GWの道北 山はパステルカラー
ゴールデンウィーク(GW)の前後から、北海道の山では色とりどりの花が咲きはじめます。道北に用事のあった先日、国内最大級のカタクリ群落で知られる突哨山(とっしょうざん)に立ち寄る機会がありました。この時期だけのパステルカラーに包まれた山道の様子を紹介します。

突哨山は旭川市と、同市北部の比布町(ぴっぷちょう)にまたがる標高239メートルの丘陵地。旭川中心部から稚内へと続く国道40号沿い、比布町に入る手前左側に散策用の公共駐車場はあります。到着したのは昼過ぎでしたが、駐車スペースにはまだ空きがありました。どこも混雑しているGWのお出かけスポットとしては穴場と言えるのではないでしょうか。

駐車場の入り口には看板が立っており、遊歩道の地図が表示されています。初めて訪れたので、どの辺りが花の名所なのか分かりません。ハイキングを終えて駐車場に戻ってきたご家族に尋ねると「山頂まで行って戻ってきましたが、どこも咲き誇っていますよ」とのこと。往復30~40分ほどの行程とのことだったので、私も同じ行程を目指すことにしました。
突哨山は明治末期から開拓が始まり、牛馬の放牧をはじめ、一部は畑作などに利用されていました。戦後の植林などによって、現在は四季折々の花々が咲き誇る山となっています。1990年代にゴルフ場開発計画が持ち上がりましたが、長年の市民運動により旭川市と比布町が土地を取得。指定管理者の「NPO法人 もりねっと北海道」の運営で環境調査や自然観察会などが行われています。

駐車場を出て坂道を200メートルほど歩くと散策道入り口に到着しました。

単独入山者向けに「ヒグマ注意!」の呼び掛けがあって少し身構えますが、GWは入山者が多いので大丈夫でしょう。

入口にはNPO法人が作成したガイドマップが置かれています。この時期は1日2回、花ガイドツアーも無料で行われており、初めての来訪者には有難いですね。

歩を進めること数分。青紫色の花々が見えてきました。

こちらは道内ではポピュラーなエゾエンゴサク。山や川べりなどに群生してできる青いじゅうたん模様は、北海道に春を告げる風物詩になっています。

さらに歩を進めると、今度は赤紫色の花があちこちに。

こちらがカタクリです。以前に勤務していたニセコ周辺にも群生地があり、よく春先に写真を撮りに行っていました。昔は球根から片栗粉がつくられていましたが、明治以降はジャガイモのでんぷんからつくられるのが一般的となりました。

散策道沿いには次第に青紫と赤紫の花が入り乱れる様になります。とってもきれい!

「木もれ日の路(みち)」と名付けられたルートを進むと20分ほどで山頂に着きました。ただ、山頂周辺には花が咲いておらず、視界も効きません。山頂では老夫婦がベンチに腰掛けておにぎりを食べていました。「初めて来たのですが、今年は開花が早いのですか?」と尋ねたところ「いやー。私たちも初めてなんです」。ほっこりとした気持ちでお互い笑顔になりました。

せっかく来たので、すぐ先の混交林再生観察林まで歩いてみることにします。針葉樹のトドマツの植林が間伐されて広葉樹と混じりあった林です。

こちらもカタクリの群落が見事。一眼レフを構える入山者の姿も見られました。

さて、帰路は行きに通らなかった谷渡りルートを通ってみることにします。子供でも歩ける程度のなだらかな斜面をしばらく下っていきます。

谷の下でもカタクリとエゾエンゴサクが咲き乱れていました。まさに山一面がパステルカラーに彩られています。

この後、なだらかな斜面を登っていくと、元の散策道に合流。まもなく公共駐車場手前の散策道入り口にたどり着きました。

iPhoneのアプリで計測したルートではおよそ1時間で3・5キロメートルを歩いた計算になりました。山頂で引き返して戻ってくるなら40分ほどで往復できるのではないでしょうか。
クマ出没が相次ぎ、ここ最近は山歩きから遠ざかっていましたが、花を愛でる来訪者が多いこの時期なら安全に山行を楽しめます。GWに北海道を訪れる方にはぜひおすすめしたい花のスポットです。
