違和感“風まかせ文芸部”
最初はただ、疲れているのかと思っていた。
無口になる友だち。高校2年、進路に悩んでいるのかとも思ってた。
話しかけても返事はくれるけど、そこから進まない。
「いつからだろう?」と思い過去を振り返る。
「あ、先生が産休に入った日だ。そして新しい先生が来て。それまでは、変わらなかったもの」
思い切って聞いてみる。
「ねえ、ユリ、最近何かあった?ユリを見てるとなんかあったのかと思ってしまうの。前と違う、そう、違和感を感じるの」
「アキちゃん、鋭いなぁ。やっぱ行動に出ちゃうんだね」
「話せることなら言って。何か相談に乗れるかもしれない」
「ごめん、気を使わせて、あのね、先生が変わったでしょ」
「新しい先生って兄なの。なんだかやりにくくて」
「えっ!お兄さん?でも、苗字が違うね」
「うん、お母さんが家を出た時、兄を連れて出たの。私はまだ小さくておばあちゃんに育ててもらったから。兄はお母さんの苗字なの」
「そうだったんだ。先生は分かっているのかな?」
「わからない。聞いてないし、よくある苗字だから気づいてないかも」
「そんな......気づいて欲しい...よね」
「うん」
ユリは心に溜まっていたものを出してくれた。
「アキちゃんに言えたら胸がスッとした。ありがとう、聞いてくれて」
「ううん、こっちこそ話してくれて、モヤモヤが消えたよ。言いづらいことを話してくれてありがとう」
「アキちゃん、私、考えてみる。
先生に話せるかどうか、まだ分からないけど」
「うん、私はそんなユリに寄り添ってくよ」
「ありがと、アキちゃん」
夏休みに入る終業式の日、
ユリは思い切って先生に話した。
先生は分かっていたけど、どうしたらいいか、悩んでいたらしい。学校の中では秘密だけど、お父さんに話して、お母さんにも会えることが出来たらしい。
アキは、それを聞いて嬉しかった。
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