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【物語】あるカフェの本棚に phase04_5 本番

phase04_5 本番
あるカフェの本棚から始まった
刻々と変わる地域の過去~未来の物語

もう、この時期になると雪が舞うのが当たり前。でも、ピッチコンテスト本番のこの日は気温も高く秋のような陽気です。

スライドをめくりながら要所を語るスタイルにしたのでピッチ内容は暗記していません。車の中で生成AIの音声を聴いて暗記に励む緊張感もなく、割と自然な気持ちで会場入り。不思議なことに、緊張のあまり震えたり過呼吸になる前兆もありません。

「25兆円」

そんな言葉を発するなんて人生の中でそうそうないと思うんです。でも、スライドの中にはそんな数字が刻まれています。ちょっと気後れしてしまう数字です。ただ、そうやって事業として物事を捉えるようになると地域どころか、日本、世界の大きさって感じるものです。

「利用者の獲得が難しそう」

「クラファンの目的が見えない」

割とスラッとプレゼンが終わり、容赦ない質問タイムに切り替わります。アプリのイメージ画像の挿入、スポンサーからパートナーへの言い替え、クラファンによるファン獲得図はスライドに組み込んでいました。でも、やっぱり事業のイメージは伝え切れなかったみたいです。結局、声が震え、過呼吸っぽくなったのは質問に答えられなかったこの時間でした。

思ったんですけど、審査員は分からなかったんじゃないなって。多分、

「今の君には無理じゃないかな」

コンセプトは斬新だし壮大ではあるんだけど、もっと深く現実とも向き合って実績を積み上げること。そう言われている気がしました。

小さいことを言うと、登壇者全員、すでに実践して実績も収益も出している方ばかりなんです。私だけです、またしてもまだ何にもない人。

自分に腹が立ってきました。前回のピッチコンテストと同じです。ピッチコンテスト終了後、立食パーティの準備を横目に見ながらそう思っていました。と、そこに、

「良いと思うよ」

棒立ちになっていた私の前に現れた審査員。質問してくれた方です。

「とにかくやってみることだね」

なんだろう、質問タイムとは違う応援されてる感。そんな語り口調です。

「もちろんやります」

そう言い返す以外に言葉はありませんん。

phase05_1 天の声 へ続く


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