AIへの「後乗り」は損をする理由
先行者が積み上げる差は、思ったより大きい。
「AIは便利そうだけど、もう少し世の中に浸透してからでいい」「使い方が確立してから導入すれば十分」という声をよく耳にします。
本当でしょうか?
振り返ってみれば、iPhoneアプリ開発のゴールドラッシュも、ソシャゲブームも、仮想通貨も、YouTuberも、圧倒的に「先行者メリットがものをいう」世界です。
「AIは多くのスキルを無力化し、知的格差や先行者メリットをリセットする」。
そんな考え方もありますが、僕はそれには懐疑的です。
↑ChatGPTのOpenAI代表サム・アルトマンおすすめ本にも、先行者メリットがはっきりと綴られていました。
照沼健太
編集者・ライター・YouTuber。テレビ東京やNetflixのメディア運営、レディオヘッドら数々のアーティストのCD封入解説文、HIKAKIN、米津玄師、押井守、藤本タツキなどのクリエイターや多くのビジネスパーソンの取材を担当。2023年末からはYouTubeチャンネル「てけしゅん音楽情報」を運営(2025年2月末時点でチャンネル登録者数約5万人)。
今のAI状況で思い出すのは「最初のiPhone」

僕は2008年に発売された「iPhone 3G」を、発売日翌日に表参道のソフトバンクで並んで買いました。夕立が上がったばかりの蒸し暑い日で、ワクワクと「本当に大丈夫かな?」という不安が入り混じっていたのを、今でも鮮明に覚えています。
当時のiPhoneはコピペすらできず、いつ落ちるかわからない不安定さ。周囲からは「ガラケーで十分」と散々いじられたりしました。しかしそれから数年で「スマホ」は単なる携帯電話ではなく、生活のインフラになりました。
つまり、「iPhoneを持っていると便利」ではなく「スマホを持っていないと不便」な時代になったのです。行政手続きや、カフェや居酒屋での注文すらできないことだって珍しくないですよね。

いま、AIはそれと同じ道をその何倍ものスピードでたどっています。2023年にChatGPTが話題になった頃は「仕事では使えない」という声もありましたが、2025年現在AIはもはや別次元にまで性能が向上し、さまざまなアプリに組み込まれています。
さらに「AIの成長は指数関数的」です。それを前提とせず2023年や2024年で見限った人、現時点で距離を置いている人は、あまりに大きなリスクに晒されていると僕は考えています。
この記事には「AIへの『後乗り』は損をする理由」というタイトルをつけていますが、本心では「『損』で済まないのでは?」と思っています。
AIの先行者メリットは「人間性」にも及ぶ

大前提として「AIを早く使い始めた人ほど、AIのクセや本質を理解し、小さな失敗を重ねながらノウハウを獲得していく」という事実があります。
これが後から参入した人と大きく差をつける要因です。
AIは道具です。「⚪︎⚪︎について書いて」とか「⚪︎⚪︎について調べて」とだけ命令し、そのアウトプットを見て落胆あるいは勝ち誇るのは、神頼みにすぎません。道具として、創意工夫を持って使い続ける人とそうでない人との間に差がつくのは、当然です。
さらに先行者が有利なのは、単なるAI活用スキルだけではありません。技術の本質やクセを理解する中で生まれる「アイデアの蓄積」、そして「人間性とAIの掛け算」にも及びます。
黎明期のトライ&エラーでしか得られない「体感」と「発想」

AIが安定しない段階で導入している人ほど、日々の試行錯誤を通じて多くの知見を得られます。
「ここにこのパラメーターを入力すると面白い結果が得られる。それはどういうことなのか」とか、「AIはこういう表現は苦手だが、逆にこう使うと飛躍的に精度が上がる」といった、マニュアルや公式チュートリアルからは得にくい、体感を伴うリアルな学習成果です。
こうした小さなノウハウの積み重ねが、どこかのタイミングで火花を散らすように結びつくかもしれません。
これは僕の考えですが、AIを仕事や創作に活用する最大のメリットは…
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