和歌ゲーム#毎ショ
「和歌ゲームの助っ人、キミに決定しました〜」
昼休み、唐突に宣言してきたのは、クラスの朝倉蓮。
ちなみに私は、和歌も部活も完全ノータッチな佐野遥。
「いや、決まってないけど!? 何それ!?」
「文芸部の神谷先輩が、“おもしろそうな顔”って言ってた!」
「私の顔、どうなってんの?」
結局押し切られて、文芸部の部室へ。
「来たわね! 神谷美咲よ!」
「文化祭で、和歌を使った謎解きゲームをやるの。キミには、和歌を書く手伝いをしてもらうわ!」
「書けません!!」
「大丈夫。感じたままを五七五七七にするのよ!」
「無茶ぶりすぎる!!」
だが気づけば私はハマっていた。
たとえばこんな和歌を書いていた。
お昼時 焼きそばパンが 消えていた
走った私に 何が残った
お母ちゃん どうして今日も 梅三つ
白米真っ赤 ホラーの弁当
「めっちゃ情緒あるじゃん!」
「どこが〜〜」
文化祭当日。和歌ゲームは大盛況!
でも、最後の“百首目”だけが見つからない。
「実はそれ、十年前にいなくなった姉が残した和歌なの」
と、神谷先輩。
「マジで急にいい話!」
そして、掲示板の裏に貼られていた最後の一首。
春風に 言葉をのせて 届けたい
忘れてないよ あなたの声を
先輩、少しだけ泣いてた。
でも笑って
「これでやっと、返事ができた」
って言った。
帰り道、私もこっそり詠んだ。
和歌ってね、なんか難しいと思ってた。
けど今日ちょっと、好きになりました。
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