山岳フリマ/毎週ショートショートnote
「ちょっと登山してくる」
「お前、登山してくる?ってその格好はなんだ?」
「親父、気にしないでくれよ。これが俺の登山スタイルなんだ」
と言いタクミはもの凄い荷物を背負って家を出た。
登山といっても、百低山と呼ばれる山なので全然辛くない。
この日、此処ではフリーマーケットが開かれるのだ。
タクミは、参加するために来た。
もう人は集まっていて、各自、自分の持って来たモノを広げ始めていた。
「うわー俺の欲しいモノいっぱいある。ダメダメ、売ってからじゃないと買わないぞっと」
そういって、タクミも、皆に倣い
売りたいモノを出してみる。
それは子どもの図鑑本だった。
タクミが幼い頃に買ってもらった図鑑である。
「どうですかー、お安くしときますよー」
なかなか、買おうと言う客は来ない。
「うーん、何故売れないんだー」
タクミは、自分が欲しいモノにばかり目が行き上の空だ。
「えい!買ってこよう!」
自分のは売れずにタクミは欲しいモノを買い始める。
「あー、買ったぞー」
タクミは満足だった。しかし、タクミのは、なぜ売れないのか?
タクミの本にはクレヨンで殴り書きされている本ばかりだったのだ。
タクミは、そのことをすっかり忘れ
気づかぬまま、持って来たのだ。
売れないわよね。それじゃ。帰りは来た時より倍ほどの荷物を背負って家に帰った。
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