フジロックはブルジョワのお遊び?
7月末、「フジロックフェスティバル2025」が開催。
以下の記事の通り、大盛況に終わりました。
来場者が2万6000人アップという数字だけでもすごいですが、今回のフジロックがさらにすごいのは
「大物ミュージシャンの来日」なしで来場者数を伸ばしたことです。
著者プロフィール:伏見瞬
批評家・音楽系YouTuber。東京生まれ。
音楽・映画・文学など、表現文化全般に関する執筆を様々なメディアでおこなう。2017~18年「第三期ゲンロン批評再生塾」で東浩紀審査賞を受賞。2018年から旅行誌を擬態する批評誌『LOCUST』編集長。2022年からトークイベント「歌舞伎町のフランクフルト学派」を批評家・西村紗知とともに主宰。会社勤めの兼業作家。
著書に『スピッツ論 「分裂」するポップ・ミュージック』(2021年、イースト・プレス)。2023年末からはYouTubeチャンネル「てけしゅん音楽情報」を運営(2025年2月末時点でチャンネル登録者数約5万人)
今までであれば、ヘッドライナーにビッグアーティストを揃えるのが、来場者数を伸ばす基本戦略になっていました。
過去最高の約140,000人を動員した2012年のフジロックは復活したストーンローゼスや、久々の来日となったレディオヘッド、当時は決裂していたオアシス兄弟の2バンドがどちらも出演など、英国のトップクラスの人気バンドを呼ぶことで動員に結びつけている。
他にも、ビョーク、レッドホットチリペッパーズ、コールドプレイ、ケンドリック・ラマーなど、高い人気を誇るアーティストをヘッドライナーとして発表することで、「観たい!」「行きたい!」という気持ちに火をつけてきました。
しかし、昨今の円安傾向により、海外の人気ミュージシャンのギャラが高騰。
昨年には、初日のヘッドライナーに決まっていた米国の人気シンガーSZA(シザ)の出演キャンセルもありました(理由は金銭ではないらしいですが)。
今年も、「沢山の海外ミュージシャンが出演を断った」という話を聞いていますし、交渉は難航していた模様。
フジロックだけでなく、海外ミュージシャンを招集するフェスにとっては、強い向かい風の状況が続いている。
そんな中での、来場者数の大幅アップ。
逆境においてこの結果は、相当のことです。
フェスになかなか出ない山下達郎の出演、最初に出演アーティストを一気出ししたことによる印象アップ(全体の並びの妙でラインナップの充実をアピールしていました)、Fred Again..やVulfpeckなど日本で人気が高まっていたミュージシャンの発掘など、いくつかの要因が考えられます。
ソーシャルメディアを除いても、今年のフジの盛り上がりは伝わってきました。配信で見る人も、かなり多かったように見受けられます。
そんな中、Xで一つのポストが目に止まりました。
結局フジロッカー共が掲げるロックの理念なんて全く中身のない
戦争も経験した事ない労働者階級みたいな貧困の出でもないどころか3日間に10万ぽんと出すブルジョワでマジの差別も受けた事ない連中がウッドストックのヒッピーごっこで遊んでるだけ。
おそらく、参政党支持の方がフジに出演するという話題に対して、「フジロックに参政党支持者は来るな」みたいな発言や空気感が広がっていたことに対するリアクションがこのポストだと思われます。
こちらを見て色々思うことがあったのですが、一番強く思ったのは、フジロックに行く「ブルジョワ(といわれるだけの可処分所得のある人)」が日本に数万人も住んでいるなんて素晴らしいことじゃないか、ということでした。
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