伊藤美来がインタビュー🖊️KAZOO&Smile 紗季<後編>
伊藤さんをデビュー当時から見守り続けてきた振付/演出のKAZOOさん、そしてバックダンサーとしてステージを共に支えてきたSmile 紗季さんの逆インタビュー<後編>をお届けします。
「Birth of Pops」バンド編成の解放感
伊藤:『Birth of Pops』が、ここにきて初のバンド公演っていうことだったんですけど。演出に入っていただいて感じたこととかあれば教えてください。
KAZOO:世界観の縛りがなくなったから、伊藤美来が素の……素のっていうか、一人の女の子としてやってた。俺の中では女の子なんだけど(笑)。今まではテーマを作る、世界観を作るっていう方に重視してたのが、それがなくなった瞬間に、その時の感じたものをそのまま出すんだな、っていうのが見えたかな。
ステージにはもう伊藤さんとバンドさんしかいない。セットが取っ払われた瞬間に、「歌うことが楽しく見えた」。他の公演は楽しくなさそうって意味ではなくて、普通に歌って、音聴いて歌ってお客さん見て、ちょっとこう踊ったり手拍子したりするのが客観的に「あ、楽しそう」って。
伊藤:確かに、自由でした。
KAZOO:そう、広い草原に、はい、走っておいでー!って(笑)。
伊藤:犬だ(笑)。
KAZOO:衣装とかもそれがあったのかな。世界観を守るための衣装じゃなくて、なんかこうバンドだからこれ着てみたい、あれしてみたいっていう衣装を選んだこともあって、それも全部まとまってそうなったのかもしれないけど。実際に会場に来た人は得だったなと思っちゃったんですよ。今、楽しんでる姿を見せてる感じ。

伊藤:確かに、フリーで音楽にノって動いてっていう時間が多かったので、すごい不安だったんですけど(笑)。この間奏何しよう、回ったらいいのかな、みたいなのがあったけど。でも本当、今、このライブのこの瞬間にしかもう出せないもの、みたいな感じでした。同じことやれって言われてもできない。振付があるわけじゃないし。
Smile 紗季:私も観に行かせてもらったんですけど、さっきの多幸感の答え合わせ(前編参照)がここでできた!
KAZOOさんが言ったみたいに括りがなくなったから等身大のみっくがちゃんと観られて。演出やテーマが違うから変な意味で取らないでほしいんだけど、「みっく、ダンサーいなくても大丈夫じゃん!」って思えたんですよ。歌だけでできるじゃん、って思ったのがこのライブというか。伊藤さんが1個上に行ったなって。
伊藤:アーティスト的にですか?
Smile 紗季:そうそう。あと、今まで聴いてきた曲がバンドになった時の生音っていうのもそれはすごく観て聴けて良かったし、すごく良い機会でした。
実は初回のバンドリハの時にさ、ちょっと顔出して。もうガチガチだったじゃん(終)
伊藤:もう終わりかもしれないみたいな(笑)。
Smile 紗季:真ん中でさ、なんかすごい心細い感じでさ、とにかく前だけを見て歌おう、みたいな感じだったから。「振り返って後ろ見て、バンドメンバーさんとか見ていいと思うよ」みたいな感じで言ったんだけど。
伊藤:それがちゃんと私の心に響いてました。
Smile 紗季:ダンサーが最初に付いたときもみっくの気持ち的には同じだったんだろうなって。ここで顔合わせてねっていう場所を作ってもらったから踊りとして自然にできてたけど、じゃあバンドでみんな他の人は演奏してて自分も歌ってて、ってなったら、そりゃまあ難しいよね。見ちゃっていいんじゃない、って言ってその日は帰ったんだけど(笑)。でも本番でそれがちゃんと形になってたのが、頑張ったんだなあって。
オススメしたい1曲
伊藤:私を知らないダンサー仲間の方とか、ライブ演出をこれからやっていきたいなみたいな人に、私のライブの曲の中で「この曲見てほしい」という1曲を選んでもらえますか?
Smile 紗季:候補は2曲に絞ってきました。
KAZOO:1曲に絞るのはすごい難しいんだけど『BEAM YOU』かなぁ。
Smile 紗季:自分が出てるものとしたら私も『BEAM YOU』。
KAZOO:異色な内容なんだよな、あの箱演出。
Smile 紗季:それと同じ理論でもう1曲は、自分は出てないけど『パスタ』なの。ダンサーで呼ばれてパスタ運ぶことなんてないじゃないですか。
伊藤:食べてるし(笑)
Smile 紗季:そう。だからダンサーで呼ばれて、箱動かしてだの、パスタ運んでだの。さっきのKAZOOさんの話で、踊りは練習したら踊れるようになるけど、じゃあそういうものを持っていく間とか、パスタを置くって言った時にどういう気持ちを表現して置く、とか。箱の運び方とかも、なんかこう「よいしょ」って言って運んでいいわけじゃないよね、とかを思うと、その今までやってきたみっくのライブでもなんか考えたらそういうところってすごく重要、な気がするから。私はこの2曲かな。
伊藤:なるほど。
KAZOO:縛りだらけなんだよね、『BEAM YOU』っていうパフォーマンスの仕方が。ライブだからもうハッチャけて好きに、じゃなくて。もう絶対に「ここは必ず守りましょう」みたいな動きとかがあって。
Smile 紗季:今までで一番やることをが決まってたかも。
伊藤:うん、うん。音とか場所も。
KAZOO:だから逆に言うと「あれができちゃったんだ」って思っちゃったんだよね。特殊でした。ダンサーの表情とかにも全部細かいチェックが入ったのはあの曲だけだったかな。運び方、歩き方までずっと直していたんで。
伊藤:箱も結構重かったですし。
Smile 紗季:MVの世界観みたいなのをそのまま出したのがあれだったから。
KAZOO:さっきの紗季の『No.6』の話と真逆で。MVで作られた世界観をリアルにするにはどうしようか、だったから、MVを引っ張ってきてそのままライブにしようかなっていう風な意識が強かったから。
伊藤:たまにあるんですよね、そういうのが私の楽曲。『vivace』とかもそうなんですけど。MVで正解の雰囲気が出ちゃってるからこれしかないよね、みたいなのをKAZOO先生に「どうか!何卒、何卒これを!これをここで生でできませんか!」みたいなのを要望することが結構ある。
KAZOO:作り手には見せたいのは、「こういうことをライブでやれる子なんだよ」もそうだし、「これを受け入れてくれる環境が整ってるんだよ」っていうことかな。「俯いて箱持って歩いてください」って演出したら、普通だともう少しパフォーマンスに寄せてくださいになるんだけど、それを作っていいですよ、って言ってくれる感じ。
伊藤:そこはお二人一致しているんですね。
伝わるパフォーマンスへの到達

伊藤:最後に、これからステージに立つ私に対して期待することや、こうしてほしいなみたいなことってありますか?
Smile 紗季:これから期待することとしては、伊藤さんって結構男前だと思うんですよ。
伊藤:ええー?(笑)
KAZOO:わかる、わかる(笑)。
Smile 紗季:だから、今までの爽やかポップスだけじゃなくて、『Born Fighter』みたいな男気のあるロックな伊藤さんを見てみたい。一緒にヘドバンしたい(笑)。
伊藤:それは一緒に立つダンサーSmile紗季としてなんですか?
Smile 紗季:一緒にやりたいっ!流行り廃りのない、ずっと歌っていける曲っていうのがみっくの音楽のテーマにあって、懐かしい気持ちにはなるけど、その前のアルバムとか前のライブとか聴いても時代の流行りみたいなものを感じないで聴けるから、どの世代の人にも聴いてもらえるんじゃないかなって。
身内の話だけど、うちの母がいつも『Now On Air』を聴いて洗濯物干しているっていう(笑)。
伊藤:ちょうどいいんだ(笑)

Smile 紗季:ちょっと元気出ないな、みたいな時にみっくの曲聴いて元気になれるんだ、みたいなのを言っていたりとかしてて。世代を問わずに聴いてもらえるみっくの楽曲ってすごいなって。
伊藤:ありがとうございます。
KAZOO:急に真面目じゃなくなっていい?最後。……私、出たいんですよ。
一同:(笑)
KAZOO:俺、久しぶりに、「あ、この子のステージに俺も立ちたいな」ってこの前思っちゃったんですよ。
一同:おおー!
KAZOO:だからなんか出してください。頑張って踊ります。期待したいことっていうか、そのぐらい伊藤美来さんっていうアーティストは、楽しいものを表現する人になったなと思って。僕の中で、かなり稀有な存在ですね。
Smile 紗季:KAZOOさんが出たいってなかなかないから。でも確かに『傘の中でキスして』の振りを作ってリハしてるときめっちゃ楽しそうだった(笑)。映像撮るときとか「やっぱそうだよね!」とか「そうなるよね!そうだよな!」とかって言ってテンション上がって作ってた(笑)。
KAZOO:出たいなって思ったのは『Birth of Pops』を観たときで。チームの制作準備を見ていて「すごいな、この期間でここまで持ってくるんだ」って思った時に、一緒に表現したいなって思っちゃった。
伊藤:私がプルプル震える子鹿だったから。
KAZOO:以前のステージで披露した時は歌うだけで精一杯です、だったのが、今では歌って表現できてまだ余裕あるんだから新しく振り付けよう!ってなるじゃない。
なので出してください(笑)。
伊藤:その時はオファーさせていただきます!
一同:ありがとうございましたー!
