いい意味でも悪い意味でも ~君はコスモを感じたことがあるか!!
出来が良い子供の親は、筆者のようなしょーもない人ではない。
大体の場合がそんなもんだ。
出来の良い子供が大学生なり就活する立場になると、良い会社か悪い会社かを選別できる側に最近はなっていたりする。
出来が悪い子供だと逆立ちしても入れない有名企業でさえ、衰退気味だからって理由で悪い会社に選別出来たりもするようだ。
それにしても、しょーもなくない人の良し悪しは羨ましい世界である。
きっとこういうお子様が産まれてくるところのご両親は、夫婦仲が良くて穏やかで素敵な人ばかりなんだろう。
■聖闘士星矢
前振りが少々長かったが、書きたいことは「君はコスモを感じた事があるか!!」ってセリフを次回予告のたびに言っていた、聖闘士星矢についてである。
聖闘士星矢を知らない人のために簡単に説明すると、星座をモチーフにした聖衣(クロス)という鎧を身にまとった聖闘士(セイント)たちが、女神アテナを守るために戦う作品だ。
この作品、良い意味でも悪い意味でもすごい作品だなって思うのである。
世界観の設定は良すぎる。
ただ、物語性はぶっちゃけ悪い。
物語としてはつまらなくても設定が良いから観れてしまう所が、悪い意味ですごい作品だと筆者は思っている。
■良すぎる世界観
まず、格闘を題材にした漫画やアニメがリアルに寄せると格闘家っぽいキャラクターだらけになる。
ここに聖闘士星矢はコスモという概念を持ち込んでいる。
コスモって概念のおかげで格闘家っぽいキャラクターにする必要が無くなっている。
そこに、星座をモチーフにした聖衣(クロス)という鎧を身にまとった聖闘士(セイント)たちを登場させる。
少女漫画で城の中住んで居そうなキャラクターにクロスを着せて戦わせる。
こういう事が可能になってしまってた。
格闘系の少年漫画で、女性ファンを大きく取り込んだ作品のパイオニア的存在だったと言えるんじゃないだろうか。
■今よりすごいグッズ販売
この作品の聖衣(クロス)という鎧を身にまとうシステムがもたらしたグッズが、他の作品で売られているフィギュアよりも面白いものになっていた。
この聖衣(クロス)は、
甲冑の様な鎧の要素もあるので、男子も好き。
バービーやリカちゃんの様な着せ替え人形の要素もあるので、女子も好き。
こういう玩具になっていたのである。
こんな作品は筆者の知る限り後にも先にも無いので、いい意味ですごいところだと思う。
競走馬が美少女になるだけの携帯ゲーム。
日本刀がイケメン化するだけの携帯ゲーム。
この2つよりも凄いところはあると思う。
■そもそも物語性が重要じゃない
漫画やアニメの歴史を調べると、聖闘士星矢は技のインフレ系の作品の流れでもあるらしい。
巨人の星って野球を題材にした作品に大リーグボールって必殺の魔球があった。
その必殺の魔球の面白さをインフレさせた世界観の作品が後発で登場した。
この技のインフレ系は野球だけにはとどまらなかった。
聖闘士星矢の作者である車田正美先生もボクシングを題材に技のインフレ系の作品を出している。
その流れから生まれた作品だから、物語面白さで勝負するよりも別のところで勝負できてしまったってところもあるのである。
次から次へと敵が現れて戦うってパターンは聖闘士星矢以外の作品でも定番の型になっていた。
地球から外に出たら凍りついっちゃうぐらい強い敵に遭遇して、地球に戻ったら魔人が復活する。
この様に超有名作品だって例外ではなかったと言って良いだろう。
聖闘士星矢後のジャンプ作品は、ジャングルの王者もラッキーだけで勝っちゃうヒーローも戦っていた。
ひょっとすると、派出所の眉毛が繋がったお巡りさんだけが戦ってなかったのかもしれない。
■コンテンツとして考えたら
今のフィギュアよりもコレクターの心を揺さぶる要素がある割には、コンテンツとしての力が発揮できていないように筆者は感じている。
後にも先にも出てきてない要素なだけに少しもったいなく感じる。
三国志正史の後に三国志演義が出来て、日本史よりもグッズが売れてるかもしれない中国史のコンテンツが存在するように、聖闘士星矢も物語を作り直してみるのも良いかもしれない。
そうしないと、甲冑(鎧)の要素と着せ替え人形の要素を兼ね備えた作品が海外から輸入されて日本人のコレクター心理に突き刺さっちゃうかもしれない。
そもそも聖闘士星矢だって設定の核になっているギリシャ神話と星座は他の作品で使っていい要素である。
作品名以外は丸パクリされて本家を超えられる可能性も感じなくも無い。
手塚先生の「ジャングル大帝」とディズニーの「ライオン・キング」の逸話もあるしね。
■どうせならディズニーに
ディズニーってコンテンツ使い方が上手いメディアだ。
ジョージ・ルーカスの「スターウォーズ」もディズニーが権利を買ってエピソード7以降が作られた。
白雪姫をスノーホワイトってタイトルでおとぎ話からちょっと違うとこへリメイクしちゃう上手さも持ってる。
海外製の他の作品が登場するぐらいなら、聖闘士星矢はディズニーに買われてコンテンツとして発展してくれた方が良いのかもしれない。
本当は日本人でコンテンツの力を上げたいところだけど、聖闘士星矢にハマった世代の年齢層は筆者と同じである。
同世代でしょーも無いのが筆者だけならコンテンツとしての力はとっくに上がってそうな気がする。
聖闘士星矢は、日本人が日本アニメをクールジャパンっていってられる状況が続くかどうかを見極めるパロメーター的な作品なのかもしれない。
日本のコンテンツ産業は、自分たちが生み出した過去の作品をどう再解釈し、次世代に渡せるのかそういう時代に突入してきていると思う。
■伝説のクソゲー
数年前、西遊記の孫悟空をモチーフにしたネットゲームが世界で話題になった。
残念ながらクールジャパンでは無い。
モチーフが世界に通用したのは、
堺マチャアキと鳥山明という日本人が関わっていたと思う。
日本では、最遊記をモチーフにしたRPGゲームは初代ドラゴンクエストと同時期に発売されていた。
「元祖西遊記 スーパーモンキー大冒険」
ってゲームである。
良い部分が無く悪い部分だけの伝説的なクソゲーとして有名だが西遊記という世界観は被っている。
西遊記は、ギリシャ神話や星座と同じく世界で使えるコンテンツになっていた。
コンテンツになれた一因はクールジャパンなのかもしれない。
どうせならゲームもクールジャパンで作って欲しかったところだね。
私たち日本人はこういう見落としがあちこちにあるのかもしれない。
■良い意味でも悪い意味でも
就職先を選べる立場にいる子供は立派なお子様である。
良い意味でも悪い意味でも成長過程って扱いはされる。
成長過程の振る舞い次第では、立派なお子様って表現も良い意味だったり、悪い意味になっちゃったりもあるだろう。
人間も作品も、結局は似たようなものなのかもしれない。
どれだけ良い部分があっても、悪い部分はある。
逆に、悪い部分があったとしても、良い部分まで無くなるわけじゃない。
聖闘士星矢だってそうだ。
物語性だけを見れば、筆者は「ぶっちゃけつまらない」と思っている。
でも、世界観や聖衣(クロス)という設定まで含めて考えると、今でも他にない魅力がある。
だからこそ、良い意味でも悪い意味でも、すごい作品なんだと思う。
人間だって同じで、良いところだけの人なんてほぼいない。
悪いところがあるからといって、その人が持っている良いところまで否定する必要もない。
noteだって良いコンテンツから悪いコンテンツまで溢れかえっている。
筆者のnoteが良いコンテンツなのか、悪いコンテンツなのかを決めるのは筆者ではなく、読んだ人だろう。
しょーもない人間が書いたからといって、全部が悪いとは限らない。
せっかく書くなら、筆者自身はそう思っていたい。
■君はコスモを感じた事はあるか!!
作中でコスモって概念は、その辺にあるもの的な雰囲気も漂わせていた。
子供の頃は、聖闘士星矢を見ていても、単純に「カッコいい鎧を着て、強い技を出して戦っている」としか思わなかった。
大人になった今は違う。
なぜ、この作品は女性ファンを取り込めたのか。
なぜ、聖衣という仕組みは他の作品にはないグッズ展開を可能にしたのか。
なぜ、物語性が弱くても長く記憶に残っているのか。
なぜ、ギリシャ神話や星座という設定は、今でもコンテンツとして使えるのか。
子供の頃には見えていなかったものが、大人になると見えてくる。
作品そのものだけじゃなく、その作品が生まれた時代や、作った人たちの狙い、売り方、受け取る人の心理まで考えるようになる。
大人になると、こういう視点が増えてしまう。
もしかすると、こういうもの全てがコスモのようなもので、人としての成長ってものなのかもしれない。
良いところだけを見るのではなく、悪いところも見える。
悪いところが見えても、良いところまで否定する必要はない。
人間も、作品も、コンテンツも。
良い意味でも悪い意味でも、いろいろなものを感じ取れるようになる。
それが大人になるということなのかもしれない。
こういう積み重ねで、未来のある若者にその時にあった視野の広さを提供できる。
筆者はそうなれるだろうか。
だから、あえてこの言葉で締めよう。
君はコスモを感じた事があるか!!
いいなと思ったら応援しよう!
せっかくなので、綺麗なお姉ちゃんのいるお店で豪遊するお金が欲しいと心の底から思っております。軍資金を援助してくれる物好きはこの世の中に居ないとお思いますが、間違えてクリックしてしまうことに僅かな望みを。。。。