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兼業作家の時間術⑦私の発達障害サバイバル


(文責:伏見瞬)

「顔の広さ」はどこから?

タイトルを裏切りますが、今回は時間術ではなく、社交術の話です。
私の半生から、「コミュニケーションが苦手な人間はどうやって社交性を身につけるか?」を考えていきます。

私は、文筆の仕事を始めてから、よく「顔が広い」と言われるようになりました。

人から言われるまで「顔が広い」と思ったことはありませんでした。でもたしかに、私にはライターや編集者はもちろん、音楽家・小説家・映画監督・劇作家・美術作家・デザイナー・経営者などの友人がいます。そこには、有名な賞を取っていたり、世間で知られていたりするような作家の方も含まれます。
文化産業の多分野に広く知り合いがいるという点で、たしかに私は顔が広い。文学フリマのような催しに出店すると、知人・友人への挨拶で一日が終始したりします。

幅広い仕事が飛び込んでくるし色々な情報を得ることができるので、顔の広さが私の仕事の武器になっているのは間違いありません。

しかしながら、私はもともと大変にコミュニケーションが苦手な人間です。

先日、映画『ファースト・キス』を観たのですが、主演の松村北斗さんは古代生物学者の役(※)で、もう一人の主演である松たか子さんに向けて自分の好きな古代虫の話を延々と続けるシーンがあります。松村さんの役は、他人が見えていない、人とのコミュニケーションがうまく取れない人として描かれている。今風の言葉でいえば「発達障害」の傾向を感じさせますし、その傾向は二人の結婚生活が破綻する一因になっています。

※正確には結婚を期に学者の道を諦めて会社員になる役なのですが、タイプスリップものである話の筋を細かく説明すると脱線が大きいので簡略化します。

映画の中では、そうした発達障害的傾向も半ばチャーミングに描かれているのですが、実際に他人が見えていない人間はもっと面倒な問題を抱えます

そう、発達障害的な問題を抱えていたのは私自身で、10代から20代まで非常に重たい時期を過ごしました。

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