建築家・内藤廣 赤鬼と青鬼の場外乱闘 in 渋谷に行ってきた
8月15日(金)、手羽は

久しぶりに渋谷へ。
渋谷は車ではよく通るんだけど、降り立つことはほとんどなく、minnaの15周年展以来だからほぼ1年ぶり。
ずっと工事中で、来るたびに地形が変わってる街。
目的地は東京ストリームで、何しに来たかというと、

建築家・内藤廣 赤鬼と青鬼の場外乱闘 in 渋谷
会期:2025年7月25日(金)-8月27日(水)
時間:11:00-20:00
会場:渋谷ストリームホール
入場料:一般 1500円、大学生以下 1000円、未就学児 無料
タマビ・内藤廣学長の展覧会をやってるんです。
2023年に島根県立石見美術館で開催した展覧会の巡回展で、島根に行くかどうか結構迷ったんですが、渋谷で見ることができた。

恥ずかしながら建築家の名前はほとんど知らなくて、「内藤廣」という名前を初めて認識したのは、2014年に
東京デザイン会議2014「都市x情報x移動の未来を考える」
というイベントを東大に聞きに行った時でした。オリンピック招致決定で盛り上がってる時ですね。
本当の目的は「磯崎新さんと妹島和世さんの座談会、原研哉先生、田川欣哉さん、深澤直人先生の講演を聞きたかったから」だったんですが、その時に渋谷再開発の話をされてたのが内藤さんで。
ちなみに、2013年に東京デザイン会議の前身である「東京大会デザイン2020フォーラムオープンセッションvol.01」をミッドタウンホールで聞いてしまったのが運のつきで、その後も参加してたら日本デザイン振興会さんから「全部参加してるのは関係者以外だと手羽さんだけですね。だったらムサビでもやりましょう」となり、
こういうイベントを開催する流れになりまして。
しかし、UNDER-35の登壇者を改めて見ると、矢後直規さん、小林幹也さん、角田真祐子さん、伊藤友紀さん、伊賀千恵さん、加藤晃央さん、池澤樹さんと今もバリバリに活躍されてる方ばかりだ。
・・・脱線しすぎました。本題に戻ります。

内藤学長の学生時代から代表作まで展示されてて、

早稲田生時代の課題や卒業生制作も。しかしよく取ってあるなあ・・。

客層は建築を勉強してる学生さんっぽい方が多かった印象。
基本的な展示の構成は、

こういう形になっていて、

前方に模型があり、

その後ろに青焼き図面があって、

そこに内藤学長の心の中にいる「赤鬼」と「青鬼」による対話でバックボーンなどが解説されてます。
赤鬼と青鬼は

赤鬼が夢想型で、青鬼が現実型という位置づけですね。
これがかなりぶっちゃけた内容で書かれてて、ここではあまり載せない方がいいような内容も多く、ギリギリのところだと、

「安藤さんなら打放しコンクリ、隈さんならルーバー、妹島さんなら布みたいなフォルムというブランドイメージを背負わされてて、本人たちも迷惑してるんじゃないかな」とか。
こういう解説文って思い出話だけになりがちだけど、さらにそこに関係者や亡き師匠などの亡霊が会話に入ってきて、つい読みこんでしまいました。
「読める建築展」とでもいいますか。
面白いのは、

コンペで負けて実現できなかった落選作品「Unbuild」も包み隠さず展示されてること。
赤鬼・青鬼が「なんで採択されなかったんだろ?」と反省したり、役所への文句や関係者への恨み節などを語ってたりするんです。


明治神宮ミュージアムのコンペで隈研吾さんに負けてるんですが、「交通動線の処理とか隈さんはやっぱりうまい。その視点が自分たちになかった」と敗因分析をされてたかと思えば、

「こんな市庁舎ができたら画期的だったはずだったんだけどなあ」と愚痴が書かれてたり、かなりのぶっちゃけ(笑)
もちろん採用された設計も多いから落選作品を紹介できるわけで、ここからは実際に設計されたもの。








内藤学長は「高田松原津波復興祈念公園 国営追悼・祈念施設」を始め、復興関連の施設を多く設計されてる印象。


最近だと7月に開館したばかりの「黒柳徹子ミュージアム」があります。

重なる屋根が「玉ねぎヘア」をモチーフにしてるとニュースでも取り上げられてましたね。
内藤建築は手羽もいくつか見たことがあって、まず高知の牧野富太郎記念館は

去年訪問してます↓
高知出張レポート後編1 #坂本龍馬記念館 #高知県立牧野植物園 #らんまん

日向市駅は

こちらも去年チェックしてる↓
【人ありて技術】宮崎県立佐土原高校と日向市駅に行ってきた

赤鬼・青鬼が「野外ステージの根元の鉄ポール部分が想定以上に錆びてしまった。どうやら犬の散歩コースになってて、犬がおしっこをかけ続けたからじゃないか(要約)」と語ってた。地域に溶け込んだ建築だとこういうこともあるんですね。
6階は、「渋谷」と「益田」を巨大模型で比較展示しています。

こちらは「益田」エリア。

グラントワは、島根県益田市有明町の芸術文化施設。
赤鬼青鬼の会話パネルで知ったんですが、

昭和40年代に現益田市長が国会で地域の現状を訴える際、「過疎」という言葉を初めて使ったんだそう。「過疎」ってかなり新しい単語だったんだなあ。そこから益田市は「『過疎』発祥の地」と呼ばれてるんですって。

壁向こうは「渋谷」エリア。

益田市と同じ700m四方の1/200広域模型で作られていて、「過疎の益田」と「過密の渋谷」の比較ってことですね。



内藤学長が渋谷再開発でされたのは設計というより監修やルール作り。
上述の東京デザイン会議2014で内藤学長が「通常、デパートなどでは店内を歩いてもらうためにエスカレータは建物の奥側に配置するけど、渋谷を便利に移動してもらうためにエスカレータを手前側に配置するようルール化した」とおっしゃっていたのを今でもはっきり覚えてます。
これも「デザイン」。
で、渋谷同様、現在進行中「Ongoing(実現予定の建物)」の建築模型も展示されてます。

さ。ここまでが全て自分の中では前置きです(えっ)
本当はこれが見たいからやってきたんですよっ!!

建設中の多摩美術大学上野毛校舎の新棟・講堂!
美大愛好家ですもん!当然でしょ!!

かなり別格扱いになってて図面も大きいし、内藤学長による動画も上映。



これは講堂の模型で


以下、赤鬼と青鬼を対話をご覧ください。




学長依頼が先だと思ってたけど、設計が先だったんですね。
発注者と受注者が同じになってしまうので、そのあたりの手続きはちゃんと整理されたそう。
タマビ関係者は全員行ってると思うけど、ムサビ関係者も見るべき展覧会っすね。

内藤学長の関係図。
あ、そうだ。内藤学長は他でも展覧会をやっていて、
建築家・内藤廣 なんでも手帳と思考のスケッチin紀尾井清堂
こちらは9月30日(火)まで。
そして本日8月18日(月)は、

日経ホールで講演会が開催されますよ。
ぜひ!!

「渋谷はどんな街に成長していくのか」なんて思いながら次の場所へ。
以上、同じ日に

こっちにも行ったんだけど、それは後日レポート書きます、の手羽がお送りいたしました。
