【短編小説(死ぬときの妄言)】20分後に死ぬ話 1600字
[HL:死ぬとこ(結構頭のおかしいノリの話注意)]
#20分後に死ぬコンテスト
おじゃましますー。
自分が死ぬとこはどう考えてもひどい話にしかならないんで、自キャラを刺殺してみました。
どう考えても心には残らない奴ですが、せっかくかいたので放流します。
「ヒロ? お帰り」
今日は俺の方が早く帰ってきて、たまにと思って料理をすることにした。あんまり得意ではないけれど、時間が開いていれば一緒に食事をしたい。ガチャリと玄関が開く音がして、それからこちらに歩いてくる音。けど、いつものただいまの声が聞こえない。
「ヒロ?」
さらりとシチューをかき混ぜる手を止めて火を止めて、振り向こうとした瞬間、背中にドンという衝撃が走る。
「え?」
そして、走り去る音。そして声を出して急激に走る背中の痛みにふらつき、床に倒れた。
「つ」
何だ。何かおかしい。そう思って大きく息を吸おうとして、やっぱり何か変だということに気が付いた。背中に異物感。違和感。なんだこれ。おそるおそる背中にふれた瞬間、強烈な痛みに頭がチカチカする。もう一度それに触れると、ごとりと落下して、それがナイフであるとあたりをつける。
「なんで、ヒロ?」
そう思うと同時に玄関がガチャリと閉まる音がした。とりあえず、救急車。そう思ってポケットにスマホを探し、開こうとして画面がぬるりと赤く湿る。横たわったまま何度かフリックしようとしても上手く数字が入力できない。手の平で何度も拭っても液体が広がるだけでその間に奇妙に息があがり、そして目がかすんだ。ふりとせき込んで、口の中に血の味がした。刃物が肺に貫通した。
ああ、開放性気胸だ。
気胸の手術はたまにする。だからこの息の困難具合は開放部分が大きくて……横隔膜の動きで吸う空気より傷口から抜ける方が大きくなっている。ほっといたら呼吸困難で死ぬ。救急車を呼べば助かるかもしれない。
救急車……。それよりなんで、ヒロは俺をさした。
俺は実はヒロに嫌われていた? そんな、まさか。そんなばかなことがあるはずがない。
最近なにかあっただろうか。最近……先々週も一緒に買い物に出かけた。確か……何だっけ、そうだ服を買いに行ったんだった。
『奏汰、これに合うかな』
「ヒロはなんだって……」
口を開くと咳がでる。嗚呼何故だ。あんなに楽しそうだったのに、本当は嫌だったのか。死ぬほど?
そんな馬鹿な。ヒロは俺の運命の人だ。
じゃあ。なんで。ヒロは俺を殺したい? 俺が死んだ方が嬉しいんだろうか。何故。
もし別れたいというなら……駄目だ。それは無理だ。ヒロは俺の運命だ。
別れるなんてできない。多分ヒロもそれはわかっていた。なんだか呪いみたいなんだ。俺はヒロがいないなんて嫌だ。ヒロも同じ気持ちだから俺を刺した? いや、なんだか頭が混乱してきた。理屈がつながっていない。
でもヒロが俺を殺したいなら……それならまあ、いいかなって気はする。多分俺がヒロと別れるとしたら俺が死ぬしかない。ヒロが死んだら俺も死ぬし。
ああ。なんだかぼんやりするな。呼吸困難だ。息を浅く。なるべく浅く。長く。けれどどうなる。結局救急車を呼ばないとここには誰も来ない。ああ、救急車……?
かすむ視界でスマホを眺める。手は……とても重くすでに動かすのも億劫だ。
……よく考えたら俺を刺したのは本当にヒロなのか? 俺はそいつを見ていない。ヒロが俺を刺すはずがない。
瞬きをして、次に開いても世界は白くもうよくみえなかった。
いや、多分死ぬ。俺は死ぬだろう。ここから一番近い病院でも10分はかかる。今から救急車を呼んでも、言葉を話すことも難しいんだ。このまま生きても酸欠できっと脳機能に障害が残る。それなら死んだ方がいい。
そうして手の力をぬけば、スマホはカタリと床に倒れた。
ああ、俺を殺すのはヒロだよ。そうじゃなきゃだめだ。
そうじゃなきゃ、俺は浮かばれない。ヒロなら許せる。俺を殺しても俺は許す。俺はヒロのために生きているんだから、ヒロのために死んだって別にいい。そうだ。俺はヒロに殺される。そう考えれば終幕としてなかなか上等だ。これから一緒にくらして、そう、どんな暮らしだろう。もうよくわからないけれど、どのみち終わりは来る。嫌だ。
ヒロ。運命。お前に殺されるだとしたら、それはそれで、なんだか幸せな人生だった気がする。
会えてよかった。もう一度会いたい。ああ、大好きだ。
それから、ええと、なんだっけ……。
ヒロ。
ー補足。
書いた時間は19:41秒でした。とりあえず画面録画しといた。
誤字あるかな、、みるの怖いけどラグが19秒くらいあるから気が付いたら直すくらいの余裕はあるだろう。
上記の文章の中はVer2の奏汰さん(医者)の心象風景で圧縮されてるので、この文の最期までで5分、そこから意識を失って残り15分で窒息死の想定です。
ー死因についての補足。
とりあえず恋人にさされる想定で書き始めたけど書いてる間は雑に描いていたので、ちょっと冷静に死因を考えてみる。
背中側から第4と5の間あたりの肋骨を刺突して中葉あたりを大きく損傷したけれど心臓や気道の損傷には至っていない想定。心臓に入るとほぼ即死するけど真後ろから心臓や気道を刺すのは難しい。
気胸というのは肺に穴が開く病気で自然に開くこともあるけれど、開口部がある状態で呼吸すると呼吸による陰圧で肺と胸腔間に空気がたまって胸痛(意外と広範囲にでることがある)、息切れ、心拍数増加なんかがあるんだが、開口部が大きければ開口部から胸腔に入る空気量が気管を通ってくる空気量より多くなって肺がつぶれて呼吸ができなくなる。その他の症状として胸腔内の圧力上昇により血圧が低下し、下がりすぎればショック症状を引き起こし脱力とめまいが生じる。
うん。書いてる内容とは矛盾がなさそうでよかった。直近でわき腹に近い背部から刺されてそっちは失血死しそうになったキャラがいて、その時色々調べたんだ。色々調べたが、心臓を刺すなら刃を倒して正面から胸骨の間から滑らすか腹腔狙って下からアッパーの勢いで抉って破壊するのがいいんじゃないかと考えている。推理小説考えてるといろいろ物騒な頭になりますね。持ってる外傷初期診療ガイドラインのVerが2005年の判で心もとない。
ーキャラについての補足
読み直したら凄い短絡的だなぁ。
脳障害が起こるかわからないけれど、奏汰にとってヒロが好きなのは至上命題なので、ここが狂うなら死んだ方がいいとわりと素で思っているだけです。奏汰は狂気的な人なのでこれは設定というか……。
でもヒロは奏汰さんを殺すことはないので奏汰さんに恨みがある人の他殺な気がする。でもVer2の奏汰さんはあんまり恨まれる人じゃないから心当たりがないな。Ver1の奏汰さんは人殺しだから殺されても仕方がない。
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