2026年コーチェラはサブリナ・カーペンターとジャスティン・ビーバーの話題で持ち切りらしい
◯コーチェラってなんじゃい
アメリカで最もデカくて最もパリピな野外音楽フェスである。
正式名称は「コーチェラ・ヴァレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル」らしい。毎年4月、カリフォルニア州インディオという砂漠の町にあるエンパイア・ポロ・クラブという広い草地で開催され、1999年から始まり今年で25回目、4月10日〜19日までの開催となっている。
フェスの規模は半端じゃない。1日あたり最大約12万5000人が集まるという超大型イベントで、ロック、ポップ、インディー、ヒップホップ、EDMなどあらゆるジャンルの音楽アーティストに加え、アート作品やインスタレーションも展示される。要は「音楽と現代アートの祭典」だ。
開催は2週にわたって行われるのも特徴で、基本的に同じラインナップで2回繰り返される(ウィークエンド1・2と呼ばれる)。ほぼ全てのパフォーマンスはYouTubeでライブ配信されるため、現地に行かなくても日本からリアルタイムで楽しめる。
なぜこれほど有名かというと、出演者のレベルがとにかく異常だからだ。世界トップクラスのアーティストが一堂に会し、サプライズゲストも当たり前のように登場する。加えてセレブやインフルエンサーの"コーチェラファッション"が毎年SNSを席巻し、音楽以外でも世界中が注目するカルチャーイベントになっている。
チケットの値段も中々セレブで定価749ドル(約119,000円、1週目)、649ドル(103,000円、2週目)、VIP席になるとこれらがほぼ2倍の金額になるそうだ。しかし発表後1週間以内に完売したというから、モノホンのセレブにとっては痛くも痒くもない金額なのだろう。
〇2026年のラインナップ:ヘッドライナーは誰だ
今年のヘッドライナーはサブリナ・カーペンター、ジャスティン・ビーバー、KAROL G(カロルG)の3組である。
・サブリナ・カーペンター:「Espresso」や「Please Please Please」でTikTokの話題を席巻してきたアメリカのポップスター。元々ディズニー出身で、2024年のコーチェラにはサポート出演していたのが、今回は堂々のヘッドライナーに昇格した。
・ジャスティン・ビーバー:もはや説明不要だろう。「Baby」で一世を風靡したカナダ出身のポップアイコン。近年は活動を抑えていたが、今回のコーチェラで久々の大舞台復帰となった。
・KAROL G:コロンビア出身のラテン系シンガー兼ラッパー。コーチェラ史上初のラティーナ(ラテン系女性)ヘッドライナーという歴史的な快挙を達成した。まだ日本では馴染みのない名前だが、世界的には超スターである。
その他の注目出演者には、The xx(UKのインディーポップバンド)、The Strokes(ニューヨークのロック界の大御所)、Disclosure(UKのエレクトロデュオ)、FKA twigs(実験的なR&Bシンガー)、Young Thug(アトランタ出身のラッパー)など錚々たる面々が並ぶ。K-POP界からはBIGBANGも出演するようだ。
〇日本人アーティスト
日本からはCreepy Nuts、藤井風、¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U(ユースケ・ユキマツ)の3組が出演する。
・Creepy Nuts:言わずもがな、「Bling-Bang-Bang-Born」でアニメ『マッシュル』のOP曲として世界的ヒットを飛ばしたヒップホップデュオだ。「オトノケ」「Bling-Bang-Bang-Born」「Mirage」の3曲でBillboard Global Japanチャートのトップ3を独占するという前代未聞の快挙を成し遂げており、今や完全にグローバルなアーティストである。コーチェラ初日のGobi Stageのトリを務めたというのも、その評価の高さを物語っている。
・藤井風:ソウル、R&B、J-popを独自に融合させた岡山出身のシンガーソングライター。海外での評価が国内より先行する珍しいタイプで、コーチェラでは大型ステージのひとつ「Mojave Stage」に登場した。ステージにはギタリストのTAIKING(Suchmos)やキーボーディストの江﨑文武(WONK)ら豪華バンドメンバーを引き連れた編成だった。
・¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U(ユースケ・ユキマツ):名前のインパクトが強すぎるが、れっきとしたDJ・プロデューサーだ。EDM系のSahara Stageへの出演で、世界のクラブシーンに向けて存在感をアピールした。
〇セレブ目撃情報:コーチェラはもはや社交場
コーチェラはもはや音楽フェスというよりも「お金持ちとセレブが集う砂漠のパーティー」という側面が強い。今年も続々とVIPが目撃された。
キム・カーダシアン&ルイス・ハミルトン:ジャスティン・ビーバーのヘッドライナーパフォーマンス中に2人が並んで歩く姿がXに投稿され、手をつないでいたとも報じられた。交際の真相はまだ公式には明かされていないが、ファンの間では「もう付き合ってるでしょ」という空気になっている。
ヘイリー・ビーバー:ヘッドライナーである夫・ジャスティンのパフォーマンスを応援しつつ、自身のコスメブランド「Rhode」のポップアップイベントも開催するという抜け目ない動きを見せた。
パリス・ヒルトン:コーチェラ近くで「Parívie Oasis」イベントを主催。御年45歳にして相変わらずのコーチェラ皆勤賞ぶりだ。
〇今年の主なトピックスと炎上
◇サブリナ・カーペンター関連
① サブリナ、伝統的な歓声を「気持ち悪い」と言ってしまい炎上
サブリナ・カーペンターがヘッドライナーパフォーマンス中に、観客の一人が発した「ザグルータ」を「ヨーデル」と勘違いして「変だ(weird)」と発言し、批判を浴びた。
「ザグルータ」とは中東・北アフリカ文化圏で結婚式などの祝いの場で使われる伝統的な歓声のことだ。観客がそれは自分の文化だと説明したにもかかわらず、サブリナは「これはバーニングマン?何が起きてんの?ウィアードだわ」と笑って流してしまった。
その場面がSNSに拡散され「文化的に無神経だ」との批判が殺到。翌日サブリナはXで「見えていなかったし、はっきり聞こえなかった。純粋に混乱していた。もっとうまく対応できたはず」と謝罪し、「ザグルータが何か今わかった。これからはあらゆる歓声を歓迎する」とフォローした。
悪意はなかったのだろうが、世界中から注目される場での発言だっただけに大きく広まった炎上案件となった。
my apologies i didn’t see this person with my eyes and couldn’t hear clearly. my reaction was pure confusion, sarcasm and not ill intended. could have handled it better! now i know what a Zaghrouta is!
— Sabrina Carpenter (@SabrinaAnnLynn) April 11, 2026
I welcome all cheers and yodels from here on out https://t.co/f3KuT8sggH
② サブリナは全力、ビーバーはYouTube鑑賞会——演出格差ありすぎ問題
サブリナ・カーペンターのパフォーマンスは、ほとんど自身の単独公演と遜色ないほどの気の入りようだった。ハリウッドをテーマにした「サブリナウッド」と名付けた巨大セット、複数の衣装チェンジ、バックダンサー、豪華な演出、スーザン・サランドン、ウィル・フェレル、ミュエル・L・ジャクソンといったハリウッドスターのカメオ出演まで盛り込んだ約90分。最後の曲ではキャデラックに取り付けられた噴水から登場するという演出でフィナーレを飾った。アメリカのカルチャーメディア「Rolling Stone」は彼女に5つ星を与え、ファンからも絶賛の声が相次いだ。
一方翌日のジャスティン・ビーバーはバックダンサーも豪華な舞台装置も一切なく、フーディーにTシャツ姿でたった1人で登場した。そして舞台上でノートパソコンを開き、「Baby」「Beauty and a Beat」など昔のヒット曲のYouTubeMVをスクリーンに映し出し、画面の中の若い自分と一緒に歌い始めた。ステージの大スクリーンに映し出されたのは、誰でも無料で見られるYouTubeのページである。
ケイティ・ペリーがインスタに「プレミアム契約しててよかった。広告が入ったら最悪だったから」と動画を投稿してジョークにしたが、これが案外的を射た表現だったため爆笑と批判が同時に広がった。
一方で擁護派も少なくない。ビーバーはもともとYouTubeに自分の歌動画を投稿したことで発掘されたアーティストであり、その原点に立ち返る演出だったという見方もある。ビーバーがメンタルの不調を乗り越えてステージに戻ってきたこと自体に涙したファンも多かったはずだ。
結局のところ、「ビーバーはビーバーらしいことをしただけ」という見方と「コーチェラのヘッドライナーとしての責任がある」という見方が真っ向からぶつかり合った形だ。ウィークエンド2でのパフォーマンスが改善されるかどうかも、今後の注目ポイントになっている。
◇それ以外の話題
③ AirbnbキャンセルとVIP格差問題
コーチェラ2026では、Airbnbのホストが直前に予約をキャンセルし、より高い値段で再掲載するケースが相次いで報告された。インフルエンサーたちもブランドから直前にコーチェラ招待を取り消されたと次々にSNSで告白し、"インフルエンサー業界の闇"として話題になった。
④ セレナ・ゴメスとビーバーのデマ拡散
「ジャスティン・ビーバーのコーチェラ出演に合わせてセレナ・ゴメスが現地入りし騒動が起きた」というデマがSNSで急拡散されたが、これは完全なフェイクニュースとして否定された。元恋人の話が何年経っても蒸し返されるあたり、セレビーバー(セレナ×ビーバー)の影響力はいまだに健在だ。
〇まとめ
コーチェラはただの音楽フェスではない。音楽、ファッション、セレブ文化、SNS、インフルエンサー経済など現代の大衆文化のあらゆる要素が1つの砂漠に凝縮されたような存在だ。
今年は日本人アーティストが3組も出演し、日本と世界の音楽シーンの距離が確実に縮まっていることを実感させてくれた。Creepy Nutsや藤井風がカリフォルニアの砂漠で大歓声を浴びているという事実は、素直に誇らしい。
興味が湧いた人はYouTubeの公式チャンネルで全ステージが無料配信されているので、まずはそこから体験してみることをおすすめする。砂漠の熱気は画面越しでも十分に伝わってくるはずだ。
