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リーダーは自信家か?謙遜すべきか? | 自信と謙虚さを両立させる方法

序章|「いい人」だけでは、信頼されない

「課長って優しいけど、なんか頼りないよね」

チームマネジメントサポーターNoriです。
以前、とあるチームの若手メンバーが、そんなふうに話しているのを耳にしました。

その課長は、部下の話にしっかり耳を傾け、相手を否定しない姿勢を持ち、
どこか“謙虚な人”という印象を与えていたようです。

しかし同時に、意思決定は曖昧で、チームの方向性を自分の言葉で語る場面はあまりなかったといいます。

結果として、「人柄は良いけれど、背中を預けたいとは思えない」という評価に落ち着いていました。

ここで、あらためて問いかけてみたいと思います。

リーダーは、自信家であるべきなのでしょうか?
それとも、謙遜すべきなのでしょうか?

この問いには、単なる性格の話にとどまらず、
日本社会に根づく「謙遜文化」とリーダーシップの関係性が深く関わっているように思います。

いま一度、このテーマに向き合ってみたいと思います。


第1章|謙遜型リーダーと自信家リーダー


リーダーシップには、さまざまなスタイルがあります。

たとえば、
部下に対して常に「自分なんてまだまだです」と謙遜し、相手を立てるタイプ。
あるいは、
自分の考えをはっきりと語り、「こうすべきだ」と明確に方向を示すタイプ。

前者のリーダーは“いい人”として好まれやすいかもしれません。

ただ、その“謙遜”が行き過ぎると、部下は「この人、本当に大丈夫なのかな?」と感じてしまうこともあります。

一方で、後者のように“自信家”なリーダーに対しては、
「頼りになる」「引っ張ってくれそう」と感じる人もいます。

しかし、あまりに強引すぎると、「傲慢だ」「人の話を聞かない」といった反発も生まれやすい。

どちらが正解かとは、単純には言い切れません。

ですが少なくとも、「人当たりの良さ」だけでは、リーダーとして信頼を得るには不十分であることは間違いありません。


第2章|なぜ「謙遜家」という言葉は存在しないのか?


ここで少し、言葉の違和感から考えてみましょう。

私たちは「あの人は自信家だ」とは言います。

けれど、「あの人は謙遜家だ」とは、あまり言いません。
いや、ほとんど聞いたことがないのではないでしょうか?

それはきっと、「自信家」は“在り方”を表すのに対して、
「謙遜」は一時的な“ふるまい”だからです。

謙遜とは、「本心ではそう思っていなくても、自分を下げて見せる」ことで空気を和らげる技術でもあります。

たとえば「いえいえ、私なんて全然…」という日本的なやり取りは、
その最たる例です。

つまり謙遜は、その人の人格や価値観というよりも、その場の空気に応じた“演技”であることが多いのです。

それゆえ、「謙遜家」という言葉は成立しにくい。

裏を返せば、「謙遜」は信頼を生む“在り方”ではなく、場を整える“ふるまい”にすぎないとも言えるかもしれません。


第3章|謙遜と謙虚のちがい


「謙遜」と似た言葉に「謙虚」があります。
この2つ、同じように使われがちですが、実はまったく意味が異なります。

簡単にまとめると、こんな違いです。

謙遜は、自分の価値を一時的に下げて見せることで、相手との関係を円滑に保とうとする“ふるまい”です。

一方で、謙虚とは、「自分にはまだ知らないことがある」「他者から学ぶ余地がある」という内省的な“在り方”です。

そして大事なのは、謙虚さは、自信と矛盾しないということ。

むしろ、自分の強みを理解し、自信があるからこそ、他者から学ぶ姿勢を持てるのかもしれません。

リーダーにとって必要なのは、謙遜ではなく、謙虚さと自信のバランスではないでしょうか。


第4章|成功するほど、リーダーは感情に鈍くなる?


ここで少し話題を広げて、ある論文をご紹介します。

ハーバード・ビジネス・レビューに掲載された「Why Leaders Ignore Employee Emotions(リーダーはなぜ、従業員の感情を無視してしまうのか)」という記事があります。

この論文では、次のように語られています。

「業績に集中しすぎると、リーダーは従業員の感情に注意を払う余裕も動機も失っていく」

つまり、成果を出そうとすればするほど、「人の気持ちに関わる」時間もエネルギーも持てなくなる。

リーダーが組織で高いポジションに行けば行くほど、“感情から切り離された思考”に偏ってしまうというわけです。

これは、まさに現代のリーダーにとっての落とし穴ではないでしょうか。

自信があるリーダーほど、その自信ゆえに人の気持ちに目を向けなくなる──
そんな状態は、“傲慢さ”という無自覚の副作用を生み出してしまいます。

だからこそ、自信には“謙虚さ”が必要なのです。

そしてそれは、数字や成果を語るだけではなく、感情の機微に触れられる在り方が求められているということでもあるのだと思います。


第5章|謙虚な自信を持つということ


それでは、謙虚な自信とは、どのようなものなのでしょうか。
ここでは3つのポイントに整理してみたいと思います。


1|自信の根拠を「実績」ではなく「信念」に置く

成果があるときだけ自信がある──
そんなリーダーは、うまくいかなくなった途端に信頼を失ってしまいます。

大切なのは、「どんなときも自分が信じる方向を語れること」。
軸を持っている人の言葉は、状況に左右されずに響きます。


2|謙遜ではなく、謙虚に語る

「自分なんてまだまだです」ではなく、
「私はこう考えています。ただ、まだ学び続けている最中です」という言葉のほうが、ずっと誠実で強さがあります。

自信と謙虚さは、排反するものではないのです。


3|問いかける姿勢を持つ

「俺が正しい」ではなく、
「私はこう思うけれど、あなたはどう思いますか?」というスタンス。

謙虚な自信とは、自分を信じながら、他者も尊重できる力だと考えたいのです。


終章|リーダーの“在り方”が、空気をつくる


リーダーは、その“在り方”で空気をつくります。

謙遜しているふりをしていても、そこに自信がなければ、言葉は届きません。
逆に、自信だけが前に出てしまえば、周囲は委縮してしまう。

いま、求められているのは、感情に触れられる強さではないでしょうか。

成果を出す力も必要です。
けれど、それだけではチームはついてこない。

自分を信じる力と、他者の声に耳を傾ける力。
その両方を持つことが、「謙虚な自信」という在り方につながるのだと思います。


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👤 執筆者:Nori(チームマネジメントサポーター)
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