め寄られる苦しい終盤となった。
打線は初回から中盤にかけて着実に加点を重ねた。藤川の先制打に続き、2回は川久保のセーフティスクイズで1点を上乗せ、3回は向井・木村がそれぞれタイムリーを放って一気に突き放した。小刻みな加点と一発の両方を使い分け、地方大会で見せていた打率.400のチーム全体の勢いが初戦でもそのまま出た形だ。
投手陣は先発と救援で明暗が分かれた。先発の手代森は3回2/3で被安打4・失点4と、記録上の自責点こそ0だが実際には打ち込まれる場面が目立ち、大量リードを一時4点差まで縮められる要因となった。そこで登板した船橋は2回2/3を被安打0・1失点に抑えると、続く川久保も被安打3を許しながら無失点でまとめ、リリーフ陣が試合を締める形で逃げ切りにつなげた。
序盤の貯金を守り切って接戦を制した青森山田だが、先発・手代森が打ち込まれた点は次戦以降の懸念材料と言える。救援陣の踏ん張りに助けられた一戦であり、この継投のバランスをどう立て直すかが注目される。
【東日大昌平、わずか2安打ながら9回勝ち越しで甲子園初勝利】
東日大昌平が白樺学園を2-1で下し、初出場での甲子園初勝利を挙げた。この日チームが放った安打はわずか2本。それでも1回、一死満塁から入口の打球が野選となり、ヒットなしで1点を先制すると、6回に追いつかれる苦しい展開の中でも粘り、9回二死一二塁から入ケ町の勝ち越しタイムリーで再びリードを奪って逃げ切った。
打線は全体的に苦しみ、9回を通じて放ったヒットは金沢と入ケ町の2人のみ。金沢は4回に二塁打を放ち、入ケ町は9回に値千金の勝ち越しタイムリーを放った。それ以外の打者は軒並み無安打に終わり、地方大会で高打率を残していた渡辺・緑川楓麻らも抑え込まれた。数少ない好機を確実にものにした入ケ町が、この試合のキーマンとしての働きを見せた。
先発の照沼は9回141球を1人で投げ抜き、被安打6・与四球2、奪三振7、失点1・自責点1の力投で完投勝利。打線の援護がほとんどない中、粘り強く試合を作り続けたことも、辛勝を呼び込む大きな要因となった。
わずか2安打という乏しい打線を、入ケ町の一振りと照沼の完投が支えた東日大昌平。打線の低調さは次戦以降の明確な課題として残るが、接戦を勝ち切る勝負強さは初戦から証明した一戦だった。
【展望】
守備の乱れに助けられながらも打線の勢いで6-5と接戦を制した青森山田と、わずか2安打ながら照沼の完投と入ケ町の一振りで2-1をもぎ取った東日大昌平。ともに東北勢として初戦を乗り切ったチーム同士の対戦であり、東北対決という点でも注目のカードだ。青森山田は先発・手代森が実際には打ち込まれる場面が目立ち、船橋・川久保の救援陣に助けられての勝利。対する東日大昌平は打線がほぼ沈黙する中、照沼が9回141球を1人で投げ切る力投で試合をつくった。
青森山田は稲見・藤川・木村ら地方大会で高打率を残した打線で、照沼の粘り強い投球をどこまで崩せるかが焦点。一方の東日大昌平は、投打とも苦しんだ初戦の内容から立て直せるかが最大の課題で、金沢・入ケ町以外の主軸がどこまで目を覚ませるかが鍵となる。投手陣を見ると、青森山田は先発が打たれる不安を抱える一方、東日大昌平は照沼が9回を1人で投げ切った疲労も気がかりだ。ともに初戦の内容には粗さが残るが、打線の勢いと救援陣の踏ん張りを見せた青森山田を、わずかに優勢とみたい。
大会第9日 第4試合
大分商(大分)VS英明(香川)
【大分商、序盤のビハインドを跳ね返し6-4で日本文理を撃破】
大分商が日本文理との1回戦を6-4の逆転勝利で制した。1回・3回に先制点を許し、序盤は0-2とリードを許す苦しい展開だったが、5回に中野・菅原の適時打で同点に追いつくと、6回には杉山・萱島の連続適時打で勝ち越し、7回には伊東の適時打でリードを広げた。8回に2点を返されたものの、そのまま逃げ切っている。
打線は5回以降に一気に爆発した。杉山は4打数3安打・打点1と大暴れし、地方大会で見せていた打率.500近い勝負強さを甲子園でもそのまま発揮。萱島も打点1のタイムリーツーベースを放ち、中野は4打数2安打で出塁を重ねた。5回から7回にかけて計6得点を挙げる猛攻で、逆転の原動力となっている。
投手陣はエース平田玲翔が3回途中から救援登板し、7回98球を投げて2失点、被安打5・奪三振4とまとめた好投で試合を締めた。先発の米田は2回で2失点と苦しんだが、平田への継投が的中し、地方大会で見せていた「米田が試合の入り口を作り、平田が仕上げる」役割分担がそのまま機能した形だ。平田は投げながら打者としても存在感を見せ、投打二刀流の強さを初戦から証明している。
序盤のビハインドをはねのけ、中盤以降の集中打と平田の粘投で逆転勝利をつかんだ大分商。地方大会で積み上げてきた打線の勢いと継投の完成度を、初戦から如実に示した一戦だった。
【英明、冨岡の9回完投で関東第一に4-1で勝利】
英明が関東第一との1回戦を4-1で制し、初戦を突破した。初回に先制点を許す苦しい立ち上がりとなったが、3回に相手の失策も絡んで同点に追いつくと、その後は互いに得点が動かない緊迫した展開が続いた。動いたのは7回。松原の走者一掃タイムリー二塁打で一気に3点を勝ち越すと、そのままリードを守り切った。
先発の冨岡は9回104球を1人で投げ抜き、被安打3・与四死球0、奪三振6、失点1・自責点0の快投で完投勝利。与四死球ゼロという制球の良さもあって球数を抑え、9回を通じてわずか3安打に抑える圧巻の内容だった。地方大会決勝では延長10回・180球を要する完投を演じたが、この日は無駄のない投球で早いテンポの完投勝利となり、投手を軸にした英明のチームカラーを初戦から証明する内容だった。
打線では3番・松原が4打数3安打・打点3と大暴れ。地方大会で見せていた打率.500の勝負強さをそのまま発揮し、1回に先制打、3回にも安打を放ち、そして7回には勝負を決める走者一掃の一打を放った。1打席1打席で結果を残し続けた勝負強さが際立つ内容だった。吉川も2安打を放ち、上位打線がしっかり機能した一戦でもある。
投打がかみ合い、初戦を危なげなく突破した英明。冨岡の安定感と松原を中心とした勝負強い打線を、初戦から遺憾なく発揮した内容だった。
【展望】
序盤のビハインドを跳ね返し6-4で日本文理を撃破した大分商と、冨岡の完投で4-1と関東第一を退けた英明。両者ともに、地方大会決勝で経験した長丁場の熱戦とは対照的な、それぞれ異なる形の初戦突破となった。大分商は米田・平田玲翔の継投で試合を作り、5回以降の集中打で逆転する勝負強さを見せた。対する英明は冨岡が四死球0で9回を104球のみで完投し、地方大会決勝の180球完投とは違う、無駄のない投球で試合を締めている。
大分商は杉山・萱島ら中盤に爆発した打線で、冨岡の制球力にどこまで対応できるかが焦点。一方の英明は、松原を中心とした上位打線で、平田玲翔の粘投をどこまで崩せるかが鍵となる。投手陣を比較すると、四死球0で完投した冨岡の安定感が際立つ一方、大分商は平田が2失点でまとめつつも米田がやや不安定だった。打線の破壊力では大分商も侮れないが、投手力で一枚上手な英明を、ここは優勢とみたい。
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